うちの母さんこんな人

今度は母親です。
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関西のおばちゃん
想像していただいた感じの関西のおばちゃんの7割ぐらいかな。
ようしゃべります。

母親って特別ですね。
愛情のかけ方が尋常じゃない。
カミさんが娘にかける愛情も、横で見ててすごいと思うけど。

耳鼻科のお医者さん
小さい頃、鼻がとても悪かった。
蓄膿症、鼻炎、等々、鼻に関わるかなりの病名がついていたと思う。
かんでもかんでもはなが出た。
頭が常にずっしり重たかった。
ほんとにつらかったです。

母さんが、すごく評判のいいお医者さんを聞き付けてきた。
5駅ほど先の町にある。
西日本で一番という腕の持ち主らしい。
夏休みに手術をした。
その前後、結構長く通院することになる。
おかげで完治しました。
あれだけつらかったのが治りました。

ただ、この通院が想像を絶する大変さだった。
大変だったのは私ではなく、母さん。

受付
翌日の診療の受付は前日に行われる。
超人気なので受け付け時間の前には行列ができるようになる。
その行列がどんどん長くなっていって。
ついには、前日から夜を徹して並ぶ人まで出始めた。
ここで、電話予約制に変えてくれれば良かったんだろうけど、そうはならなかった。

さすがに近所迷惑。
病院は、近くのちょっと大きめの駐車場を借りてくれた。
吹きっさらしだが、一応屋根は付いている。
ここで待っててもらっても良いですよ。

そこにそれぞれ布団を持ってきて、夜を明かすという異様な光景。
母さんも、そこに通うことになります。
翌日行ったら、もう定員終わってますから。
冬は、凍えるので、布団2枚をぐるぐる巻いて、ひもで縛って、自家製のどでかい寝袋。
そんなでっかい荷物をもって駅までふらふらしながら自転車。
電車に揺られて、向こうの駅からは歩き。

大人になってからも、ずっとそのことが頭の中にあるから、
自己啓発のセミナーに行ったりしたら、ちゃんと感謝の気持ちを伝えてないんじゃないかと思って、電話をかけたり。
何度かちゃんとありがとうと言ったけど、それでも全然足りなくて。
もっともっとありがとうって言えばよかった。

突然
7~8年位前でしょうか。
突然、電話がかかってきて、母さんが倒れて危ないって。
急いで関西に帰ろうとしたら、1時間後、亡くなったって。
死に目には会えなかった。
いわゆる、ぴんぴんころり。
突然、トイレで倒れてそのまま。
あまり苦しまずに逝ったらしい。

それはそうかも知らんけども

葬式
父さんは無口なので、なぜか喪主は私がやることに。
頑張って、挨拶とかは普通にやり終えて。

最後のお別れですって棺桶のふたが開いて。
母さんの顔を見たら、あふれ出た。
人間こんなに涙が出るもんかというくらい。
大の大人がオンオン泣いた。

とぼけた感じで「ホンマか。いつからや」
息子の嫌いな食べもんくらい覚えとけ。何回ゆわすねん。

あの、「ホンマか」をもっかい聞きたい。

今度生まれ変わっても、あの母さんの息子で生まれる。
もう決めてるから。

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