[昭和歌謡]12 星のフラメンコ

昭和ヒット曲全147曲の真実シリーズです。

星のフラメンコ
西郷輝彦
作詞 作曲 浜口庫之助
(1966年)

強烈なトランペットの音色に続いてフラメンコギターをかきらすイントロ。
オ レ!

♪好きなんだけど 離れているのさ
遠くで星を見るように

西郷輝彦が19歳のときに歌った曲
30万枚を超える大ヒットになった。

言わずと知れた御三家ですね
橋幸夫、舟木一夫、西郷輝彦

高校を中退し家出をして大阪の新人発掘コンテストに出場するも落選。
バンドボーイなどして転々とするうち、
クラウンレコードにスカウトされた
「君だけを」(昭和39年レコード大賞新人賞)でデビュー
続いて「17才のこの胸に」などもヒット

とはいえ、晴れてすでに超売れっ子だった橋幸夫、舟木一夫と
肩を並べるほどになったのは、星のフラメンコの大ヒット

この曲を渡されたとき、これは絶対れると思ったらしい。
分かるねえ

その後、俳優としても大活躍
<どてらい男>を始めとして続々と

あの彫りの深い顔は、時代劇向きですね。

歌は、星のフラメンコの印象が強烈すぎて
他は頭に浮かばないけど
俳優としての露出度が高いので

結局、御三家の中では、後々ずっと馴染みがあるのは
西郷輝彦の気がする。

[仏像の見分け方]馬頭観音。最後の観音様

仏像の見分け方シリーズ

観音様としては、今回が最後

聖観音、十一面観音、不空羂索観音、准胝観音、千手観音、如意輪観音、
そして、馬頭観音
六観音揃いました

めでたしめでたし。

馬頭観音
ウォーキングで色んなところに行って
一番出会う観音様はこれかも知れません。

やたらめったら多い。

とはいえ、馬頭観音の仏像がある訳ではない
正直、馬頭観音の仏像はまだ拝見したことがない。

馬頭観音と石に書かれた、石碑っていうのかなあ
あっちゃこっちゃにある
庚申塚(こうしんづか)と同じくらい多い。

見分け方
仏像としての馬頭観音の見分け方

馬頭っていうくらいだから
人の顔じゃなくて、馬の顔なの?

いえいえ、顔は人間の顔。
それがですね
怒ってるんです。

びっくり

どうしたの
何があったの

それでなんでまた
観音様なの?

なかなか懐疑的な人に対して
一回怒ったふりしてみるか
そのあと優しくして、ツンデレ効果

観音様と分かってれば
こんな分かりやすいことはない
怒っているのは一人だけですから

でも、仏像全体として考えると
明王はほぼ皆さん怒っておられるので
見分けつきません

そんなときは次なる特徴
馬頭観音の馬頭たるゆえん
頭の上に馬の頭を乗っけています。
これが確認できれば完璧です。

顔と手
顔は3つで、手は8本というのが一番多いパターン

一番前の手は
馬口印という特殊な格好をしている
手を合わせるんだけど
人差し指中指薬指のどこかの指を折り畳む

これでもほぼ分かります。


六観音
六観音の一員としては、畜生道担当。
覚えやすい。

なるほど、動物はなかなか仏教を信じようとしないから
一回怒ってみるのは手かもね。

あらかじめ馬頭観音に拝んであれば
もし、動物に生まれ変わっちゃっても
すぐ、人間に生まれ変われるでしょう。

もし、蚊だとしたら
パチン
はい、人間。

民間信仰
馬頭観音ってさらに質が変わっていくんですね

もともと来るものは拒まずのゆるい宗教である仏教
馬頭っていう言葉から
馬に関わることは関連付けて庶民にとらえられます。
それが、最初にお話しした石碑石仏

馬って昔から、庶民にとても身近な動物

ちなみに、時代劇だと
馬に乗って駆け抜けるシーンがかっこいいけど
実はああいうことはほとんどない
馬って乗るもんじゃなく
連れて荷物を持ってもらうものだったり
引っ張ってもらうためのもの

