[春日神社]鹿の白ちゃん永遠なれ

[春日神社] 春日神は集合体
[春日神社] 大和国一国まるまる春日大社のもの
[春日神社] 御蓋山と春日山と若草山と三笠山
の続きです。

鹿
春日大社と言えば、なんといっても鹿です

なぜ鹿なのかというと、もともと鹿島神宮から勧請されたから。
「鹿」って入っていますね。

神様、建御雷神(タケミカヅチ)がやって来るとき、鹿に乗ってやって来た。
イルカに乗った少年のようです。

それ以来、鹿は神の使いで聖なるものとされました。



平安時代の初期、承和8(841)年、春日神山で狩猟伐採を禁ずる法令が出された。

さらに約400年後、弘安元(1278)年。鹿を殺したものは、興福寺と春日社が裁くと決まった。
僧殺しは死刑、鹿殺しも死刑。
本当に鹿を殺しただけで死刑にはならなかったようですが
僧も鹿も殺して死刑になった例はあるようです。

伝説三作石子詰跡、という碑が興福寺に立っています。

「三作」と呼ばれる子どもが文字を習っていると、
鹿がちょっかいを出しに来ました。

こら、あっち行け
文鎮を投げますと、運悪く鹿に命中。
鹿は死んでしまいました。

鹿殺しは石子詰めとなっていました。
石子詰めとは、穴を掘って、生きたまま埋め
上から小石をどんどん被せて、その重みで殺すという刑罰

哀れ三作は、死んだ鹿を抱いて、石子詰めにさせられました。

母は毎日その場所で線香をあげていましたが
自分も年をとり、死期が近くなると、
線香があげられないのはこの子に不憫と
そこに楓を植えました。

花札で鹿に楓となっているのは、ここから来ているのです。

奈良では有名な話ですが
鹿を殺しちゃダメだと言うために作られた創作の物語のようです。

鹿の角切り
その甲斐あってか鹿はどんどん増え
奈良公園を中心に、1200頭ほどもいます。

ここまで、保護されているのは、世界的にも珍しいケースです。
ただ、作物を荒らしたり、人を襲ったりというトラブルもおきます。
特に秋になると、発情期で気性が荒くなる事があります。
何とか共存するため、武器である鹿の角を切るという事が行われます。

白ちゃん
かつて、超人気ものの白ちゃんという鹿がいました。
白い冠をつけているみたい。

子供ができたのですが
残念。その子供が車にひかれて死んじゃったのです。

それからというもの、子供がひかれた白い乗用車には敵対心をむき出しにしたり
何度も、現場に子供を探しに行ったり

そして、とうとう自分も交通事故で亡くなってしまうのです。

奈良公園の鹿は、不思議とほとんど横断歩道を渡ります。
白ちゃん事件を経緯に口伝えで交通安全の大切さが広まったのかも知れません。


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