[源平 北条]2 頼家は、泥の中に咲く蓮の花の如し

[源平 北条]16。鎌倉殿の13人
の続きです。

頼家と北条政子の母子の確執
壮絶なる派閥争いが始まります。

梶原景時(かじわらかげとき)
政子として頼りになるはずの父北条時政は、京都から連れ帰った牧の方にぞっこんで
何の頼りにもならない。

仕方ない自分が動かねば。

頼家が独裁を始めようとしたので、抑制のため設けた13人の評定衆

その内、梶原景時は頼朝に最も気に入られていた人物
元々平家の武将なのですが
石橋山の戦いの時、追い詰められた頼朝が隠れた洞窟を見つけたのが梶原景時だった

ここには、誰もおりません
と、頼朝を逃がす。

そのあと、源氏に寝返るんだけど
頼朝は梶原景時の男っぷりをたいそう気に入り、何かと言うと梶原景時を重用する

景時はみんなと一緒にやっていくのが苦手な一匹狼タイプ
ただ、前に出る事は好きだが、強烈なリーダーシップがあるわけではない
「忠犬」と言いましょうか、これぞと決めたリーダーにとことん忠誠を尽くす。

頼朝なきあと、自らの主と決めたのが頼家だった。
頼家のやることなすこと、さすがでございます、と持ち上げる

政子的には、まずいことになった。
何だかんだいって、頼朝に最も気に入られていただけのことはある
頼家も景時の事を頼りにするようになってきた。

追い落とさねば

そんな時に、嫁いでいる妹、阿波の局が訪ねて来た
阿波の局は、千幡の乳母をしている
千幡は頼家の弟。後の3代将軍実朝。政子の次男です。

いっそのこと、千幡様を将軍にお立てになったら?

なるほど、その手があったか
そうと決まれば、計画その1の実行

結城朝光という関東の豪族が、死んだ頼朝の追福の会を開いた
その時、みんなの前で
「昔から忠臣は二君に仕えずという。
最近の幕府内のゴタゴタを見るたびに、
先君が亡くなられたときに出家しておけばよかったとつくづく後悔している」

同席していた、政子と阿波の局は顔を見合わせた。
これ、使える

そのあと、結城朝光に逢いに行き
この前の発言を、梶原景時が頼家に告げ口してましたよ。
あることないこと尾ひれいっぱいつけて、頼家に反乱を起こすような口ぶりで

何だと!

激怒した結城朝光は、これまた尾ひれをいっぱいつけて
13人の評定衆のうちの三浦義村に告げ口

元々、評定衆たちは、一匹狼、梶原景時の事を良く思っていない
どんどん尾ひれが付いていって、今でいう炎上

とは言え、諮問機関でしかないので
処分を下すには頼家の決定が必要
頼家に文書が提出された。

頼家に呼び出された景時
頼家から気に入られている自信はあったのだけど
頼家の態度が煮えきらない。

あっ、残りの12人の方を取らざるを得ないって事だな

両者ともほぼ何も口に出さないまま別れる

そのまま自害するのも悔しい
最後に一花咲かせよう

京に上って、反乱を起こす準備

でも、すぐに発覚
京に向かう途中、駿河で兵が待ち構えており、討ち取られてしまう。

中野能成(よしなり)
評定衆とは別に、頼家は側近の五人衆という相談相手を持っている
小笠原長経・比企宗朝・和田朝盛・細野四郎・中野能成

計画その2は、このうちの中野能成

実は、北条側のスパイ
全て筒抜けです。

ところが、次第に中野能成の心の変化が起きる
いわゆるミイラ取りがミイラになった。

頼家に接する機会が増えて来ると頼家の人柄が分かってくる
この人、政子たちが言うほど悪い人じゃない。

今、腹黒いひとだらけ
良く良く考えると、頼家はきれいだ
泥の中に咲く蓮の花の如し

散々悩んだあげく、頼家に言った

「阿野全成とその妻阿波局が、上様を廃そうと企てております」

さすがに政子がとは言えず、阿波の局のせいにした。

阿波の局は、千幡の乳母だから、すんなり信じた。
五人衆が集まり、謀叛の疑いありとして、阿野全成と阿波の局の処分を決定

全面戦争突入です。

そうなると、その時点での将軍は頼家だから、頼家断然有利な筈です。
ところが
建仁3(1203)年7月20日に、頼家がにわかに発病
危篤状態に陥ります。

色々手を尽くすがいっこうに良くならない。

評定衆の緊急会議が開かれます。
計画その3の始まり

まだまだ続きますので、一旦ここで区切りましょう。
続きはシリーズの次回ね

[歴史]シリーズはこちら(少し下げてね)

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