日本庭園、橋あれこれ

日本庭園において、橋もまた大きなポイントになります

苑路(庭園内の道)が遣水とかの流れを跨ぐとき、
島ととやり取りで使われます。

特に池の中の中島は、神仙思想で蓬莱山とかに見立てられます。
不老不死の庭園
そこで、橋はこの世とあの世の結界、文字通り、橋渡しになります。

平橋
一番一般的な橋です。
故に、自己主張をあまりしない

周りの景色に溶け込ませたい場合に使います。

木造が多く軽い感じ
敢えて重厚感を持たせたくない場合です。

反橋
うわっ、日本庭園!

特に赤く塗っていたりすると
バシバシ何枚も写真を撮りたくなります

こっちは思いっきり自己主張です

特に浄土式庭園の場合は、これを渡れば極楽浄土に行けるって気がとてもします

石橋
材料の側面から考えると、
木の次に、石というのもあります。

石の橋は庭園の中でも、大きなポイントになります。
極力加工せずにどんと置いた場合


真っ直ぐに加工した場合


反らせる事も出来ます

石を素材に、反り橋だって

数枚組み合わせると、これまた趣がある

土橋
石も良いけど土も良いのよね

縁に草が生えていたりするのは土橋じゃないと無理で
日本庭園とよくなじみます。

素朴さが売りかな

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ヒノキ

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日本庭園、塀

前回までの庭園シリーズでは、垣の話をしました
日本庭園の、生け垣と刈り込み

同じく境目を区切るものとして、塀もあります

塀と垣ってどう違うんでしょう
パッと頭に浮かぶイメージとしては全く違います
生け垣と、土塀は明らかに違うとして
竹は垣で、木は塀という境が微妙
改めて、どこからどこまでが塀で、どこからどこまでが垣かと言われると

うーん

垣が庭園の自然と調和し、竹や柴などの柔質な材料で作られるのに対し
塀は自然を引き立てるような板や漆喰、瓦などの硬質な素材で作られる

なるほど
庭園の一員として、中で調和するのが垣で
周りでガッチリガードを固めた上で、庭園の引き立て役になるのが塀か

いつも悪いねえ、引き立て役で
今後も助けてくれるかい?

へいっ


都で戦乱の少なかった平安時代に作られた寝殿造り系庭園では、
比較的柔らかな、板で作られたに板葺きの屋根をふいた「立蔀(たてじとみ)」と言われる塀

ただ、木で出来ているので、雨風や、火災にも弱く、あまり実用的ではありませんでした。

浄土式庭園として、阿弥陀堂を中心とした、寺院の庭園になると
寺院の建築様式に沿っていくことになります
漆喰の間仕切り壁の上に、瓦屋根をふいた瓦塀(瓦塀)が用いられるようになりました

武士が台頭してきた時代に、書院造り系庭園になりますが
攻められないよう、耐久性の高い塀で囲むことになります。

さらに、耐久性を高めたものが、築地塀(ついじべい)
粘土を打ち固めた上に、瓦や杮(こけら)でふいた塀

紛らわしいんだけど
瓦を横にして練り込んだとてもかっこいい塀は
瓦塀とも築地塀とも呼ぶようです。

さりげなく、杮(こけら)って出てきたけど何?
上にカキを乗っけるの?
塀なのに垣(カキ)?
と疑問が沸きました。

調べましたよ
こんなのが、杮(こけら)

なるほど、見たことあります。板で瓦みたいになっている。
何で柿って書いて、こけらと読むの?
違うんですって
こういうからくり

あらま、抜き通っている。

京都の龍安寺石庭、瓦葺きの塀でした。
ところが、1951年の解体調査の際、
塀の中から、もとは柿葺きだった痕跡が見つかった。

ということで
1977年から、柿葺きに変更
やっぱり景観と馴染むなあ。

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イチョウ

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日本庭園は、死なない苔で決まり

日本庭園シリーズ、植物系にいっておりますが
大物を忘れてやしませんか、と


日本庭園にも思ったより前から芝が使われていたという話はしましたが
日本庭園らしさといえば、やっぱり苔

君が代に歌われている植物ですからね
日本を象徴しております。

苔ってものすごく種類が多い
世界にざっと2万種類、日本に2千種類
じめじめ日本の面目躍如ですね

苔寺と言われている京都の西芳寺だけでも100種類以上

何と言っても歴史が長い
4億6千万年前に海から地上に上がった初めての生物は苔

そして、一番の特徴は、
「死なない」

水が全くないと、枯れちゃうんですが
枯れたところで、死んでいる訳ではない。

ちょっとお休み

どれだけ経った後でも、水を与えるとたちどころに甦る

ああ、良く寝た

まさか、死なない生き物がこの世の中にあったなんて
予想だにしておりませんでした。

死なないで、増えて行って、4億6千万年
これはもう、地球上の全ての陸地は苔でおおわれそうですが
そうもなっていないところを見ると
誰かに食べられちゃうとか
天敵がいて、プラスマイナス均衡しているんでしょうね