府中競馬場の敷地内の馬の博物館に行ってきたけど
昔の日本の馬って小さいのね
乗るにはあまり都合良くない

道だって狭いから
混雑してくると
こらこら迷惑でしょ、降りなさいって言われる。

私は生麦事件って、
そういう事情を知らない外国人が堂々と馬に乗っていたから
こらこら、ってことじゃないかと思ってます。

話を戻して
昔から馬は相棒。

仕事や旅で遠出するときも
一緒に行こうね

そんな馬が旅先で死んじゃったとする
トラックなんてないから
死体を持って帰るなんて無理
その場で供養しましょう

要するに、馬のお墓が馬頭観音
畜生道を担当してくれているのが馬頭観音だから
あまねく救ってくれて、次は天国

そんな馬頭観音の簡易版が出来てくると
墓に限らず
馬が好きな人は、近くに馬頭観音の石碑を立てて
馬の健康を祈ったり
街道沿いには、旅の安全を願ってだったり

仏教ってほんとに良いなあと思います。
お釈迦様がどうとか、難しいお経がどうとか関係無く
生活からにじみ出た、ぼわっとした願いも
全部引っくるめてウェルカム


この際
馬をもうちょっと拡大解釈して
人間と動物の仲良しの証が
全国津々浦々に点在していると考えると
ちょっと楽しい。

[徳川名参謀]10 家治→田沼意次

徳川名参謀シリーズ
10代家治に対しての田沼意次なんですが

やっちゃいましたよね。
田沼意次にノーベル経済学賞あげたかったけど

ということで
今日は、補足と、今までの振り返りに致します。

田沼意次
ほんと大好き
明治維新が成功したのも
田沼意次が、近代社会への予行演習をしていてくれたからだと思います。

経済と国内整備と外交

すごく色んなことをやる
重商主義と表現される
産業構造の抜本的見直し。

太古の昔から、稲で培った歴史
その印象が強すぎるので
農民からだけ年貢を取り立てて来たけど
ほんとにそうなの?

産業の現実を見ましょうよ

そして、幕府の財政

幕府の財政
幕府の財政に関して言うと
あんたに言われんでも分かっとる的な
悲壮感がある

悪化の一途をたどり
その事でみんな頭を悩ましている。

でも、出てくる発想は三つだけ
ひとつは贅沢は敵だ
贅沢を禁ずる法律

ふたつは貨幣の改鋳
貨幣に含まれる金の含有率を勝手に下げちゃう
そうすると貨幣の鋳造権を持っている幕府としては
一時的に差額で思いっきり儲かる
あかん、となると選択する卑怯な手

でも、当然限度があります。
唯一、その正論で戻そうよ、としたのが新井白石
学者ならではの発想
でも、逆やると当然幕府の財政は一気に悪くなるわけで
財政悪化は決定的になる

良いんじゃないでしょうか
本来のところに戻しただけで
新井白石は悪くない

お陰で、このあとも行われる改鋳への余裕が出来たことにもなる

三つめは年貢の取り立ての制度改革
でも、これ、一般的に思われている
農民虐待ってところまで実は行っていない
抜け道だらけ
そもそも、農民は米中心から
それ以外の作物に大きくシフトしてきているのに
米しか年貢の対象じゃないので。

ここは、吉宗の時に抜本改革をやったけど
実は程よいバランスでいっている。

さあ、発想の転換をしましょう
それをやったのは
田沼意次だけだったんです。

ああ勿体ない
そのまま続けられていれば。

なぜ田沼意次だけ?
じゃあ、なぜ田沼意次にだけそれが出来たのか

着眼点と、姿勢と度胸でしょう。

そもそもどうなのよ
もっと高いところから見て
全体を見渡し
いったいどうなってるの
なぜこうなってるか、考えよう。

一握りですね
こういうことができる人

でも、例え、本質が分かっちゃったよ
と思っても
今までと同じやり方をやってれば減点は付かない
やっぱ、いいや、誰かがやるでしょ

そこでまた一歩

そして、最後の一歩は度胸
誰もやったことがないこと
うまくいくかなんて分かりっこない

ええい、ままよ

消防博物館で江戸の火消しを見てきたよ

今日は、ウォーキングイベント新宿編の下見の続き

都庁の展望台から、新宿御苑近くの食事を予約できるところを探し
次は、新宿歴史博物館を目指す。

えっ
こんなところにあるんだっけ

消防博物館

いくらいくら?

