[植物]植物のかしこい生き方(ハエトリソウ)

「植物のかしこい生き方」という本を読みました。

今まで読んだことのない面白いアプローチの本でした。
特色のある植物の特性を説明した本はありましたが
この本は植物の特性はあくまでも例で
それをテーマにこういう生き方って魅力的だと思いませんか、と
あくまでも人の生き方の提案書

第一章は「競わない」植物たち
以下、第二章以降が「あらがわない」「完璧を求めない」「したたかに」「苦難に立ち向かう」植物たち

まずは第一章のうちの一つ目の例、競わない植物です。

ハエトリソウ
えっ
ハエトリソウが、競わない植物?
植物って確かにガツガツしていない。
でも、唯一食虫植物はガツガツしてそうなイメージ
でも違うらしい

さすがは、視点が面白い
ここから始まるんですね

社会は競争競争
植物が生きていく上で、すぐ思い付く競争と言えば、以下の3つ

1.土地の奪い合い
2.太陽の光の奪い合い
3.ハチやチョウチョウなどの虫の奪い合い

ひとつには、どう競争にうち勝つか
でも、もうひとつ
どうやって、競争を避けるか

例えば発芽の時期をずらす
春に発芽するものや、秋に発芽するもの

それだけなら、春に発芽するものなんて、思いっきりあります。

もっと、競争を避けるための良い手立ては無いものか

ということで、ハエトリソウを例に、こんな生き方の提案です

■誰かと欲しいものが同じとき
 同じところで奪い合うのではなく
 自分だけの場所
 自分だけの方法で
 それを手に入れる方法もあります。

ハエトリソウ

ハエなどの小さな虫を捕らえて食べちゃう
おそろしや

ハエトリソウは光合成も行います。
緑色ですから

だったら、生きるため、成長するためのエネルギーとなるデンプンは自分で作れます。

あれ?
じゃあ、それで良いじゃない

残念
もうちょっと要るのよね
タンパク質のような窒素を含んだ物質です。

私達人間は、お肉を食べたりして補っている訳です。

普通、植物は、窒素を含んだ養分を土の中から吸収します。

植物に与える肥料は、だいたい窒素、リン酸、カリウムです

実は、ハエトリソウって、北アメリカの窒素をあまり含んでいない、痩せた土地に生息しているんです。
土地からが無理なら虫から、ってことです。

虫を食べちゃうなんて、そんなとっても優れた機能
こりゃ競争にどんどん勝てちゃうと思いきや
その為じゃ無かったわけです。

それが証拠に、日本じゃそこいらでハエトリソウを見かけたことない

もし、最も優れた植物で、最も競争力を持っているなら
世界中ハエトリソウだらけで、
ハエなんて見たこと無いわ、って社会になりそうなもの

ハエトリソウはそんなイケイケの生き方じゃなく
この辺の場所、おたくたちが難しいなら、私達にちょうだい
その代わり、肥沃な土地には行きませんから
という
とっても控えめな生き方だったんですね

肥沃な土地に行こうもんなら
窒素ありすぎて、ゲップが出ちゃうでしょう

腹八分目に医者要らず。

そう言われて見ると
動物って、生存競争の勝ち負けが激しくて、「勝利」したのは人間
結果として人間だらけで、勝手に社会を人間の都合の良いように変えちゃったりもした。

でも、植物って、どこへ行っても〇〇だらけってあります?
ある場所で群生していても
どこへ行っても、という状況の植物を思い付かない。

「この辺り一帯を支配」したら、もういいや、って思うのかも知れない。
そうすることで全体のバランスを考えているのかも。

[植物]シリーズはこちら(少し下げてね)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です