文屋朝康、白露に~

白露に 風の吹きしく 秋の野は
つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける

白露に 風の吹きつけている秋の野は
紐で貫き留めていない玉が散りこぼれているようだなあ

文屋朝康
文屋朝康(ふんやのあさやす)はあまりその素性が知られていない謎の人物
歌人としては認められていて、色んな歌会に参加している
特にこの歌は藤原定家にかなり気に入れられたようで
色んなところで、優れた歌として紹介されている

観賞
玉というのは宝石のことで
当時から穴をあけ、紐を通してアクセサリーとして使われていた
真珠か水晶かは説が分かれるようですが
真珠説の方が有力なようです
真珠の方が一般的に出回っていたということなんだろうか

露を宝石に見立てるというのは
当時、よく使われた手法
色々、歌が残っています

なので、その事だけだと
藤原定家にそこまで気に入られなかっただろう

プラスアルファの要素が入っている

秋の風に吹き付けられて
紐がほどけてばらけちゃった

その動きのある躍動感です。
露があるね
きれいだな
玉(宝石)みたいだな
では、
はいはい、よくある歌ですね

藤原定家は和歌の先生として指導する際に
それではダメなんだよ
君たちなりの何かをプラスしないとレベルアップ出来ないよ
ほら、この歌をご覧なさい

と言いたかったんでしょうね

分かる分かる
目の前に散らばる感じ

文屋朝康、白露に~」への1件のフィードバック

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