入場無料

お・と・くーーっ

全く予想していなかっただけに大興奮です。

消防博物館
そういうと、江戸の暮らしシリーズの中で、火消しやってませんでしたね。

江戸の火消しの話をいってみましょう。

消防博物館の5階は江戸の火消しコーナー
当然直行しました。

おおっ
待ってました。
江戸の町の火消しのミニチュアや、火消しの道具あれこれ
圧巻は、町火消いろは48組のまといの展示

ここで、クイズです。
いろは48組の最初、い組の纏(まとい)はこんなのです。

ちょっと滑稽ですね
さあ、なんでこんな形をしているでしょう。

ヒント
上の丸っこいのは、芥子(けし)の実を表しています。
答は最後の方でね

定火消と町火消
定火消は明暦の大火で江戸中が火の海になった反省から
4代家綱が作った。
さらに、発展させたのが吉宗と大岡越前が作った町仕組
いろは48組

実はいろは全ての組があるわけではありません。
3つはなくて、替わりに百千万の文字が使われています。
何がないでしょう。

江戸検定の定番問題。

答、言っちゃいましょう。
へ 屁はちょっとね
ら 当時、男性の性器のことを、らと言っていました。
ひ 火消しに火足してどうすんの

ここまでは知ってたんですが今回初めて知ったのは、んも無かったってこと
ん? んがなかった?
反応しちゃいます。
ん、は本に変えたんですって。
一番最後に追加されたみたい

まとい
まといって不思議ですよね
なんとも勇ましい。江戸の華
でも、何してんでしょう
早く消せよ、危ないよ

本来の意味は目印
ひとつは出動の目印
火消しって常勤じゃないから
普通は鳶(とび)とかの別の仕事をしていて
火事の時だけ召集がかかる
これは、その時に見せる本人証明書

ええっと
俺は行くべきか

風上2組、両サイド2組ずつまで出動するというルールなので
まといを見て主担当がどこなのかを判断する。

次に境界の目印
ここまでで火を食い止めるよ
風向きで考えてその手前の家は全部壊せ
という作業指示

江戸には、ポンプ車なんてないから
ちょろちょろ水をかけるだけ
とても火を消すに至らない
これは、当時のポンプ車もどき

家を壊して延焼を防ぐのが消火活動
ここまでは壊そうね

決意表明でもある。

ここからが、副次的でありながら最も重要な意味合い
士気高揚

大岡越前が町火消を組織化するまでの定火消の時は
合戦の時のような旗印だった

町火消の町とは町人のことだから
本来はそんなのを掲げることは許されていない。
ところが大岡越前が認めた。

俺が良いと言っているんだから良いよ

よっしゃー

考えてみればそもそも変ですよね
町火消のくせして、江戸全域に配置されている
町人の住居地域なんてほんの2割の下町だけなのに。

町人が武家屋敷も含めて消火は全部面倒見ますよと

侍だとぉ
ちゃんちゃらおかしいやいっ
ええい、どけどけ
壊すぞ壊すぞ

だから必ず喧嘩になる
火事と喧嘩は江戸の華ってそういうこと。

まとい持ちって、実はNo.3
頭取、小頭の次
でも、一番の元気があって人気者がつとめる。
頭取が監督なら、まとい持ちはエースピッチャー
大変な名誉。

今度からお前がまとい持ちだ
みんな認めてるよ

ええっ、いいんすかっ
俺、俺っ
おやっさーん

決意表明ってことは
もし、うまくいかなくて、それ以上に燃えると
即、その人気者の死を意味する

お前を死なすわけにゃいかないんだよー


上が芥子(けし)の実
下の四角は枡(ます)

消します
の洒落でした。

粋だね!

どこ行こう、そうだ!おでかけマップ