仏像の見分け方。聖観世音菩薩(かんのんさま)

仏像の見分け方シリーズ
いよいよ来ました。
泣く子も黙る一番人気。

観音様でございます。

人気の秘密
なぜこんなにも観音様が人気があるんでしょう。

先週行った浅草寺でも観音様

ひとつには、親しみやすさでしょうね。
如来じゃなくて菩薩なので
超お偉いさんじゃない。
そのくせ、ちゃんとみんなを救ってくれる。
頑張っている感がとてもいいですね。

お供
阿弥陀如来のお供をしている、助さん角さんは
勢至菩薩(せいしぼさつ)と観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)です。
親分が人気なので子分も、ってとこですね。

とは言え、あれれ?
勢至菩薩の方はあんまり聞かないなあ。

実は仏様には性別はないんだけど
勢至菩薩は男性的
観音菩薩は女性的
あくまでも「的」の話ね。

阿弥陀如来の手の形(印)と関係します。
施無畏印(せむいいん)と与願印(よがんいん)の基本ポーズをとっている阿弥陀如来がいたとします。

右手の施無畏印は手のひらからパワーを出して、救ってあげるからね
左手の与願印は何でも願いを叶えるからね
右手が父親的で左手が母親的。

チェリッシュだって、カーペンターズだって、ドリカムだって
女性の方が人気ですね
さくらと一郎はよく分かんないけど。

母の日と父の日だって人気はかなり差をつけられています。

観世音菩薩
観音菩薩、観世音菩薩、観自在菩薩
色々あるけど、どれが誰?
結論から言うと全部一緒。

観自在菩薩ってあまり聞かないけど
私の好きな般若心経は
観自在菩薩で始まります。

インドから中国に訳した人が誰かによって
変わります。
般若心経を訳した中で一番有名なのが
孫悟空がお供した三蔵法師なんだけど
その時は観自在菩薩と訳した。
自由自在に何でも観てくれて聞いてくれるぐらいの意味かな

親しみやすさがウリの観音様
短縮バージョンで浸透している観音、でよろしいんじゃないでしょうか

古くから
観音信仰はかなり古い。
日本での仏教の始まりとほぼ同じと言ってもよい。
何と言っても江戸で最も古い浅草寺が祀っている位ですから。

そしてまた、数がやたらに多い。
あっちでもこっちでも観音様。

やがて、観音様巡りが流行する
源氏物語にも書かれているくらい。
それがコースとなり
西国三十三所霊場に発展し
さらに、坂東三十三所、秩父三十四所
合わせて日本百所巡礼となります。
ここまで広がると、完全に民衆に定着しますね。

七変化
観音様が広く浸透していったのは
半分反則みたいなもんだけど
七変化するから。
あるときは紳士、あるときは警官、またあるときは大富豪
の怪人二十面相みたいですね

十一面観音、千手観音、如意輪観音、馬頭観音等々
姿を変え、全て観音様
合計して観音様としてカウントするとすごい人気です。

斎藤さん、斉藤さん、齊藤さん、齋藤さん一緒にするのと同じです。

今回は、聖観世音菩薩(しょうかんぜおんぼさつ)といたします。
聖観世音菩薩とは、七変化する前のベーシックな観音様。
一面ニ臂(いちめんにひ)です。
一面ニ臂とは顔が一つで手が二本。
普通です。

それ以外の観音様は大体、多面多臂
聖観音が変化していくところをみたいですね。
顔や手がニョキニョキっと生えてくるんでしょうね。

見分け方
観音様の見分け方の前に菩薩の見分け方でした。
前回、次回回しにしていました。
おさらいです。

菩薩は悟りを拓ききっていない。
ということで、釈迦がまだ釈迦族の王子だった頃がモデル。
従って色んな装飾品を身に付けています。

豪華ですね
これも人気の秘密かも。
如来の地味さが良いのよ
となるか
仏像の中の美術品的要素を大きく見て
多少は綺麗な方がね
となるか
ひとそれぞれの捉え方ですから。

その中でさらに観音様だけの見分け方で言うと
持っているものとしては蓮の華(れんげ)か、水瓶(すいびょう)水の入った瓶が多い
蓮華は聖観音はつぼみが多く、変化観音は咲きかけだったり満開だったり。

聖観音以外は多面多臂なので
菩薩パターンで顔や手が多かったら、まず観音様と思って良いでしょう。

あと、冠のところに化仏といって仏様が書いてあったら観音様
これは目標になる仏様という事で、阿弥陀如来が書かれている。

シリーズの次回は変化の観音様に入っていきます。

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