おそらく、一番の天敵は人間でしょう
あっ苔だ、たわしでゴシゴシ

次なる特徴は
土が要らない
石だろうがコンクリートだろうが、ぴちゃっ

苔を育てようとすると、意外に大変らしくて
その場所にあった苔でないと、無理に何とかしようとしても駄目なものは駄目

でも、その場にあった苔ならば、そのあと、全く何も手をかける必要がない
4億6千万年後もそのまま

日本庭園を見るときに
古きに想いをはせて、ってな事になるわけですが
苔があった分には
4億6千万年前まで想いをはせる必要があります。
首が痛くなりますね。

日陰でしか育たないイメージありますが、
緑である以上、光合成をしている訳で
ある程度は光が必要
ちょっとだけで良いタイプと、いっぱい欲しいタイプと両方あるらしい。

(以上「日本庭園鑑賞のポイント55」より引用)




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モミジガサ

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日本庭園の、生け垣と刈り込み

生け垣
出ました、生け垣

庭園からのアプローチではなく
「木」からのアプローチでも、生け垣って大きなテーマ

歩いていて、木を楽しもうとすると
まず一番手っとり早いのが、生け垣と街路樹

それぞれ、使われる木が違う
生け垣に落葉樹とか使っちゃったらスカスカになっちゃいますから

住宅街は生け垣だらけです。

刈込
庭園は自然を模しているわけです
これは、二つの事を意味しています

ひとつは、出来るだけ自然を再現しようと言うこと
ただ、全く自然のままならば、自然を見れば良いわけです。
自然を持ってきて、より美しく見せる
すなわち、自然に手を入れて初めて庭園
自然のままなら、ぼうぼうです。

この相矛盾する二つは永遠の課題です。

刈り込みは
一見それと分からぬほどの、自然なものから
きっちり刈り込まれたものまで色んなレベルがあり得ます。

自然なものが大刈り込み
きっちり刈り込まれているのが小刈り込みです。

室町時代は大刈り込みです。
刈り込む事で、下まで日が当たるよう、葉や枝を適度に落とす。
木の健康増進です。
ここで、重要なことは
刈り込みしたことを悟られないということ。
あくまでもコンセプトは自然。

不思議です。

日本の庭園なら
大刈り込みだけな筈です。

日本の庭園は、自然に無いものは違和感を覚えるから
左右対称とか、直線とか無いし、水は上から下、石は出来るだけ加工しない
西洋の庭園は、自然に無いものこそを作り出した喜びを感じるから
左右対称、直線、水は下から上、石は彫刻してから置く

この大原則からすると、小刈込は
異端児であり、裏切りもん

でも、江戸時代に大流行しています。



特に、ツツジやサツキは小刈込は必須ですね

調べて見ると面白い事が分かりました。

小堀遠州
小刈込を始めたのは、幕府の作事奉行、小堀遠州
江戸時代が始まってすぐの頃に
後陽成天皇が宣教師に対して
「宮廷付工人」であった遠州へ

西洋の庭園の技術を教えてあげて

イエッサー

1611年、遠州の造営したの寛永度内裏に花壇や刈込が突如出現した

当時、まだキリスト教は禁じられていなかったし
鎖国でもなかった。

ギリギリセーフです。

それ以降、低木は小刈込というのが当然のように定着します。
おそらくみんな西洋に教えてもらったと知らずに
人工的な美しさも、それはそれでアリだと思っちゃったし
これぞ日本庭園、とまで思うようになった。

日本庭園を見て、いつも
いやあ、日本人に生まれて良かったなあ
この本当の良さは外国人には分かるまい
と思うわけですが

今後は、ちょっと思い方を変えないといけません

いやあ、この良さは外国人には分かるまい(小刈込を除く)

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ツリフネソウ

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