痛い時、何て言います?

ものの言い方西東 という本を読みました

方言研究の中で、単語としての違いに関してはかなり研究が進んでいる。
ところが、ものの言い方に関しては、まだあまり研究が進んでいないそうです。
そもそも、おしゃべりか無口か、お礼を言うか、おはようの挨拶をするか、等々の地域差です。
著者は、共著で二人。
新潟出身で仙台を経て東京に行った人と
山形出身で仙台を経て大阪に行った人
東北に詳しいので、とても面白い。

そんなバカな、と目を疑うような事がいくつかありました。
このあと、紹介していきますが、まず一つ。

痛い時
シチュエーションは、机の角に足をぶつけたとき
何て言いますか?

びっくりしましたねえ。
そんなこと考えた事もなかった。
そんなの咄嗟に出る言葉でしょ。
地域差なんて出るはずがないと思いながら読み進めた。

いた
に決まっとる

違ってましたねえ

いた
あいた
いたい
に分かれる。

そう言われると
私は、いた、と、あいたの両方を使っている。

極めて瞬間的な時は、いた
ピリッとした痛さの時
若干瞬間度が弱いときは、痛い感じを思いっきり込めて
あいた
膝頭が、いた
むこうずねがあいた

地域差
本に分布の地図が書いてあるんだけど
九州はあいた
西日本全体にあいた、は多いんだけど
関西は結構、いた、も多い
関東から東北にかけてあいた、が極端に減っていく
いたい、が急激に増えていく

聞いてみました
職場仲間に聞いてみました
神奈川、山形、北海道、それぞれの出身の人

机の角に足をぶつけました。
さあ、何と言います?

ええ? どういうこと?
だからさ、痛いわけよ、何て言う?

痛い?

あっ、やっぱりそうなんだ。
へえ、ほんとか。
絶対あり得ないと思っていた。

じゃあ、何て言うの?
いた。
最後のいがつかない
あるいは、あいた
地域差があるらしいのよ

そういうことだったら、さっきの間違い
いてっ(北海道)

いてっか、それも言うなあ

どう?

うなる(神奈川)
まあまあ、そうなんだけどさ
それはそうなんだけど

あえて言うと、いた

へえ、そうなんだ
どう?

うなる(山形)
ううううう

あえていうと

いたいも、いた、も言わないなあ
ひたすらうなる

そうだなあ、やっぱりうなるなあ
痛さにもよるけど、痛いときはうなる
ううううう(北海道)

ということで、私の回りでは、うなる、が結論

これ、意外に正解かも
どういうかを問われると、あいた、いた、いたいに分かれるけど
関東から東の人は何も言わず、うなるのかも知れない

関西人としてはあり得ない
うなるなんて勿体ない

だって痛いんですよ
こんな絶好のチャンス
回りの人に痛いことをアピールしなきゃ

うなって痛さを我慢するとしても
何が何でも、そこに、いた、や、あいたたた、をはさみこんで猛アピール

広島カープの達川みたいなもんです

しかし、面白い研究もあるもんですね
この研究がどう役に立つのかは分かりませんが
面白いのでよしとしましょう

また、それ以外にも次に、話していきますね

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です