正岡子規。秋山真之との友情。

前回、正岡子規の話をしました。
正岡子規。いまを平然と生きること

今日は、その続きで親友との友情のお話です。

秋山真之
子規と秋山真之(さねゆき)は松山にいる幼い時から仲が良かった。

相前後して東京に出てきて
東京大学予備門に入学。

ともに文学の道を志そうと誓い合い、東京大学進学を目指す。

でも、真之の家は裕福ではなく
やむ無く、東京大学進学を諦め
学費がかからない、海軍兵学校に進む。

誓い合ったのに

真之は、子規の下宿に置き手紙を残す。

見た子規は、涙を流す。

裏切ったなんて、思う訳ないじゃないか。

その後、子規は脊椎カリエスで床に伏したままになってしまう。

再会
真之が、アメリカ留学を命じられる。

真之は休暇をもらい、子規に会いに行く。

どんな話をしたろう。
おそらく、笑顔の溢れる良い会話だったんじゃないかな

もう、会えるのはこれが最後かもしれない。
お互いにそれを思いつつの会話。

真之がアメリカに旅立つ日
新聞に、送別の句を投稿する。

君を送りて 思ふことあり 蚊帳に泣く

東京根岸にある「子規庵」には
病床で毎日見ていたとされる地球儀が残されている。
その地球儀には、アメリカが青く縁取りされている。

年賀状
2年半後、真之から子規の元に届いた年賀状には
たった一つの句が書いてあった。

おそらく、好奇心旺盛な子規のこと
アメリカに来ている自分を羨ましく思っているだろう。

遠くとて 五十歩百歩 小世界

同じ頃
真之は、子規の身を案じ
一枚の毛布を送っている。

その年の夏、留学を終えた真之と再会を果たす。

良かった。
また、会えたんですね。

その二年後、
子規は息を引き取ります。
臨終の時まで、送られた毛布を肌身離さずに。

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