[首相]27-4 東条英機。四方の海 みな同胞と 思う世に

[首相]27 東条英機。南無阿弥陀仏を20回唱えて寝ているよ
[首相]27-2 東条英機。辞表はどうしましょう。
[首相]27-3 東条英機。生きて虜囚の辱を受けず
の続きです。


独裁化
東条陸軍大臣は、犬猿の仲だった石原莞爾(いしわらかんじ)を予備役へと左遷するのを皮切りに
自分の周りをどんどんイエスマン固める独裁化を進めていく。

長引く日中戦争の影響は大きく、砂糖とマッチが切符制となっていた。
太平洋戦争開戦(1941年12月8日)の半年前、
4月1日からは新たに生活必需物資統制令が公布された。
節米のため米穀配給通帳・外食券制が導入され、
大人は一人一日分二合三勺に限られた。
同じ日、小学校が国民学校と改称(公布は三月一日)され、
教育現場でも戦時体制が強化
ちまたには「贅沢は敵だ」といったポスターが氾濫し、
街を行き交う市民も国民服やモンペ姿が主流になった。

アメリカとの交渉を野村吉三郎駐米大使がハル国務長官と進める
ある程度可能性が出てきたのに
松岡洋右外務大臣がいらんことばかりして掻き回す

松岡洋右がいる限り今後交渉できないと、アメリカから名指しで言われてしまう。
外務大臣を辞めてもらうしかないんだけど
近衛文麿首相には、辞めさせる権限がない

それならば
内閣を総辞職しよう。
そして、松岡抜きで再度組閣すればいい。

第三次近衛文麿内閣となった。

だったら、アメリカとの交渉はうまく行くようになったのかというと、さにあらず
今度は、南部仏印侵攻というベトナム南部へ攻め込む事をして
本格的にアメリカを怒らせてしまう

アメリカからの石油がストップさせられた。

直接トップ会談しかない
近衛首相とルーズヴェルト大統領の会談を提案

御前会議
御前会議が開かれる
御前会議は、これまでずっと何年も形骸化されており
天皇は一言も発しない。

ところがこの日、天皇が胸ポケットからメモを取りだし、読み上げた。
「四方の海 みな同胞と 思う世に など波風の立ち騒ぐらむ」
戦争は避けなければならない。人類の不幸、これより大なるはない。

一同騒然となる

にも関わらず、会議が終わってみると、
戦争やむ無しとの内容の「帝国国策遂行要領」が修正されることもなく、可決されていた。

そのまま進めようとする陸軍に、熱しやすい東条は
「お上の意思は、平和にあらせられるぞ」
と、各所に言って回った

ところが、その方針で貫くのかと思いきや
熱が冷めると、
今度は、決まったことは忠実に守ろうという性格が頭をもたげた。

開戦準備を進めていく。

陸軍内部から、「10月15日までに、開戦か和平かを決めてほしい」と政府に要望

頼みの綱のトップ会談をグルー駐日大使に催促
ところが、当初興味を示していたルーズベルト大統領は、
チャーチル英国大統領との会談が実現したため、興味を示さなくなっていた。

替わりに、ハル国務長官から要求が届いた。
途中ある程度譲歩してくれていた筈の条件が吹き飛んでおり
かなり強硬な内容
中国インドシナからの完全撤退、三国同盟からの離脱

何度も対策会議が開かれた。

近衛文麿首相は、自分の誕生日10月12日、荻窪の自宅に陸相、海相、外相、企画院総裁を招いた。
陸軍から言われている期限まであと3日

頭に来ている東条は吠えまくる
合意に至らず。

10月14日には、近衛と東条の個別会談
ここでも物別れ
物別れのまま、閣議に突入

開口一番、東条は
開戦やむなし

他の閣僚たちから、
9月6日の御前会議をどう思っているのか。

もちろんご意向を尊重したい
だが、ここまでアメリカが譲るつもりがないのであれば開戦しかないではないか

いや、方法がひとつある
陸軍が中国から全面撤退すればいい

何だとぉ

完全にみんな喧嘩腰

内閣としての体をなしていない

総辞職だな

ここで匙を投げるかね、と思いますが。

東条としても自分が原因での総辞職だと思っている。
予備役へと左遷されるだろう。
荷物をまとめた。

次の首相は、開戦反対派の東久邇宮にやって欲しい
自分は、陸軍大臣として、陸軍の代弁をやりきったつもり
ある意味スッキリして、次は逆の考えの人にやってもらいたい。
去るものとしてのせめてもの気持ち。

重臣会議の議長、木戸幸一にその旨を伝えた。

近衛も、東久邇宮内閣発足へ向けて動く。

重臣会議が開かれた
次期首相を決めるための、過去の首相経験者たちの会議
清浦奎吾、若槻礼次郎、岡田啓介、林銑十郎、広田弘毅、阿部信行、米内光政の首相経験者と原嘉道枢密院議長、木戸幸一

近衛文麿は病気を理由に欠席

近衛から聞かされていた林銑十郎は東久邇宮の名をあげた。

ところが、天皇を支える内大臣、木戸幸一は反対した。

では、誰が良いと言うのかね

東条英機です。

続きはシリーズの次回ね

[首相]シリーズはこちら(少し下げてね)

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