[天皇]29 欽明天皇。時代が変わります。

欽明天皇になって大きく時代が変わります。

欽明天皇
天国排開広庭尊(あめくにおしはるきひろにわのみこと) 539~571年

継体天皇の息子で、安閑天皇や宣化天皇とは異母兄弟ということになります。

宣化天皇が亡くなった時はまだ若かったということもあるので
山田皇后(やまだのきさき)という宣化天皇の奥さんに天皇をやってもらってくださいと辞退

山田皇后は、それを聞いて、
とんでもない。
欽明天皇は人柄的にも能力的にも大変優れているので、欽明天皇こそがふさわしい

良いですね
安閑天皇や宣化天皇ラインと、欽明天皇ラインは母が違うので、何かととりざたされがち
こういう「日本的手続き」を経る事は重要です。

なぜ、欽明天皇から大きく時代が変わるかというと、仏教伝来です。

朝鮮半島情勢
第25代の武烈天皇あたりから、朝鮮半島情勢が大きく変わってきている
新羅(しらぎ)と百済(くだら)が勢力を拡大し、日本の影響下にあった任那(みまな)(加那地方)を併合

この外交上の失敗で、大伴金村が失脚
大伴氏と物部氏の二大勢力だったものが
この前の宣化天皇の時に蘇我稲目(そがのいなめ)にとって変わって
物部氏と蘇我氏という構図に変わる。

日本は任那を奪還すべく、兵を送る

結果として、奪還はできなかったのだが
思わぬ副産物が得られる。

分かった。任那は諦めるわ。

ほんに。
そう言ってくれるんならこっちも有難い。
今後は仲良くしましょうよ。

百済は、仲良しのしるしとして、儒教の学者を五経博士として交代で日本に貢上することになった
日本に学問が本格的に輸入される。

易博士・暦博士・医博士・採薬師・楽人

そして、538年(552年の説もあり)
極めつけに仏像と経典がもたらされるのです。
仏教伝来です。

なにこれ。素敵!
あまりにあか抜けているのでびっくり仰天。

大急ぎで帰って、部下達に見せる
ほらほら、すごいでしょ。
この仏教とやらで日本の国も安泰だね

蘇我氏「いやあ、良いもんもろてきはりましたなあ。中国とかでも仏教は大ブームらしいですよ
 うちも、これでいきましょ」

物部氏「うさんくさい。そんなもん取り入れたら日本の神様に怒られますわ」

えっ、びっくり。意見分かれるんだ。
てっきりみんな大歓迎してくれるとばかり思ってた。
そうなんだったら、無理には言えないね

蘇我さんは、賛成だってことだから、これ預けるね。

ええっ、嬉しい!賛成して良かったぁ
末代まで大事にしますわ

お堂を建てて、仏像を祀り、毎日毎日、お経を読む。

ところが、たまたまタイミングが悪かったんでしょう
まもなく、国中に疫病が大流行

ほらぁ、言わんこっちゃない
そんなけったいなもんを拝んでるから、
日本の神さんが機嫌そこねはったんやで。

仏像を無理矢理奪い、難波の堀江に投棄し
お堂を焼き払った。

欽明天皇は
いかん、えらいことになった。
ここでどっちかに味方したら
優秀な部下の半分を失ってしまうことになる。

知らぬ存ぜぬを通し、仏教には一切触れない、だんまり作戦
ちゃんと決着しないといけない、大問題であるのは分かっておりますが
自分の代では決めずに先送り。

出ました、また「日本的手続き」です。

[天皇]シリーズはこちら(少し下げてね)

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