仏像の見分け方、釈迦如来

前回、仏像ハンドブックの話をしましたね

いよいよ、今回から一つずつ見分け方を説明していきます。

最初は何と言っても釈迦如来、お釈迦様です。

その前に、4つのグループの内、如来(にょらい)とは何かから

如来
前回、如来は、悟りを拓いたひと(仏様)だと話しました

仏教は釈迦が悟りを拓いたことでスタートした訳ですから
当然、お釈迦様は如来で、釈迦如来ということになります。

では、釈迦如来以外の如来ってどういうことなんでしょう

釈迦入滅(死去)後、500年ほどが経過し
分裂などもあって
仏教が清新な宗教としての生命を失いつつあった

そんなときに、新しく大きな仏教運動が起こる
大乗仏教です。

出家修業者が良ければ良いなんて
お釈迦様はそんな事言ってなかったんじゃない?

悟りを拓くというチャンスは、
もっとみんなに認められても良いんじゃない?
多くの人が乗れるでっかい船と考えよう
ということで、大乗仏教

釈迦は、確かに極端に優れていたかも知れないけど
悟りを拓く一つの例を示してくれただけで
その前にも如来(悟りを拓いた仏様)はいただろう
そして、未来にもいるだろう。(弥勒仏)

また、ずいぶん先でなくても極楽浄土に行けば
仏にあえて往生できる(阿弥陀如来)
等々、どんどん広がりを見せていきます。

この辺が仏教の面白いところで
唯一絶対の神しか認めない宗教と根本的に異なるところですね。
釈迦は、仏ではあっても神ではない。

見分け方
概念的な話は一旦おいて
仏像の見分け方の話に入っていきましょう。

釈迦は実在するわけですから
釈迦はこんな人だったと、口伝えで語られていることを像にすれば
釈迦像にはなる

でも、釈迦如来像となると
悟りを拓く前では意味がない。

成道(じょうどう)と言うんだけど、ちょうど悟りを拓いたタイミングです
その時の姿が釈迦如来になります


悟りを拓いているわけですから、おしゃれをしていません
装飾品は身に付けていませんし
一枚の布をまとっているだけ
右肩が出ている場合と、出ていない場合はありますが
胸ははだけています。

実は、釈迦如来に限らず
如来全般にわたる特徴です。

これが菩薩と大きく違うところです。

菩薩は、まだ悟りを拓いていないので
成道より前、釈迦族の王子だったころをモデルにしています
だから、ちゃんと服は来ているし
装飾品も身に付けている
詳しくは、菩薩の時にね

三十二相
服はボロボロの方がむしろ良いわけですが
それ以外の特徴は、そりゃまたなんで、と思われるようなもの

やっぱり、庶民としては
お釈迦様は、常人にはあり得ないすごい人と思いたいのかも

三十二相と言って、常人にはあり得ないような特徴がある
美しく大きな声、みたいなのは仏像では表現できないので
形に現れる、分りやすい特徴を紹介しましょう

螺髪(らほつ)
 前回、説明しましたね
 巻貝のように頭髪が縮れている

肉髻(にっけい)ないしは頂髻(ちょうけい)
 こぶみたいに頭の上が盛り上がっている

白毫(びゃくごう)
 眉間にあるポッチ
 あれ、何かのしるしかと思ったら
 毛なんですって
 白い毛で渦巻いて丸まっている
 伸ばすと、4.5mもある
 光を放って、世の中を照らすんですって
 すごい便利ですね
 サンタクロースにもあったら良かったのにね
 ウルトラセブンにはあります

金色相(こんじきそう)
 全身が微妙な金色に輝く
 金の仏像はこれです

丈光相(じょうこうそう)
 全身を包む光が体の背後で輝く
 いわゆる後光です。

これらの特徴は、たまたま、釈迦如来に起きた特徴。
如来の仏像を作るときには
同じようにするわけだけど
悟りを拓くと必ず起きる現象とは考えない方が良いでしょうね

でないと、悟りを拓くハードルが高くなりすぎますよね
お坊さんなんて、頭を刈ってるのに
悟りを拓くと同時に
もこもこもこっと巻貝のように毛が生えてきて
頭がどーんと二段階
って、それはちょっとね

本当にそうなるんだったら、
悟りを拓いたかを見分けやすいけどね

全身金色なんて、
眩しくて寝れないし。

syaka1

シリーズの次回、阿弥陀如来以降に
手の形、足の形、持ち物なんかも説明していきます。

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