坂上是則、朝ぼらけ~

朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに
吉野の里に 降れる白雪

夜がほのぼのと明けていく頃
有明の月で明るいのかと思い間違うほどに
吉野の里に降り積もった白雪であることよ

坂上是則(さかのうえのこれのり)
坂上是則は、蝦夷征伐の征夷大将軍、坂上田村麻呂(たむらまろ)のひ孫。

天皇の発言の記録係をやってます。

蹴鞠の名手でも有名です。
テレビで時々見るけど
あんなこと良く出来るなあと思いますね。

どれだけ長く続けられるかという団体戦と、
最後に失敗したらダメという個人戦があるらしいけど
団体戦は良いよね
相手が返しにくいところに打つという普通のスポーツに比べ
メンバー全員が協力し合うという
その考え方が、とても良いですね。

坂上是則はとてもうまくて
何と一人で206回も続けることが出来た。
見ていた帝から、絹をプレゼントされたらしい。

鑑賞
前回出てきた、有明ですね
明け方の月。

あれ、何だか外がいつもより明るいような
こりゃまた、どうしたんだろう

ざっ(と戸を開けて)

あっ、そういうことね
雪明かりだったのね
てっきり、有明の月かと思ったよ

まあ、有明の月がそんなに明るいわけはない
普通に考えて、雪明かりの方が明るいに決まっている。
歌の世界でのお約束のようなもの

現実を持ち込んではいけない。

私も大分分かっていたんですが
結局、和歌ってこれだけ字数を制限された中で
奥深い世界を表現するわけです。

お約束が色々ある
有明の月は明るいの。
分かったね
ごちゃごちゃ言いっこなしよ

というのが
ルール集みたいなのがあるわけではなく
過去に同じような題材で詠まれた歌が
鑑賞する側の頭の中に入ってますよね
ほら、明るい。
という感じで、ぼわっとした全体イメージ。

有明の月と見るまでに
の、までに
の存在。

有明の月と思うほどまでに
明るかったんだよ

聞く方も、そこまで明るいの?
どんだけー
ではない。

過ぎることは良しとしないので
有明の月をイメージしつつ
ほどほどの明るさ

なので、一面の銀世界ではなく
うっすらと積もった程度。
そうすると、イメージと合いますね

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