[春日神社] 春日神は集合体

神社シリーズ
八幡神社、稲荷神社、天神、伊勢神宮、出雲大社と来ました。
次は春日神社と参りましょう。

春日神社
奈良の春日大社を総本社とする春日神社は、
その数にして、1000社以上。
ベスト10には入らないものの、11位です。

春日大社で祀られているのは、春日神
八幡神社で八幡神みたいな感じ

この春日神、なかなか実態がつかめない。
古事記や日本書紀に出てくる神様ではない。

天神様の菅原道真のような人物が神様になったわけではない。

4つの神様の集合体。
武甕槌命(たけみかづちのみこと)、経津主命(ふつぬしのみこと)、天児屋根命(あめこやねのみこと)、比売神(ひめがみ)の4人

天児屋根命って天岩戸に天照大御神が隠れたときに活躍した神様
天照大御神がちょっと開けたとき、鏡を差し出した神様
比売神はその奥さん

天児屋根命は中臣鎌足(藤原鎌足)の先祖ということになっているから
藤原氏からすると祖神ということになっている

武甕槌命はいというと、
常陸の国(今の茨城県)の一の宮、鹿島神社から勧請した神様

経津主命は、
下総の国(今の千葉県)の一の宮、香取神社から勧請した神様

この二つの神社、二つの国に別れてはいますが
川を挟んで向かい合っている。

なんで関東の神社の神様を持ってきたのか、謎に包まれています。


その4つの神様が合体した春日神は超人気になる
鎌倉時代には、伊勢神宮や石清水八幡宮と並び称せられるほどになる。

藤原氏の氏神様だったというのが大きい。

次回から、鹿の話、興福寺の話に入っていきますね

[神社]シリーズはこちら(少し下げてね)

[宇宙] 隕石は星のかけらなのか

宇宙シリーズ、今回は隕石の話です。

隕石って
隕石って、星のかけらなの?

いえいえ、そうではありませぬ

星のなりそこないなんですって。

火星と木星の間に、小惑星帯(アステロイドベルト)というのがある

45億年前、小さな天体が合体しながら、太陽系の惑星が出来ていったんだけど
その時に乗り遅れちゃったものたち

彼らが同じような公転軌道を持つようになったのが、小惑星帯
そこから地球にやって来て、地表まで燃え尽きずに落っこちたのが隕石

こちらは、現在のところ最大とされているホバ隕石

昔の人はビックリしたでしょうね
空から石が降って来るわけです。
神としか思えません。
神社が建てられ、祀られた事もあります。

私にとっては隕石と言えば、新宿区にある宗参寺
磯田道史先生が、江戸時代に、江戸に落ちた隕石の場所を特定しちゃった話

いてもたってもおられず、新幹線に乗って、その隕石を探しに、宗参寺まで来たと本に書いてあった
結局は隕石は見つからなかったんだけど
ならば私がその意思を受け継いで探して参りましょうと、宗参寺に向かった
江戸時代に新宿に落ちた隕石を探して
やっぱり見つからなかったんですけどね

南極
隕石と言えば南極
南極では隕石が発見しやすいんです。

隕石カタログ(Catalogue of Meteorites 2000年版)には2万2507個の隕石が載っているが
そのうち、南極の隕石は、1万7808個

もちろん南極にだけ隕石が落ちた訳ではありません。

南極に落ちた隕石は、氷で覆われます。
やがて氷河となって移動し
氷が溶ける場所に来て、溶けて、中の隕石を吐き出します。
このメカニズムが分かると
ゴロゴロ隕石が転がっている場所が分かります。

氷で覆われて、変質しづらいので
貴重な宇宙の情報が豊富に含まれているそうです。

みなさんも南極においでの暁には
隕石を探してみてはいかがでしょう。

[科学]シリーズはこちら(少し下げてね)

[植物] 勢い余ってぽったぽた

「植物のかしこい生き方」からのシリーズは今日で最終回
第五章「苦難に立ち向かう準備としくみ」から

暗闇の中でも 出来ることがある
暗闇の中だからこそ 出来ることがある


植物は光が大好き
光合成では光と水と二酸化炭素を元に、物質やエネルギーを出しますからね。

でも、本当だろうか

植物にとって、光はあればあるほど良いものだろうか。

二つ目の要素、「水」が問題なんです。

夏、カンカン照り
光は目一杯でも、温度があっつあつになっちゃいますので
せっかく吸い上げた水が蒸発しちゃうんです。

葉っぱって、何で平たく広がっているかというと、光を目一杯吸収するため
でも、痛し痒しで、光が当たりすぎると、表面からどんどん水分が蒸発しちゃう。
出身地にもよるんですが
熱帯出身の植物でなければ、お昼は苦手な植物も多いんです。

