[仏像の見分け方]地蔵菩薩。かわいいーっ

仏像の見分け方シリーズ

今日で菩薩は最終回になります。
次からは新しいジャンル、明王ね

菩薩の最終回にふさわしく、超人気者。
ひょっとすると観音様より人気があるかも。

地蔵菩薩
最初のきっかけとしては、
如来がいくつか増えてくる前に
釈迦如来が亡くなってから
56億7000万年後にこの世に現れて全ての人々を救う弥勒菩薩まで
ぽっかり間が開くわけで
その間の中継ぎを託されたのが、地蔵菩薩

あと頼むね

中継ぎったって、56億7千万年の間つとめないといけない
肩壊しますね。

そんな超大物だったはずが
人気はいまいちだった。

だんだん、地獄の担当的なイメージが強くなっていきます。
ああ、地獄担当の地蔵菩薩ね
頑張って。程度。

そうこうしているうちに、
南無阿弥陀仏だけ言えば、極楽浄土に行けるという
阿弥陀如来の人気がどんどん高まっていく。

そうなると、逆にいつの時代も疑り深い人がいます。
俺は無理
南無阿弥陀仏ごときで、極楽浄土に行ける訳ない
ぜーったい地獄
だって、この前信号無視したし
優先席の前にお年寄りがいても寝た振りした

そんなときに、源信というお坊さんが「往生要集」の中で
地蔵菩薩の徳を説いた。
地獄の中での苦しみを一手に地蔵菩薩が引き受けて肩代わりしてくれる。

これは、「どうせ俺達ゃ地獄組」にとってとてつもない朗報。
ええっ。苦しまなくて良いのね。
じゃあ地獄行っても全然良いよ。

さらに、肩代わりってところがクローズアップされて
ひょっとして、この世の辛いことも全部肩代わりしてくれるんじゃない?

身代わり地蔵の誕生です。
これでまたぐんと人気アップ

ところで、子供って、親より先に死ぬってあっちゃならないことで
それだけで、地獄行き。
賽の河原で石を積まなきゃいけないけど、鬼が来て壊しちゃう。

親より先に逝くってそれだけ罪作りなんだって
言いたいことは分かるけど
それだけで、地獄行って、石を積み続けるって可哀想すぎませんか。

それを救ってくれるのがお地蔵さん。
これは子供の味方だってことで
今度は子供とイメージが結び付く。
子安地蔵とか、水子地蔵とか。
お地蔵さんが赤いよだれかけしているのも
子供が無事に大きく育ちますように。

そうなると、かわいい愛されキャラになっていきます。

日本の仏教って歴史的に言うと
支配者層が自分達の都合の良いように
国家鎮護の目的で、聖徳太子の昔から
国家の全面バックアップのもと、広まっていく

でも、そんな小難しいことは、お偉いさんやお坊さんに任せておいて
私達庶民はもっとささやかな願い事なのさ

いわゆる民間信仰に結び付くほど強いものはないね
勝手にいろんなご利益をくっつけちゃって
縛られ地蔵だの、代わって田植えをしてくれる泥付き地蔵
下級武士の間では、替わりに矢に当たってくれる、矢取り地蔵
もうなんでもあり

手先の器用な、どこそこのごんべさんが
石を削って作っちゃう

見分け方
お地蔵さん見分けにくいわぁ
って人あまりいませんね。

立派な仏像としての地蔵菩薩
身近な辻に立つお地蔵さん
全てに共通した特徴があるからです。

丸坊主。

お釈迦様が、あと頼むって言うくらいなので
モデルはお釈迦様の弟子のお坊さんです。

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