さぎ草伝説。その1

世田谷ウォーキングでさぎ草伝説を書くと言ったのに
その後2日連続でウォーキングしちゃったもので、割り込み入れてごめんなさい。

さぎ草伝説
さぎ草伝説の主役は、常盤姫(ときわひめ)
相手方は、吉良頼康。戦国時代のお殿様です。
世田谷城の城主。豪徳寺の隣です。
吉良氏は足利氏の親戚で、江戸時代に例えると徳川宗家に対する御三家的な位置付け
世田谷区を中心に広大な領地を持っています。

常盤姫は、その家臣の大平出羽守の娘
出城の奥沢城を守っています。九品仏(浄真寺)の場所です。

ある日、頼康が鷹狩りに出掛けました。
奥沢城の近くまで行き、白鷺を見つけました。

行けっ
鷹を放ち、見事捕らえます。
殿自ら、落ちた白鷺を捕まえ、良く見ると、足に何かが結びつけてあります。

狩人の今日はゆるさん白鷺のしらじらし夜の野辺のあけぼの

どういう意味じゃろか
美しい筆使いに魅了されてしまいます。

気になり出すと、どんどん思いが膨らみ
まだ見ぬ女性に恋心を抱くようになります。

小姓の天王丸に、
なんとしてもこの文の主を探し出せ

ははっ

殿も無茶言うよなあ
どう探すよ、これ

とりあえずやみくもに歩き回り
すれ違う人全てに参考になる情報を聞く

来る日も来る日も手掛かりなし

疲れはてて、気づくと等々力(とどろき)渓谷
清流に喉を潤して休憩していると
声をかけてくるものがいる

わが主君の一羽の鷺が、篭を抜け出し、行方知れずとなりました。
もしや、ご存じないでしょうか。

えええっ

大平出羽守は常盤姫を溺愛し、片時も側を離れようとしません。
父に愛される喜びはあるものの、不自由な身の上にもの憂い毎日を送っておりました。
篭の中の鷺を自分と重ね合わせ、
七夕の日に、文をつけて解き放ちました。

殿に
野をかけ山をかけ、来る日も手掛かりがなかったこと
ところが、偶然にも出会いがあったことを興奮しながら話しました。

ええい、話が長い。
して、その主は誰だったのじゃ

それがですねえ。

殿には未だお目見えなきも、既に御存じのお方、
誰あろう奥沢城主大平出羽守様の愛娘「常盤姫」にてございます

えっ。

頼康は、常盤姫にあったことはなかったのですが
美人の噂が高かったので、
何度も歌を贈っておりましたが、返事をもらえていませんでした。

かくなる上は何に変えても

京都のお公家さんに嫁いでいた、お姉さん「淀君」に使いを出し
なんとかご尽力いただけませぬか

私でお役にたてるならと、淀君おん自らが奥沢城に向かいました。

大平出羽守は恐縮しかり
喜んでお受け致します。

奥沢城から世田谷城への輿は、それはそれは華やかな行列となりました。
頼康には9人の側室がいましたので、10人目の側室となりました。

幸せな日々
それ以来、頼康の寵愛は、常盤姫へと一身に集まりました。

わしらを結びつけてくれた、あの鷺の野に、一緒に参らぬか
静かにうなづく常盤姫と共に、鷺を見つけた野に行きました。

するとどうでしょう。
野の一面に、白い花が咲き乱れたのです。
しかも、その花のひとつひとつが
まるで鷺が羽根を広げたかのような形だったのです。

二年の月日が流れました。
待ちに待った日がやって来ました。

常盤姫ご懐妊

城中が沸き立ちました。

その中で苦々しく思っている人が9人
そうです。他の側室たちです。

妬み恨みが渦をまき
その矛先は常盤姫へ

続きは明日といたしましょう。

[人物]シリーズはこちら(少し下げてね)

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