東栄町のお葬式は、とてもちゃんとしていた

カミさんのお父さん(東栄のおじいちゃん)が一昨日亡くなりました。

カミさんは亡くなったあとずっと来てますが
私は告別式に合わせて今日東栄町に来ました。

東栄町は愛知県ではありますが、もうちょっと先が静岡
さらにもうちょっと先が岐阜県という山岳地帯です

出棺は、12時なんですが
何せほぼ2時間半に1本しか電車がありません
9:59着で東栄に着かないといけません
朝4時に起きて、5:06清瀬発に乗る必要があります。
ギリギリ間に合いました。

おじいちゃん
良いおじいちゃんでした。
寡黙だったけど、いつもニコニコしていた印象しかない

家の天井のハリにロープを通して子供用の椅子をくくりつけ
孫に即席のブランコを作ってくれる
そんなおじいちゃんでした。

田舎の人なので何でも自分でやっちゃう
一番すごいと思ったのは、浴室を自分で作っちゃったこと
タイルを一枚一枚ペタペタ張っていって、とうとう浴室全部を作っちゃった

カミさん
今回、カミさんをかなり見直しました。
おばあちゃんの代わりに、
お姉さんと一緒にセレモニーの切り盛りを何から何まで
気配りがすごかった。

あの人、どこの嫁さんやろ、ってぐらい

お葬式
はじめてでした。
こんなお葬式を経験したのは
田舎のお葬式なので、規模的にはたかがしれています
盛大って訳じゃないんだけど
色んな事を省略せずにちゃんとやる

取り仕切ってくれたのは、東栄セレモニー
経営母体は東栄町
要は、町役場です。

良いところに目をつけました
じいちゃんばあちゃんしかいませんから

出棺
霊柩車に棺を乗せて
先頭を霊柩車が走り
その後ろを車でゾロゾロとついていく

普通の光景
の筈ですが
考えてみれば
この事自体最近あまりやらなくなってませんか?

斎場
四方を山に囲まれた斎場でした
斎場に着いて、
お坊さんがお経をいっぱい唱えて下さり
その間にお焼香

その中での細かいしきたりも
これは、もう今では東栄町しかやっていませんというものがありました。

それが終わって、棺を火葬場へ
ここで、三河地方では、東栄町しか残っていないってものを体験しました
参列者全員に何らかの役割が割り振られます。

私は、棺を押していく役
長女は、遺影を持っていく役
次女は、お米をもったやつをお盆に乗せて持っていく役
みんなが何らかのものを持ってゆっくりゾロゾロと行列していきます。
棺は一番最後

歩き出す前に、長い棒の先に、花が着いた篭みたいなものを持っている人が
ザザザッと振ります。

そうすると、色とりどりの紙切れと一緒に小銭がいっぱい地面にばらけ落ちます。
ちっちゃな子供が寄ってきて、小銭を拾って帰るという儀式。
たまたま、ひとりもちっちゃな子供がいなかったので
長女や次女も拾い役をやりました。

親戚のお年寄りが小さい頃の話をきくと
お葬式があるという話を聞けば出向いていって
小銭を拾い
駄菓子屋に行って駄菓子を買うのが楽しみだったとのことです

次女は
帰りの交通費くらいにはなったよ

火葬場
隣の建物ですからそれほど時間はかかりません
行列は火葬場へ

棺に生花を入れます
さらにここでも、東栄町しか残っていないという
赤い房を使った儀式

そしてその後棺の窓を開けて、最後のお別れ
これ、だめですね
それまで、気丈に振る舞っていたカミさんの目も
涙でいっぱいになりました

私ももらい泣き
自分の母さんの時も思い出しちゃいました。
あの時は後から後から涙が出てきて
自分でもビックリした。
肩を震わせ、声を上げて泣いてしまった。

お骨あげ
お骨になるまで、待合室で会食
2時間かかります

今はどこの火葬場でも、もっと早く終わるらしいですけど
じっくり待ちます

2時間後にみんなで集合してお骨あげ
二人一組になって骨を箸で一緒につまみ
お骨の箱まで持っていく
喉仏と言われている骨を乗せ
頭蓋骨で蓋をして、おこつあげはおしまい

生きていた人が
そのままの形で骨になってくると
ああもう戻ることは本当にないんだなあ、と思いますね

再び
お骨あげも終わったので、もう終わりかなと思うとそうではありません
また、斎場に戻り
お骨を前にお坊さんがお経

みんなにお経集が配られ
お経を一緒に唱える
最初は般若心経
出ました、般若心経
最初の時のお経は全く何がなんだか分からなかったけど
般若心経なら全部分かります

それ以外にも色々お経があって
その間にまた、お焼香

最後に東栄セレモニーの人にバトンタッチして
また、般若心経
般若心経を二回も唱えることが出来ました。

お寺
それが終わると、もう辺りは暗くなっています。
さすがにもう終わりかと思うと、いえいえどうして

今度は、みんなでお寺さんへ
お骨を持っていきます

そこで、位牌堂に入り
ご先祖様代々の位牌を前に持ってきてご報告
ここでまた、般若心経
そのあと、みんなでご焼香

そして和尚さんが
ユーモアを交えて楽しいおしゃべり

ようやく家に戻ります
PM7:30
我々はこれで終わりですが
喪主とカミさんたちは
生花を持って
ご近所にあいさつまわりです。

いやあ、すごかった
朝から晩まで、ずっとお葬式でした。

ぐったりではありましたが
どんどん簡素化されているお葬式ばかりしか経験していない私としては
言葉で言うのは難しいし
あまりに大変なので、どんどん省略されていくのも
当然分かるんですが

あくまでも感覚としてです

こういうのも、いいもんですよ

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