葉っぱがぐったりとたれさがって、できるだけ光が当たらないよう。
あるいは、葉っぱがくるんと丸まって光を拒絶。

そんな植物たちは夜になると、もしかすると大喜び

やったぁ。暗いぞ。まっ暗闇じゃあござんせんか
今この内に、目一杯張り巡らせた根っこから、吸うぞ吸うぞ。どんどん吸うぞ。

朝だっ
へへっ。もう準備万端だもんね。

たまに、勢い余って吸い上げすぎた水が葉っぱの先から滴り落ちたりします。
溢水(いっすい)と呼ぶようです。



そして朝方のちょうど良い光の中で
待ってました!と光合成

さらに、お昼になると葉っぱから、水分を蒸発させて、体温を下げ
自分の体を守るのです。

猛暑でも、森の中は涼しい。
こんな自然のクーラーがあるからなんですね。

暗闇
人生において何度かやって来る逆境
なかなか、その中で、ラッキーなんて思えないでしょうけど
植物たちの頑張りを思い出して
要は「考え方」だぜってケセラセラ

[植物]シリーズはこちら(少し下げてね)

[平将門]4 京の都で裁判。その結果は

[平将門]1 父の死。頼んだぞ。
[平将門]2 桔梗どのにございましょう。
[平将門]3 合戦が始まる
の続きです


出方

国香を失い、今度は、国香の息子貞盛や、兄弟(将門からすると叔父)である良兼と良正
結束して、となりそうだが、いまひとつ歩調が合わない。

父の仇を討つ、となると貞盛だが、世間の評判が気になる
大方将門支持なので、どうにも分が悪いと感じている。
そもそも貞盛は京都に勤めているので、地元には直接の味方が少ない。

作戦を変えよう。

良正はそんな事を知らないので、動いてくれない貞盛や良兼に業を煮やし
単独で行動に出た
承平5(935)年、良正が兵をあげる

ただ、この時の将門には、良正勢だけでは太刀打ちできなかった。
将門配下の者たちを自信付かせる事にしかならなかった。

ほうほうの体で逃げ返った良正は、良兼や貞盛を呼び出した。

ひどいではありませんか。
何の加勢もなしとは。

すまぬ。
ただ、お陰でなすべき事が分かった。
準備と方法を考えねば、ただ突進だけしても、今回のような事になりかねない

わしは京で顔が効く
まずはそちらからじゃ。

京に戻った貞盛はあちこちに将門に非がある暴挙だと説いて回った
京の公家衆からすると、坂東の事情などそもそも関心がない
なかなか反応してくれなかったが、ようやく訴状を受け取ってくれ
将門に召喚状

下総御厨ノ下司、平将門。兇乱ヲナシ、謀叛ノ状、明カナリ。
使ヲ派シテ、コレヲ捕ヘ、ヨロシク朝ノ法廷ニ於テ、指弾、問責アルベキ也

将門ピンチではあるが、いまひとつ事の重大性の認識がない
久しぶりの京に行き、懐かしい気分に浸った。

来たもののなかなか呼び出しがなく、
呼び出されても、遅々として進まない
裁判が行われる訳だけれど
貞盛と将門が両方呼び出されて尋問があった。

元々口下手な将門と、饒舌な貞盛では勝負にならなかった。
誰の目にも貞盛優勢なまま、時が流れていった。

年が開け、三月になっていた。

判決
「将門の罪は厳罰に値する

やっぱりダメだったか
貞盛としては、しめしめ

ただ、このあとに信じられない言葉が続いた。


折ふし、天皇御元服の大赦あるによって
赦免、仰せつけられる。帰国して、謹慎を示すがいい」

天皇が元服するので許してあげるよ、とのこと
なんともラッキー

さらに、貞盛に対しては
「一族内紛の蔭には、何よりも、平良持の遣領が、争いの因になっていると断じる。
よろしく、将門に渡すべき荘園の地券や、田領の証書など、一切を、
このさい返却して、和解いたすように」

えええっ

全く予想外の結果

お土産をたんと買って、地元に帰ると
みんなは大喜び
勝ったぞー
勝ったぞー

ひとり、妻の桔梗は、
今のこの平和が崩れる悪い予感が日に日に大きくなっていった。

作戦失敗の貞盛
こうなっては、良兼や良正とより強固な結束を図り
十分な準備を図ることにしていった。

さらに、味方を増やすため
京ではなく、坂東の地で政治的に動き回った。

例えば検非違使(けびいし)についている藤原秀郷
検非違使とは、各地域にいる、警察的な役割

本来なら中央から派遣されるはずだが
そういった武力の必要な、言わば汚れ仕事は、公家たちはやりたくない。
各地の有力武族を採用して、お互いに潰し合いをさせようという発想

藤原秀郷は藤原と名乗ってはいるが、中央の摂政や関白をやっている藤原氏からはずいぶん遠い
母方が藤原氏の血を引いていると言うことで、藤原を名乗る事が許されている。

さあ、桔梗の予感が、半年もしないうちに、当たってしまう事になる。

この続きはシリーズの次回ね。

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