[大奥]11 家斉。異例の正室、考え方を変えた先に。

大奥シリーズ
二回ばかり横道にそれましたが
いよいよ11代家斉

家斉といえば大奥、大奥といえば家斉。

寔子
正室・寔子(ただこ)通称茂姫です。

島津です。
さあ、大変です。

2回に渡って説明した、竹姫の執念。
一橋家と島津家としてはとても大事な事
詳しくはこっちを見てね
[大奥]8の後、11の前。吉宗の恋人、竹姫のその後
[大奥]11の前の2。竹姫のその後のその後。歴史の不思議。

家斉は一橋家
本来は将軍になれない筈

でも将軍家、またまた血が途絶えそう。

千載一遇のチャンスなのはその為に存在している御三卿
田安家、一橋家、清水家

御三家より、御三卿の方が強いんです。

有力候補は二人。
田安家の松平定信と一橋家の家斉

家斉のお父さん、治済(はるさだ)
竹姫と固い約束をしたあの治済は、積極的に動き回り
ライバル、松平定信を田安家から他家に養子に出させて蹴落とします。

だから、徳川じゃなくて松平。

家斉側の最大の弱味は正室。
将軍の正室は京都の宮家からもらうと、慣習で決まっています。

結局は、竹姫の遺言がここで効果を発揮しました。
吉宗の養女(本当は恋人)の竹姫ですから。

そして、最終的に出した技が
京都の近衛右大臣・藤原経煕(つねひろ)に迫り、寔子をその養女としたこと。

どうだっ、文句無かろう。

寔子は、茂姫を名乗る前は、篤姫(あつひめ)と名乗っていました。
だから、13代家定の正室は篤姫なのね

御台所
ようやく御台所となった茂姫だが
既にいる大奥の実力者は冷たかった。

外様ごときに実権を握られてたまるか
急げ、早いもの勝ちだ
男の子

次から次から女性を家斉の元へ。

家斉に拒否権はない
将軍にとっての重要な仕事

ほどなくして、男の子が産まれる
ただ、この最初の子供は幼くして亡くなってしまう。

次に産まれたのが、後の12代将軍、家慶です。

この家慶を嫡男として認めなさい。

同意を求められ、苦々しくは思ったが
ここは、交換条件を出して、認めた方が得策

出した交換条件は、上様ともう少し会う回数を増やして欲しい。
夫婦なのに、会うだけで大奥の許しがいるんですね。

ようやく、新婚生活が始まりました。
なんと言っても、幼い頃から婚約者同士で一緒に暮らしていた。
あの頃の楽しかった日々が甦ります。

茂姫にとても優しい家斉
至福の時。

そしてようやく、茂姫にも男の子が授かります。
茂姫23歳の時。
とても難産で、茂姫自体の命が危ういほどだった。
敦之助(あつのすけ)と命名。

ただ、家慶が時期将軍候補の一番目と認めてしまっています。
そして、この時までに、なんと既に4人の男の子
でも、二人亡くなっているので、3人目ということになります。
一旦ここは引いて、一番将軍に近いと思われる御三卿の清水家に養子に出し
その時を待とう

この頃の医療技術からすると、産まれた子供が無事成人するのは半分半分
既に3人が亡くなっている訳ですから。

さらに、第二子を妊娠
ひょっとするとこの頃が一番幸せだったかも知れません。

ただ、長くは続きませんでした。
第二子の出産も超難産
結果的に死産。

そして、とても悲しい出来事。
頼みの綱の敦之助が3歳にして亡くなってしまうのです。

悲しみにくれる日々。

まだ若いですから、この先いくらでも
と言いたいところですが
超難産が2回も続いたものですから
気持ちが前に向きません。

随分考えた末、
考え方を変えることにしました。
お世継ぎの母、争いから一歩引こう。

そう決めた途端に、力が入っていた色んな事がすうっと楽になりました。
考えないようにしていた旦那様の女性関係も
家斉は被害者なんじゃないか
そうまで思えるようになり
ごく自然な会話ができるようになってきました。

そして、宣言をします。

私は、今この時から、家慶の母となります。
よろしいですね。

自分で子供を産むことを諦めましたが
母になりたい。

家慶にあらん限りの愛情を注ぎ
家慶もお母様と呼んでそれに応えます。

家斉にも変化が現れました。

今まで、次から次へと送り込まれる女性に言われるがままでしたが

違うんじゃないかっ

となると、拒否して、と思うでしょう。
違うんです。

それはそれとして拒否はしない。

ただ、今後は自由にさせてもらう。

何をかというと
自分で魅力的な女性を探させてもらう。

大奥に止まらず、町中へ自ら出掛けていって物色。

遠山の金さんのような、暴れん坊将軍のような。

暴れん坊ぶりが極まり
なんと、子をなすこと、54人
例によって約半分は亡くなりますが、25人が成人。

25人も子供を持ったらどうやって名前を覚えれば良いんでしょう。
二人の娘ですら、何度も名前を言い間違えてます。

茂姫は、どうぞどうぞ頑張って。
旦那様より、子供の方が大事です。

身近で聞いた事あるようなフレーズ。

考え方変えちゃったものね。

とはいえ、強力なライバルが現れます。

お美代。
町中で見つけ
40歳から69歳まで一途に愛し続けた女性

ところが、このお美代
大奥史上類を見ない大事件を引き起こします。

次回はこのお美代をめぐる話をいたしましょう。

索引はこちら
[大奥]シリーズはこちら(少し下げてね)

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