植物のかしこい生き方、第三章に入ります。「完璧を求めない」から
ときにはセカンドベストで勝ちを狙う
オシベとメシベ
多くの花の中には、オシベとメシベがあります。
考えてみれば不思議です。
動物の多くはオスとメスが別々なのに
ひとつの花の中に同居
同じ花の中にあるのだから、すぐ近くのオシベの花粉をメシベに付ければ良さそうなものです
でも、そうはしません。
同じ種類の別の花に、蝶や蜂に花粉を持っていってもらい、受粉
虫を誘うために、きれいな花を咲かせるとかの苦労をする訳です。
なぜかというと、同じ花なら、絶対に同じ花が咲く種しか出来ないから
ちょっとずつ違うもの同士で種を作れば
少しずつ違うものになって、環境変化に耐えられる進化を遂げられるんです。
これが大原則
アブラナ、チューリップ、ナシ、リンゴ、ウメ、サクラ
などは、できるだけ自分で受粉しない工夫をしています。
オシベとメシベがそっぽを向いていたり、
メシベがオシベより背が高く、オシベから落ちてきた花粉がメシベにかからないようになっていたり
ツユクサ
ツユクサのオシベとメシベはちょっと複雑なのですが
メシベは、反り返って、他の花からの受粉を待ちます。
英語名がDay-flowerというくらいで
花は朝に咲いて夕方に萎れる一日花です。
夕方になり、もし、他の花から受粉できなかった時の萎れ方が面白い。
メシベがくるくるっと丸まってオシベを取り込み
自家受粉するんです。
あれ 良いの?
環境変化への対応は?
良いんじゃない
頑張ったけどダメだったのよ
そのまま萎れちゃうよりはね
良いですね
この軽ーい感じ
オシロイバナ
オシロイバナ。良く見る花です。
英語名はFour o’clock
4時に咲く花
やっぱり一日花です。
こちらも萎れるときにはメシベを巻き込んで自家受粉します
この種、黒い球形で、中におしろいのような白い粉が入っているので、オシロイバナです。
完全ばかりを望んでいても、うまくいくとは限りません。
だめならだめで、さっと考え方を切り替える
そういう生き方の方が楽なんじゃないでしょうか。