[迷信]7 ちちんぷいぷい 痛みが治る

ちちんぷいぷい
子供がこけて、火がついたように大泣き

ここが痛いのね
ちちんぷいぷい いたいのいたいの飛んでいけーっ

ぐすっぐすっ
と泣き止んだ

良く見る光景
自分も昔あったかも

治る?
「そんなことで治るわけがない」と思いつつも、何となく痛みが引いていくような気がする。

実はかなり科学的根拠がある

2017年に群馬大学大学院医学系研究科が、
この言い伝えの裏づけとなるような研究表している。

それによると、神経細胞にある「TRPV2」というタンパク質の働きが、
痛みを受けた部分の再生に関係しているのだという。

このタンパク質は熱を感じるセンサーの役割をしていて、
痛みのある部分を手でさするような刺激を与えると、
その刺激を感知して集まってきて活性化する。

そして細胞に大量のカルシウムイオンを取り込ませ、
神経の突起が伸びて損傷した神経の再生をうながすことが実験でわかった。

TRPV2センサーの働きのイメージ

ちちんぷいぷいの神様は科学的な神様だったんですね。

今、この研究がさらに進んで
TRPV2という物質により、痛みの緩和や、細胞の再生への薬としての研究の段階に入っているとの事

ちちんぷいぷいとは
ちちんぷいぷい。不思議な語感で、いかにもおまじないっぽい

もとになっているものは、3代将軍徳川家光が幼少時に、
乳母であり教育係でもあった春日局(かすがのつぼね)からかけられた言葉だ。

まだ竹千代と呼ばれていた頃の家光は、病弱で泣き虫だった
春日局は彼に「知仁武勇(ちじんぶゆう)は御代の御宝(ごよのおんたから)」と言って聞かせた。

「知」は知性、「仁」 はやさしさ、「武」は武力、「勇」は勇ましさのことで、
これらを持ち合わせている竹千代は徳川家の宝なのだから、どうか泣かないでおくれとあやしていた。

それがいつのまにか庶民の間に音が詰まって広まり、「ちちんぷいぷい」になった。
そしてそこに、いつしか痛みを飛ばすための「さする」という行為が加えられた。

「ちちんぷいぷい」は、癒やしとやさしさがセットになった、本当に効くおまじないだったのだ。

[科学]シリーズはこちら(少し下げてね)

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