根本的に間違っていたこと

このシリーズの前回、「効率の良い組み方」を進めていった話をしました。
さらにどんどん進んで、どんどん効率アップしていきます。

そうこうしている内に、最も若くして、グループリーダーをさせていただくことになりました。

当時その会社はとても不思議。
全てのグループが赤字。

コンピュータがとても高価な時代。
親会社は大企業。
コンピュータを作って売っている。
コンピュータにはソフトを入れなきゃ何とも動かない。
そのソフトをお客様と打合せしながら作って納品してというのが我々子会社の役割。
親会社にしてみれば、コンピュータが売れればそれでいい。
子会社の多少の赤字なんて屁でもない。

そういった事情がわかっちゃうもんだから、どのグループも赤字を出そうがへえっちゃら。
我がグループだけが大黒字。

企画書
こりゃおかしいんじゃないかと企画書を書いて会社に提出した。
その中で工数比較。
今まで100かかっていたものがどれくらいでできるのか。
何度も計算したんだけど、どう計算しても2くらい。
2%で出来ちゃう。

ダメですね。
2桁数字が違うのはいけません。

信じてもらえない。
批判すらしてもらえない。
関心を示してくれないんです。

これが50%とかだったら、
おお、すごいってことになるんですけど。

IT業界、特に業務システムと言われるものは、人月という考え方が今でも当然です。
お客様からこんなシステム作ってほしいと言われたら、
見積もってみましょうということになる。
完成するまでに、何人がかりで何ヵ月かかるか。
仮に100人月だとすると、1人月当たりの単価を掛け算して、
これくらいになります。

かかればかかるほど、売上が上がるのです。
2%だったら、仮に100万円売れるはずが2万円にしかならない。

また、98人が首になる可能性がある。
業界の敵な訳です。

若かった
どんどん居づらい空気が漂ってきます。
私の方にも大きな問題があったんだと思います。
若かった。
天狗になったと思います。
何でこいつを使わないんだと。

経営が面白いと思った
所属している第二システム部は第一と比べると小規模なシステム。
当時、コンピュータは貴重品。
第二システムの場合は、打ち合わせに行くと、先方は、社長が出てきてもらえる。
こっちは二十歳そこそこの若造なのに、
コンピュータの専門家が来てくれる
ぐらいの勢い。
対等に話してくれる。

経営って面白いなあ。
社長と話する度にその思いが強くなる。

経営コンサルタントになりたい。

システムエンジニアという職業に構造的な問題を感じ、
居づらい空気も日に日に強くなってきたこともあって
転職を決意する

友達の結婚式
転職後、2年くらいたったかもしれない。
当時の同期が結婚するということで結婚式に呼んでもらえた。

会社は離れたけど、気になっていたことがあった。
一番良くしてくれた会社の事。
○○商会。
私のシステム作りの考え方に共感してくれた。

帰りの電車の中で友達に、
ところで、○○商会のシステムどうなった?

ああ、あれね。
全部一から組み直したよ

耳を疑った。
目の前が真っ白になった。

組み直しがどういう意味を持つか良く分かっている。
私も人のシステムの組み直しを何度かした。

一円だってお客様からお金をもらえないんです。
普通の赤字とは比べ物にならないほど赤字幅は広がる。

何で組み直しが必要だったかも良く分かりました。
使い方のマニュアルはかなり丁寧に作ったつもりだけど、
そんな特殊な組み方は理解できなかったんでしょう。

会社に対して行ったこと
何て事をしてしまったんでしょう。
会社に対して我がグループだけが黒字で貢献していると思っていた。
全く逆だった。

一匹狼は会社に迷惑をかけるのか。
それも膨大なる迷惑。
有頂天になっていたけど、とんでもなかったのだ。

一人で、仕事なんてできやしない。
組織で仕事しないと全く意味がない。

経営コンサルタントとして、何人かの一匹狼に出会った。
彼らは全員優秀なのだけど、
この話をしたりして、分かってもらうことが大きなテーマとなった。

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