木内石亭は石の研究で自然科学のパイオニア

江戸の理系力シリーズです。

木内石亭
きのうちせきてい 博物学 1724~1808

石です。
石の研究で名をなした人。

本名は重暁(しげあき)
そりゃそうですね
最初から石亭という名前だったら
バカボンのパパのようです。

11歳の頃から石に興味を持ち、のめり込みます。
とても渋い少年ですね

大人になってからもさらにエスカレート
奇石や珍石があると聞けばどこにでも出掛けていった

周りからは見ると、とてもアブナイ人ですね

でも本人からすると
石の面白さが分からないとは可哀想だなあ
人生の楽しみの大部分を失っている。

TBSラジオ安住紳一郎の日曜天国に年一回ずつ登場する「佐藤さん」みたいです。

日曜天国ではよくマニアックな趣味の人を良く紹介します
音を聞くだけで、どこのメーカーの型式が何かをピタリと言い当てる換気扇マニアとか
道端の石をひっくり返しながら歩く、陸貝(カタツムリとかナメクジ)マニアとか

そこで明らかになった事実は、
どんなにマニアックな趣味でも、同じことに興味を持っている人が
全国に200人はいるということ

インターネットのない時代
石亭は諸国を歩いて回り
その200人を探し当てることになります。

すると不思議なことに
奇石や珍石ファンは増加していきます。

私も堂々と、石が好きです、って言って良いのか

そして、加速度的に、石亭の元に珍しい石の情報が届くようになります。

石亭が収集した石は2000種類を越えます。
特に珍しい石と言われるのが31種類
「葡萄石」「天狗爪石」「金剛石」「木化玉」「石爪」「石梨」「石卵」「青玉髄」「黄玉髄」「赤玉髄」「白玉髄」「黒玉髄」「貯水紫水晶」「貯水白水晶」など

石っていうからえっ?て思うけど
なるほど、金剛石=ダイヤモンドだから
宝石を含むわけですね

そりゃ確かに200人どころじゃなくなってくるのは分かります。

収集品の中には自然石の他、人工的に作られたものも多くあった。

勾玉(まがたま)や石器。
石鏃(せきぞく)も1000個以上所有
縄文時代や弥生時代に作られたやじりです

当時は自然の石と思われていたんだけど
石亭が日本で初めて「人が作ったもの」という説を唱えたため
考古学の先駆者とも言われている。

当時、学問的には石(鉱石)は独立した学問ではなく
本草学(ほんぞうがく)のほんの一部門として研究している人はいた
本草学というのは、薬草とかの植物を中心とした博物学です

と言うことなので、本草学の権威とも色々交流
津島如蘭、小野蘭山、木村蒹葭堂(けんかどう)、平賀源内

弄石社(ろうせきしゃ)を結成して、全国の愛石家の指導的を果たします。

安永2(1773)年、「雲根志」(うんこんし)を発表
中国では、雲は石から産まれるらしいです。

なんと全部で15巻の大作

科学的考察だけでなく
各地の石にまつわる俗説とかも紹介

例えば、越後の雪化石というのがあるらしいんだけど
これは、鍾乳石(しょうにゅうせき)ですよ
雪は化石にはなりませんと

なんと、シーボルトは
著書「日本」の中で、
石器や勾玉などの考古学的考察部分を
石亭の研究から引いています。

索引はこちら
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