シーボルトの激烈日本愛。でも何かある?

江戸の理系力シリーズ

このシリーズを書くための二つの本からすると
次は楠本イネってことになるんだけど
ちょっとちょっと、そういう訳にはいかんでしょう。

その前にこの超大物を説明しておかないと
楠本イネの何たるやが分かりません。

シーボルト
医者等 1796-1866

シーボルトは一体何の人と言ったら良いのか
普通にみんな知っているので言うと医者ですね
すごい医者

それだけじゃなくて、すごい植物学者だったりもします
それ以外にも・・
それは、このあとね

植物学者として新たな品種の研究がしたい
世界を見回して、まだ研究されていないところは?

あるじゃないか
他の国の人が入れないここ

シーボルトの激烈日本愛は、こういった理由から始まります。

オランダへ
ドイツ人なんですが
ドイツ人としては、一生かかっても日本にはいけない
そうだ、オランダだ

そのために、まずオランダに移住
色々努力して、オランダ政府にも認められる

すみません、日本に行きたいんですけど

ええよ

ただ、ここ
あっさりなのか
ええけど、そのかわり
があるのかが、微妙なところ
どうも何かある気がします。
何かの任務を負わされた。

日本へ
日本に来ました。

怪しまれます。
ちょっとあんた、変なオランダ語しゃべるね

いやその
オランダと言っても山の方の地域なもんでして
なまりがひどくてすみません。

実はオランダって風車で水を掻き出すぐらいですから
ほとんど低地ばっかりで、山は一切ありません。

シーボルトも言ったあと、しまった、失敗したと思ったでしょうが
あっさりスルーしてくれます。

さあ、植物の研究するぞ

でも、出島からは出られません
とりあえず出島の中を徹底研究

そうこうしているうちに、病気の人がやって来ます。

すごく立派なお医者様だとお聞きしました。

私?

忘れてましたね
すごく立派なお医者様です。

いともあっさり治しちゃいます。

私も、お願いします。私も。

もともと日本に憧れてやって来たけど
みんなとのやり取りの中で、もっともっと日本のことが好きになります。

お金ないの?
良いよ良いよ。今日は特別。

僕らのシーボルト先生は特別な先生だ

本当は出島を出ちゃいけないんだけど
良いんじゃないの、この先生なら

出島って出入りできる日本人は極めて限定的だし
外国人(オランダ人?)は外にはオランダ商館長以外は一切出られない。
異例中の異例。

出島外での診察が認められます。

噂を聞きつけて、患者が殺到します。

シーボルトも日本のためになりたいという気持ちが日に日に強くなり
出島の外の鳴滝という場所に鳴滝塾というのを開きます。
出島の外なら誰でも訪れる事ができる
弟子たちに最新医療を伝授

ここの弟子たち、そうそうたるメンバーですよ
高野長英、二宮敬作、伊東玄朴、戸塚静海
次々回紹介予定の楢林宗建だってそう

外国人の診療も初めてなら
外国人が直接学問を教授するのも史上初めて。

今までは、出島に入れる通訳で、吉雄耕牛みたいな人が
たまたま自分も学問に優れ、色々習得してみんなに伝授のような
間接的でしかあり得なかった。

弟子たちがビックリしたのが教え方
今日はこの本の何ページ目から何ページまでです、みたいな教え方は一切しない
全て実践しながら

今日のこの患者さんは脱臼したみたいだから
脱臼についてね
まずはやってみるからよく見ててね

こちらの患者さんは痔ですね
はーい
お尻に注目

教えたのは医学と植物学だけではありません。
動物とか民俗学的なこととか
スーパーマンです。
何でも来い
例えば、シーボルトが発見した日本で一番大きなミミズの種類は
シーボルトミミズと言ったりもします。

日本には研究しに来ているわけですから
それでもって、日本が大好きになっちゃってますから
日本の事なら何でも研究したい

そのためには、弟子の存在はある意味好都合立だったりします
教えるのは良いけど、その代わり研究に協力してよ

良い制度を思い付きます。
ドクトル試験

鳴滝塾を卒業するとき、認定証を差し上げましょう
そのために卒業論文書いてね

例えば、高野長英に与えられた課題は
日本の鯨と捕鯨について

く、鯨ですか

評判は全国に知れ渡り
江戸からも、何と中国からまで弟子にしてください、とやって来ます。

そして、いよいよ幕府から

オランダ商館長って多い時だと年に一回、江戸に行って
色んな情報提供をする義務を負っているんだけど
商館長付きの医師という事で、
江戸に来なさい。

よっしゃあ。

これで、植物ほかもろもろの研究が一気に進みます。

弟子たち総出で準備に大わらわ。
道中各地の植物の苗を集めて回らないといけませんし
どうせ噂を聞き付けて集まってくるであろう各地の学究の徒に
外国の色んな事を紹介するための本だったり地図だったり道具だったり
測量や天文観察もしないといけませんから、そのための道具も

大行列になります。

長くなりました。
例のあの事件も含めて、続きは明日ね。

あっそうそう
書きたいことが有りすぎて、重要なこと書き忘れていました。

あまりに多忙で
夜は3時間くらいしか寝ていなかったんじゃないかと言われているんですが
ちゃんと、やることはやっているんですね

滝さんという人と結婚。
その間に産まれた娘がイネです。

発見したアジサイの品種になんとかオタクサ、と命名しているんですが
オタクサはおそらくお滝さんのなまりです。
何せ山出身でなまりが・・

索引はこちら
[江戸の理系力]シリーズはこちら(少し下げてね)

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