文京区の散策。あっつあつでも平気。

文京区のお寺散策。えっ、なんで、ほんと
の続きです。

八百屋お七の墓
ここまで、来たら、八百屋お七の墓にも寄っちゃおうかな。
先週、ウォーキングイベントで八百屋お七の話をしたばかり。
お墓参りもしなきゃね

放火は重罪。火には火、の理屈で、火炙りの刑
生きたまま火炙りになるんです。
16歳の少女がです。
好きになった吉三にただ会いたいという一心で火をつけちゃった。

前回来たとき、お寺が工事中だったんですよね。
横の細ーい道を入っていってお墓参り。

ああ、こんな立派なお寺が出来ちゃったのね

本当は、お七の墓がある訳ありません。
江戸時代、死刑になった人の墓は作っちゃいけませんから。

良く見ると、歌舞伎の岩井半四郎が作ったんですね
ずいぶん当たりましたから。
この前、お岩さんでもそのパターンありました。

大円寺
ウォーキングイベントでは恋人の吉三の方のゆかりの寺で目黒の大円寺に行きました。
同じ名前のでややこしいんですが
お七が吉三に会うきっかけになった安和の大火の火元になったのも大円寺

行ってみましょう。

安和の大火の火元ですとの案内板はありませんでした。
そりゃそうかも知れませんね。

ほうろく地蔵というのがありました。

お地蔵さんって、身代わりになるという能力を備えています。
このお地蔵さんは、頭の上にほうろくというお皿のようなものを乗っけています。
何かというと、土鍋のような用途の皿バージョン。
材料を乗せて下からグツグツするものなので、当然あっつあつ
それを頭に乗っけて、生きながら火炙りになってさぞ熱かったであろう
お七の身代わりになってあげようというお地蔵さん

良かった良かった。
どれだけ熱かったろうと、そればかり気になってましたので。

おかしいなあ。そう熱くないなあ。

とお七が感じてくれていたなら
全てこのほうろく地蔵のお陰です。
なんてったって、顔全部石ですから。

転じて、頭痛や眼病、鼻や喉など
首から上の病気は、肩代わりしてくれてたちどころに治ると大評判
一枚何百円かでほうろくを買い、願い事を書いて奉納します。
ものすごい量のほうろくが積み上がっていました。

高島秋帆の墓もありました。
幕末から明治にかけての砲術家です。

念速寺
美幾女(みきじょ)の墓があります。

美幾は父の怪我で、遊女になります。
梅毒にかかってしまい、死期が近いと悟り
死後、自分の体を、解剖して医療に役立てて欲しいと申し出ます。
自ら献体を申し出た第一号です。

小石川植物園
小石川植物園に参りましょう。

小石川植物園は、
4代将軍、家綱の弟が、舘林藩に養子に出たため
舘林藩に与えられた御殿です。

ところが、家綱にお世継ぎが出来なかったため
その弟が将軍になっちゃいました。
綱吉です。

御殿は幕府直轄となりますが、宙に浮いた形になり、廃れていきます。
再び活用されるようになったのは、8代将軍吉宗の時
青木崑陽に指示し、飢饉に強い、さつまいもを育てさせます。

なかなか良い石です。
さつま芋っぽい

さらに、目安箱に入っていた提案
小川笙船(しょうせん)というお医者さんが
「貧しい人でも医療を受けられる施設を作ったらどうでしょう」

いいねいいね。採用!
この場に小石川養生所ができました。
その養生所にあった井戸です。

今は、東京大学が植物を研究するための施設ですが
一般公開してくれています。
東京大学、太っ腹。

イロハモミジがきれいに色づいていました。

むむっ。精子発見のイチョウ?
これが、その歴史的イチョウ

どういうこっちゃろ
ネットで調べてみました。
「イチョウは裸子植物であるが、裸子植物・被子植物では通例精子を作ることはないので、それより下等な植物の形質を持っているという点である。すなわち、海で始まった生物が精子を作るのは、下等生物では普通であるが、陸上での繁栄を始めた高等植物ではそのような性質を失っているので、イチョウではあたかも生命が始まった海の記憶を留めているということができる」
まあ、その・・
イチョウは海なんです。はい。

ニュートンのリンゴ
ニュートンの家のリンゴから株分けしてもらったのがこれ

あっ、分かった!
これが万有引力だ。

色んな植物が研究のため
少しずつ膨大な種類
樹木は巨大化してすごいことになっています。
カイヅカイブキの巨木なんて始めてみました。

イチョウの色付きもきれいだった

落ち葉の絨毯で、カップルが動画を撮影していました。
女性が落ち葉を巻き上げて、男性が下から撮影。
なんだかアート。芸大生かな

■日本庭園
ここの日本庭園は、東京大学の洋館をバックに実にきれい
しばし、写真でお楽しみください。




占春園
さあ、帰ろうかな
そうそう。せっかくここまで来たら、占春園が開いているかどうか確認してこよう。
前回来たときは、倒木の危険性があり、当分閉鎖します、とか書いてあったのよね。

