[天皇]13 成務天皇。ヤマトタケルの愛

[天皇]12 景行天皇。ヤマトタケルが大暴れ
の続きです。

ヤマトタケル
ヤマトタケルが東国平定に向かう途中、伊勢神宮に寄ったところまででしたね。

駿河国(静岡県)に来たとき、その地の豪族に襲われ、広い草原の中で周囲から火を放たれる。

わが妻、オトタチバナよ。心配するな。
わが身は真っ黒こげになろうとも、お前だけは守ってみせよう。

あっ、そういうと
困った時に開けなさいと、おばさんから渡された袋
こういう時こそ。

中にあったのは、剣と火打ち石

あれ?火で困ってるんだけどなあ。
おばさん、おっちょこちょいだし、間違えたのかな

いいや、信じてやってみよう。
剣で、周囲の草を刈って周りに積み上げ、そこに火を放つ。

目には目を、火には火を、って良く言いますね。
迎え火となって鎮火。
無事に脱出して、豪族をやっつけます。

この場所、野を焼いたので、焼津(やいず)
剣は三種の神器のひとつ、ヤマタノオロチから出てきたものですが、
この時から草薙(くさなぎ)の剣と呼ばれるようになります。

オトタチバナ
相模国(現在の神奈川県)に至り、そこから海路、上総(現在の千葉県の南部)へ

こんな海、大したこと無かろう。ちょちょいのちょい

これが、海の神の機嫌を損ねた。
小僧、こうしてくれるわ。

海は大シケ。舟は木の葉の如し。
これは、剣と火打ち石で何とかなりそうにない。

もはやこれまでか。

私を守って下さいましたね。

さねさし 相模の小野に 燃ゆる火の
火中(ほなか)に立ちて 問いし君はも

(相模の野原で火攻めにあったとき
あなたは私の身を案じ、大丈夫か大丈夫かと
心配してくださいましたね)

今度は、私の番。
私が人柱となって海に身を投じましょう。
必ずや、海の神の怒りもおさまりましょう。

オトーっ

ピタッとシケはおさまり、無事に上総へ

ヤマトタケルは海岸を行ったり来たり

7日後、オトタチバナの櫛が流れつきます
その櫛を葬って御陵を作りました。
区切りも付いたし、先へ進まねばと思うものの
なかなか一歩を踏み出せず、その後も数日間留まります。

君がなかなか去らないので
この場所は、君去らず→木更津(きさらず)です。

東国を平定した帰り道
現在の群馬県と長野県の県境にある碓氷峠を通りました。
ちょこっと見えた海
ああ、思い出しちゃった。

「吾妻はや(わが妻よ)」
と、声を上げる。

ということで、そこより東の事を「あずま」と言うことになりました。

尾張
帰りに、尾張に寄りました。
そこには、いきがけに結婚の約束をしていたミヤズヒメ

待たせたね

しばらく幸せな新婚生活
立ち直っちゃったみたい

その後、伊吹山に荒ぶる悪神がいると聞き
征伐に向かう。

草薙剣を持っていくほどの事はあるまい
と、ミヤズヒメに預けて行った。

山の神は大蛇になって道を塞ぐ

なにこれ
ぎゅっと踏んづけて先へ

なんと無礼者め

山の神は怒り心頭

たちまち山は荒れ狂い、深い霧に閉ざされてしまった。
妖気にあてられたヤマトタケルは正気を失いフラフラに。

それでも何とかミヤズヒメの元を目指したが
とうとう力尽きる。

思い出されるのは大和の国
ああ、故郷は美しい国だったなあ

倭(やまと)は 国のまほろば たたなづく
青垣 山隠(やまごも)れる 倭(やまと)しうるわし

(大和の国は日本で最も美しい真秀(まほ)な国だ。
青い垣根のように重なりあう、大和ほど美しい国があるだろうか)

駆けつけたミヤズヒメが、御陵を作って遺体を葬った。

ところが、ヤマトタケルの霊が白鳥になって飛び立った。

白鳥は河内に降り立ち、人々はそこに御陵を作る。

ところがまた霊が白鳥となって飛び立った。

一方のミヤズヒメ
草薙の剣を尾張の斎場に納めて、自ら巫女となって守った。
これが、熱田神宮となる

不思議だなと思っていたんです。
なんで草薙の剣が熱田神宮にあるんだろうと。

白鳥ですが、最終的に、現在の大阪府境市の大鳥神社におさまったようです。

成務天皇
ほとんどヤマトタケルの話でしたね。

これだけの大活躍をして、勢力を思いきり拡大した功労者ですから
当然、景行天皇の跡を継いでしかるべきですが
死んでしまったのでどうしようもありません。

弟の成務天皇が継ぐ事になりました。

成務天皇はどーんと広がった領地を治めるための
中央集権の仕組み作りに頑張りました。

同じ日に産まれた、武内宿禰(たけうちのすくね)を大臣(おおおみ)とし
二人三脚の政治。
国造(くにのみやつこ)(地方官)や県主(あがたぬし)(皇室直轄地の長)という仕組みを作りました。
武内宿禰はそれ以降5人の天皇に仕えた、超長生き。

拡大の後は安定のための仕組み作りが、セットになっての国造りですね。

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