日本庭園での一番の大物。築山

日本庭園での色々な要素を見て参りました。

石がらみを一通り終えたので、いよいよ一番の大物に行きましょう。

築山
山です。
池は海を表していたので、次は山が必要です。
庭園にある山は基本的には「築山」(つきやま)と言います。
徳川家康の正室は築山殿でしたね

全部築山でも悪くはないと思うんですが
傾斜が緩やかなものは野筋(のすじ)と言って区別する場合があります。
傾斜が急であれば、荒々しいイメージになり、水の流れも激しくなる
野筋だと、落ち着いた感じになり、水の流れも緩やか
それぞれで、石組みも変えて、築山ではゴツい感じ、野筋では落ち着いた感じにします。

なぜ庭園に山を作るかは、そりゃ山は必要でしょ、と説明するまでもないですが
実用的な意味もあったりします。
残土処理です
池を掘って出来た土を一ヶ所に盛り上げる。

信仰的にも意味がありますね
元々日本では山自体が神様。

仏教が興ったインドでも、
仏教のみならず、ヒンズー教等々のインドの全ての宗教に統一的な世界観として
世界は「須弥山」(しゅみせん)という山。

神仙思想においても蓬莱山は不老不死の象徴
ただ、これは池の中にある島でなければ意味ないかも

色々
都立9庭園でも色んな築山があります。
一番大きいのは六義園の築山で、藤代峠という名前がついています。

庭園はなくなっちゃったけど築山だけ残っているのがこの前行った、戸山荘の箱根山

おそらくその次に大きいのが、小石川後楽園の小廬山

この三つがいずれも富士山でないところが面白いなあと思う。

都立9庭園の築山で富士山となると3つ
浜離宮恩賜庭園

旧芝離宮恩賜庭園

清澄庭園

富士山と言うことになると、この前お話しした富士塚になりそうだけど
富士塚は主に、神社の中にあって、庭園の中にあるのとは位置付けが違う。
おそらく、東京の庭園は元武家屋敷だったところが多いので、一般庶民は入れない。
富士塚は、一般庶民が組織した富士講の象徴ですからね

池泉回遊式庭園は、池の周りを巡って色んな場所から池を見て、違った景色を楽しむ。
その中で、一番圧巻なのは、高いところから池全体を俯瞰で見渡すってところ
先程あげた都立9庭園もやっぱりそうです。

六義園の藤代峠からの眺めは何物にも変えがたい

馬鹿と煙は高いところに登りたがるって?
はい
だーいすき

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