占春園って、守山藩主松平家の大名庭園。
江戸三名園とうたわれた事もあります。
現在は、筑波大学の施設です。

やったあ。開いてた
さっきの小石川植物園内の日本庭園よりはワイルドな感じ
ネットで調べると、かなり荒れちゃっていて、今復活プロジェクトの進行中
開いていたということは、頑張ってるぞって事ですね



嘉納治五郎先生の像

IOCのバッハ会長が来日した折りこの嘉納治五郎先生の像が見たいと仰ったんだけど
その時は、まだまだお見せできる状態じゃないから断ったらしい。

今ならもう大丈夫ですね

[おでかけ]シリーズはこちら(少し下げてね)

平林寺2020/11/28昼食メニュー

平林寺のイベントの昼食はたけ山といううどん屋さんです
メニューは以下になります
以下の3つのうちのいずれか限定になります。
天付釜あげうどん1620円

天付せいろうどん1560円

竹山うどん1320円

掲示板か伝言板でご連絡下さい。
特にご連絡無ければ、たけ山うどんセットとさせていただきます。

文京区のお寺散策。えっ、なんで、ほんと

3連休です。お出掛けお出掛け

文京区に行こうかな

巣鴨から
巣鴨駅スタート
とげぬき地蔵と反対方向です。

まずは、徳川慶喜(よしのぶ)屋敷跡
徳川15代最後の将軍です。
随分長く、静岡で謹慎し
やっと東京に出ることが許され、最初に住んだのが千駄が谷
次がここです。
巣鴨駅から1分
庭に多くの梅を植えたので、ケイキさんの梅屋敷と呼ばれていた。

4年間住んだんですが、すぐ横に山手線が走ることになり
工事の音がうるさいと言って、小石川の方に引っ越しました。
そのまま住んでいたら駅チカ物件だったのにね。

一行院
とてもきれいなお寺でした。

徳本行者の墓があります。

文化文政の頃、激しくカネを鳴らす独特のスタイルの念仏が大流行しました。

鶏声(けいせい)の井跡
老中、土井利勝の屋敷でした。
その庭から毎夜、鶏の鳴き声がする
声はすれども姿は見えず。

どうも、井戸の中からの気がする
覗き込んで見ると底に光るもの。

さらってみると
金の鶏の彫り物でした。

なるほど、あなたでしたか。

井戸は鶏声(けいせい)の井、と名付けられ
このあたり一帯は鶏声が窪

このなかなか無いビックリ現象を、後々まで伝えようと
あとに移り住んだ酒井忠正が
松平定信に歌を作ってもらって作った碑

鶏声の井旧跡

白河楽翁公が酒井家隣地一橋
邸に参向の砌鶏声の井戸を
見て詠める歌

筒井筒 いつの暁くみ初めて
  鶏の八声の 名にや立つらん

本念寺
私が大好きな太田南畝の墓があります。

江戸の風流と言えば、太田南畝中心で回っております。
狂歌の第一人者です。
私が一番好きなのは
百人一首の
ほととぎす 鳴きつる方を ながむれば ただ有明の 月ぞ残れる
を元にした
ほととぎす 鳴きつる方に あきれたる 後徳大寺の 有明の顔
(ほととぎすが鳴いたと思って)

ただ、元歌を茶化しただけでなく
この歌は単独で、独特のわびさびを感じてしまうんです。

浄土寺
おそらく寺の住職さんとその娘さん、小学校低学年くらいがボール遊びをしていました。
この子がとても楽しそうだったので、見ていて微笑ましく思いました。

墓地に行ったんですが良く分からなくて、先程のところに戻ってきました。

すみません。松平忠直の墓があると聞いたんですが

はい。ご案内します。ちょっと待っててね

ごめんね

こちらになります。

どうもありがとうございます。



出ました!松平忠直
超ビッグな越前福井藩です。
何と言っても、家康の孫
代々徳川の親戚藩として格が高く
幕末においては四賢候の一人とされる松平春嶽を当主とする名門中の名門

父親は結城秀康。
家康の次男。
一時期、豊臣秀吉の人質として秀吉の養子になります。

松平忠直はその秀康の長男

大阪夏の陣では、一番乗りを果たすなど大活躍。
結城秀康が豊臣に人質に出されたということは
やはりその長男の忠直としても、豊臣との戦いには特別な思いがあったのでしょう。

ところが、その大活躍に対して、論功行賞が今一つ
不満を持ち始め、色んな変な行動をするようになります。

結局2代将軍秀忠から大分に配流の上、強制隠居ということになります。

最後は哀しいものはありますが
墓がちょっとどうなんだろうと思います。
はっきり言って家康の孫の墓じゃない。

文京区の案内板が無いなんてあり得ないし
浄土寺としても、松平忠直の墓って表示をしていない。
たまたまボール遊びをしている住職さんに聞けたから良いようなものの
それが無ければ最後まで分からなかった。

