染井吉野はクローン

桜の科学、という本を読みました。
せっかくの桜の時期なので、ちょっと集中して、桜の話題をいってみましょう。

クローン
染井吉野はクローンだからみんな一緒だと、聞かれたことがあるかも知れません。
クローンっておどろおどろしいイメージですね
羊のドリーのようです。
白衣を着たおじさんがフラスコの中で染井吉野を作っているんでしょうか

いえ
昔からある接ぎ木の事です。

染井吉野に限らず多くの桜は、同じ種類同士では実を結びません。
自家不和合性と言って、遺伝的な劣化を防ぐためです。

したがって、公園等で染井吉野だけしか桜が植えられていないところでは実は出来ません。
染井吉野はエドヒガンとオオシマザクラの交配でできた品種です。
染井吉野の誕生秘話は以前にも書いたので、そちらも読んでね
ソメイヨシノを作った男は伊藤伊兵衛?

花の咲く時期には葉の眼が出ないという、エドヒガンの性質を受け継いでいます。
見た目がとても綺麗になる訳です。

接ぎ木による増殖は果物の世界では一般的で
りんごで言うと「ふじ」や「紅玉」
梨で言うと「豊水」や「二十世紀」は接ぎ木による栽培品種です。

近くに染井吉野以外の桜があれば、染井吉野も実を作ります。

♪くーろいさくらんぼー

苦いですが、食べられない訳ではありません。
ただ、お腹が弱めの人は、こういう風に黒紫になるまでは食べない方が良いでしょう。
未成熟なうちは毒があります。

実の中の種を植えるとちゃんと発芽します。

でも、お父さんの血も受け継いでいるので、染井吉野とはちょっと違う性質になります。

染井吉野の正体がよく分からなかった時期は、種で増やそうとした記録も残っています。
ただ、そうそうに違っちゃう事が分かったのでしょう
すぐに、接ぎ木方式に統一されました。

第二次大戦後に植えられた染井吉野は全て同じクローンです。
気象庁が、全国の染井吉野の遺伝子を調べたところ
全て同じクローンだったようです。

[植物]シリーズはこちら(少し下げてね)

染井吉野はクローン」への2件のフィードバック

  1. ピンバック: 染井吉野の花の色は | でーこんのあちこちコラム

  2. ピンバック: ソメイヨシノの原木はこれだ | でーこんのあちこちコラム

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