解体新書、ターヘルアナトミア その1

江戸の理系力シリーズです。

今回、書いてみたら長くなりすぎたんで、2回に分けます

学校の歴史ってテストで〇をもらわないといけないから
訳も分からず丸暗記したりしますね

そんな中で、妙に後々まで頭に残るフレーズがあったりします。
解体新書、ターヘルアナトミアがその筆頭じゃないでしょうか

ターヘルアナトミアがね。解体新書なんだよ。
どうだ、参ったか、みたいに
それほど参りませんね。結構みんな知っています。

それは、どういうもんなのと言われると
ほらほら、こういうやつあったじゃん
丸書いてチョン
頭の中にうすらぼんやりとイメージが沸いてくる。
そう、これ

解剖
人体解剖については、山脇東洋の20年にも渡る努力のお陰で
絶対ダメ、だったものに大きな風穴が開く。
山脇東洋。初の人体解剖

中国からオランダへ、医師たちの意識が大きくシフトすることにもなる

野茂英雄ですね

徳川吉宗から、オランダ語を勉強しなさいと特別におおせつかったのが野呂元丈(のろげんじょう)と青木昆陽(あおきこんよう)

その、青木昆陽のもとを、オランダ語を教えてくださいと、訪れた人がいます。
出ました。

前野良沢
まえのりょうたく 医学者

野茂英雄が開けた風穴を大きく花開かせたという意味で
イチローでしょうか

この時、47歳
人生50年の時代に、今から?

青木昆陽は感動し、知る限りの単語を教え
自分の本も渡します。

さらにその後、長崎の出島に向かい、
吉雄耕牛に弟子入り

吉雄耕牛
よしおこうぎゅう 通訳兼医学者 1724~

江戸時代の吉牛ですね

この人すごいです。
オランダ語の通訳なんです。

通訳だから、オランダ人ともコミュニケーションがとれるんですね
長崎の出島には、西洋医学を習得したオランダ人もいた。

そんなオランダ人医師に、こんな事まで言えるわけです

ねえねえ
私も医者になりたいから
教えてちょうだい(オランダ語で)

ええよ(オランダ語で)

医者になっちゃった。

ということは、万能ですね
天文学、地理学、本草学なども習得しちゃいます。

塾(成秀館)まで開いちゃいます。
色んな有名どころが日参します。
先程言った、野呂元丈と青木昆陽もね
門弟は600人にまで膨れ上がる

前野良沢も成秀館で勉強。

そして、ある日、ものすごく精密な解剖の手引き書と出会います
ターヘルアナトミアです

そして、そんな時期に、またまたすごい人が現れます。

杉田玄白
すぎたげんぱく 医学者

さしずめ、松井秀樹でしょうか
性格で言うと、釣りバカ日誌の浜ちゃんみたいなんですけどね

吉雄耕牛は、オランダ商館長の通訳として江戸に行きます。
オランダ商館長は定期的に江戸に行って報告することを義務付けられていますから。

小浜藩の藩医だった杉田玄白は、江戸で吉雄耕牛と出会います。
吉雄耕牛にハイステルというドイツ人の書いた医学書を見せてもらい
その精密さに大感激

すみません
ちょっとだけ貸してもらって良いですか

持って帰って必死で書き写す

興奮冷めやらぬ杉田玄白は
あちこちで、西洋の医学書の素晴らしさを吹聴してまわる

えっそんなにすごいのか

影響を受けたのが、同僚の中川淳庵(じゅんあん)
黒田博樹かな?

早速、中川淳庵は吉雄耕牛の元を訪ねる

ああ、あれね
でもね
あなたにだけ、特別にお教えしましょう
もっと素晴らしい本があるんですよ

興味あります?

ありますあります。

ちょっとだけお見せしますね
ほれ

ターヘルアナトミアです。

素晴らしいっ
そ、それ、いくら出せば譲っていただけるんでしょう。

言われた金額はとても一人で払えるような金額ではなかった。

帰って、杉田玄白に相談
杉田玄白だって、金持ちなわけではない。

それでもどうしても欲しいから
小浜藩に掛け合って
藩に買ってもらう事にした。

ターヘルアナトミアを手にした杉田玄白
むずむずします。
解剖をさせて欲しいとの願いを提出。

山脇東洋が風穴を開けてくれていたお陰で
小塚原の受刑者を
明和8年(1771年)3月4日に解剖して良いとのお許しが出る

その噂を聞き付けた、前野良沢

解剖の許可が出たって?

私も行きたい
絶対行きたい

3/4に小塚原に
前野良沢、杉田玄白、中川淳庵が集まります。

初めまして
前野良沢と申します。

初めまして
杉田玄白と申します。
こちらは中川淳庵さんです。

お互いに手にした本を見てビックリ

そ、それは

日本に二冊輸入された
ターヘルアナトミアだったんですね。

解剖
解剖が進んでいきます

人体は
何から何まで
ターヘルアナトミア通りだった

興奮で震えが止まらない三人

あのぅ
お願いしたいことがあるんですけど

あっ
おそらく私も同じことを考えていました。

いっせのせで、一緒に言いましょう

いっせのせ

「翻訳しませんか」

続きは明日ね。

索引はこちら
[江戸の理系力]シリーズはこちら(少し下げてね)

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