あまりに気になるので、いっぱい調べました。

松平忠直の墓は、地元福井と、配流先の大分の浄土寺というところにある

ここの墓は、位置付け的には供養塔。
なるほど、それならば分かります。

大分の墓がある寺が浄土寺という同じ名前であるということからも関連がありますね
ネットにこんな記事がありました。
「越前宰相松平忠直が豊後の配流先で卒去した際、上意によって導師を務めた信蓮社單譽上人了宅が上京した際、忠直の子松平光長が当寺の堂塔を整え開基となり、單譽上人を開山とした」
引用: https://tesshow.jp/bunkyo/temple_hakusan_jodo.html

良かった良かった。スッキリしました。

厳浄院(ごんじょういん)
山口素堂の墓があります

「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」の作者です。

目に青葉、と勘違いされている方は多いんじゃないでしょうか
私もそうでした。「目には」が正解です。
初夏の風物を三つ並べたもので
目には 青葉
耳には 山ほととぎす
口には 初鰹
の、耳と口を省略した俳句です。

まだ続きます。
続きは明日ね。

[お出掛け]シリーズはこちら(少し下げてね)

[平将門]7 俺はそんな事がしたかったのか

[平将門]1 父の死。頼んだぞ。
[平将門]2 桔梗どのにございましょう。
[平将門]3 合戦が始まる
[平将門]4 京の都で裁判。その結果は
[平将門]5 桔梗、無事でいてくれ
[平将門]6 めでたしめでたし、になるはずが。
の続きです。

常陸(ひたち)へ
貞盛が京都で盛んに動き回り、平将門を極悪人だという評価にしていった。
機は熟したと、関東に戻り、兵をあげる準備を進めていく。
まずは常陸国の国司、藤原惟成を味方につける

そして、下野(しもつけ)藤原秀郷にも味方になってもらう約束を取り付ける。

そんな情報が、平将門のもとにも、どんどん送られるようになる

ここは、先手を打つ必要がありますぞ

平将門の取り巻きたちは浮き足だってくる

せっつかれて、将門もいよいよ腹を決めた。

将兵1000人を従え、常陸へ向かう。

思えばこの時が大きく一線を越えてしまった時だと言える。

それまでは、あくまで、一族内部での争いに過ぎなかった。
ところが、常陸の国の国司である、藤原惟成に向けて兵をあげた事になる
朝廷が派遣した国司を敵とした時点で
国への反逆者ということになってしまう。

しかも、間の悪いことに
藤原惟成の元へ、弾正忠(だんじょうのちゅう)藤原定遠(さだとお)がお客様として来ていた。
中央政府のお偉いさんが招かれて接待を受ける、まさしくその日だった。
接待する方には、もちろん貞盛もいる

一通りの宴が終わり
歓談しているところだった

大変です。
下総の将門が兵を連れて、常陸の国に、国境を越えてきました。

何っ
あの、あの将門か!
討て
向かい討てぇ

そして、朝廷からのお客様、弾正忠藤原定遠を京へ
守りながら送り届けなければならない。

万全の囲いをもって、進んでいった筈だった。

大変です。
定遠様が、捕虜として敵の手に奪われました。

ここで、決定的に「謀反」になる

貞盛ももともと戦の準備をしていたので迎え討ち
半日以上激戦が続くのだけど
まずいのは、その戦場が国庁だということ
朝廷の機関への謀反行動以外の何物でもない。

国庁に火の手が上がり焼け落ちる。

肝心の貞盛は、国庁の火の中から抜け出し
山を越えて、下野の藤原秀郷の元へ向かった。

藤原秀郷
おいでなさいましたな。

待ってました、との内心は隠し、じらし作戦。

ほお、将門がそのような
して、私に兵を貸せと?
こんな明確な謀反ならば
あなたは中央に顔がきくので、追討軍を出してもらえればよろしかろう
私のようなものの出番はなかろうに

散々もったいをつけた上でどっこいしょ、と動き出した。

ただ、老練な秀郷はすぐには動かない
将門の動きをまずは情報収集
どのタイミングでどう動くか

常陸制圧
将門は勝った
部下たちは、狂喜乱舞して勝ちどきをあげる

しかし、本当の敵だったはずの貞盛はそこにはいない
常陸という国を制圧したという事実がそこにあった。

将門自身、謀反人になったという認識と恐怖が
体を駆け巡った。

今までのように、誤解から謀反人と扱われた訳ではない
明らかに自分の意思で動いた
常陸という国を欲しかった訳ではないが
結果として常陸という国を奪ってしまった。

本拠地の下総にしても、将門が国司という訳ではない。
中央から送られた国司は別にいて、実質支配している将門とは
持ちつ持たれつでうまくやっていた。

まさか隣の常陸で、朝廷から国を奪ってしまうような
そんなつもりじゃなかったなんて
今更遅いし、途中このまま行けばどうなるか明白だった

自分でもこのあとどうすれば良いか分からない
ただ、周りは異常な興奮状態にある

このあと、「破れかぶれ」的な行動に出てしまう。

続きは、シリーズの次回ね

[歴史]シリーズはこちら(少し下げてね)