[天皇]35 皇極天皇。出ました、超大物。

天皇シリーズ

いよいよ出ましたよ。超大物。
女性天皇第二弾
その前の舒明天皇の奥さんで、大化の改新で有名な中大兄皇子(天智天皇)や天武天皇のお母さん

皇極天皇
642~645年

皇極天皇については以前にも書いていますので
こちらも見てね

初めて、譲位をした天皇であり
独りで二回天皇になったのも初めて
初物尽くしです。

舒明天皇は中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)を皇太子に決めた。
次期天皇への修行を積む
皇極天皇としては一安心

もう一人候補がいたんです。
舒明天皇のもうひとりの奥さんの間に、古人大兄皇子(ふるひとのおおえのおうじ)
年齢からすると古人大兄皇子の方が年上で、お母さん同士の家柄を比較するとちょっと弱い。

でも、旦那様、舒明天皇は自分の方の息子を跡取りに指名してくれたし
と思っていたら
舒明天皇が亡くなっちゃった。

まずい。
この時点で、中大兄皇子は20歳
年齢の事を言われるとちょっと痛い
もう少し生きてて欲しかったのに。

超実力者、蘇我入鹿(いるか)が古人大兄皇子の方を推す動きを見せ始めた。

まずい。とてもまずい。

この少し後から、天皇を選ぶルール的なものが変わっていきますが
この頃は、実力者が集まって選ぶ方法
先代の意向はかなり強い判断材料にはなりますが。

よしっ
推古天皇方式だ

すみません。私、立候補します。

あらま。そうしてもらえると。

蘇我入鹿としても、ある意味時間稼ぎができる。
中大兄王子に行っちゃうより、自分が好きなようにやれそうだし。

なーちゃん
お母さん頑張るからね
一緒に手伝ってもらって、色んな事を勉強しなさい

はーい

この頃の統治者って、政治的側面と、祭祀的側面のウェイトがほぼ互角
天皇になってしまうと、祭祀の儀式で忙殺され
実際、政治的側面については、皇太子がかなり実質的に采配していたというのはあるようです。
祭祀については、女性は得意分野
卑弥呼なんかも、そちらから国を統一していきました。
神様のお告げを聞くのは女性と相場が決まっています。

皇極天皇がなりたての頃、日照り続きで大変だった。
祝部(はふりべ)というその道の専門家が頑張って祈ったんだけど一滴も降らず。
続いて、蘇我蝦夷が仏教の作法にのっとって雨乞い
ちょっとだけ降って、すぐ止んじゃった
仏教は雨乞いには向かないのね

続いて、皇極天皇が雨乞い
すると、降るわ降るわ

今度の新しい天皇様は頼りになるのお
と大人気

そういう意味では、皇極天皇と中大兄皇子の組み合わせは良いコンビなのかも知れません。

先代同様、蘇我蝦夷(えみし)を登用
ただ、蝦夷は控え目な性格で、その子の入鹿が馬子の隔世遺伝でイケイケ
全てにおいて、入鹿がしゃしゃり出てきます。

馬子が以前、自分の氏族が治めていた領地を、推古天皇に下さいと申し出た事がありました。
今は朝廷のものだからダメよ。我慢しなさい。
その土地を勝手に入鹿は自分のものにしちゃった

さらに、どでかい御殿を建てるために人民に勝手に出動命令
その人民は蘇我氏配下や朝廷配下の人民だけじゃなく
他の有力氏族配下の人民まで
もちろん只働き
あんた、何の権限があってそんなこと

次の古人大兄皇子を実現する準備に、別の候補者、山背大兄皇子(やましろおおえのおうじ)一家を皆殺し

入鹿の傍若無人ぶりに、辛抱たまらんという人がいました。

中臣鎌足(なかとみのかまたり)です。

中大兄皇子が蹴鞠(けまり)をしているとき、
靴がポーンと飛んでいった。

みなさんも蹴鞠の時、靴が飛んでいった事ありますよね

見学していた中臣鎌足がすかさず、靴を拾って、どうぞ

悪いねえ。
ところでおたくさまは?

これがきっかけで色々話すようになりました。
話の内容は、ある恐~いお話

中臣氏は、蘇我氏と物部氏の大戦争の時、物部氏側に付いた。
蘇我氏勝利の後、閑職ばかりで不満がふつふつ

蘇我氏の中でも本家じゃなく、分家に石川麻呂という人物がおりまして
関係強化をはかりつつ「その時」を待っておりました。

東アジア事情
この頃、東アジアでは、大変革の潮流が起きておりました。
まず、618年に唐ができます。
舒明天皇の時に初めての遣唐使が行われた事は言いましたね。

唐が強大化して行くにつれ、朝鮮半島も影響を受けていきます。
百済、新羅、高句麗ともに、代替わりが重なって、
軍事的緊張が頂点に達します。

そんな状況が日本にも影響していく訳です。

今日も、中大兄皇子と中臣鎌足はミーティング
今日は恐い話だけじゃないようです。

ねえ、遣唐使からの情報だと
唐は決まり事を律令といって文書にし
それで国を治めているらしい
法治国家と言うんだと。

おお。それはすごい
今まで、天皇が変わるたびに気分で政治してきたけど
人には寿命がある
国はもっと長く続く訳だからなあ

律令には、天皇すら逆らえないんだと。

それ
日本でもやってみないか

そうだね
我々が力を合わせればできるかもね

そうともさ
でも、その前に、例の計画を実現させないとね

やはり最後は、恐~いお話でした。

次回、いよいよ乙巳の変(いっしのへん)大化の改新へと進んでいきます。

[天皇]シリーズはこちら(少し下げてね)

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