金田一先生の「美しい日本語」シリーズです。
問題
招かれたお宅で、食卓の上に醤油があるが、手が届きません。
「醤油を取ってください」と言いたいわけですが
より丁寧な言い方を考えてみてください。
この後ろですぐ答を書きますので
答を隠しながら考えて下さいね
答
以下の順番で、丁寧さが増していきます。
下のいずれかであれば正解です。
1.醤油を取ってくださいませんか
2.醤油を取ってもらえませんか
3.醤油を取っていただけませんか
4.醤油を取っていただけませんでしょうか
5.恐れ入りますが醤油を取っていただけませんでしょうか
醤油を取ってください、を普通の言い方として
1.は、否定(ません)疑問(か)に変化している
2.へはさらに
可能(もらえ)の否定(ません)疑問(か)に変化している
3.へは
可能のもらうを丁寧ないただくに変え
4.へは
否定疑問を否定疑問推量(でしょう)に変え
5.へは
文頭に付ける言葉で丁寧さを増している。
醤油を取るのは、私ではなくあなたが決めることですので
あなたの意思を尊重しますよ、と
いいですか→ダメですか→ダメなんでしょうね
と
可能の否定疑問推量に変わっていく訳ですね。
語尾をゆっくり相手の顔色を見ながら
取って・・いただけ・・ません・・でしょうか
って感じでしょうか
もっと
そもそも、目上の人にお願いするのは失礼だという場合がある
普段口もきけないような人の場合。
そんな時は、こんな言い方で頼むことができる
「それはお醤油でしょうか」
見事ですね
さすがは、金田一先生
相手の意思を尊重しても何も
そもそもお願いしていない。
相手が察してくれれば醤油ゲット
「醤油だと思います」だけで終わっちゃったら
醤油をつけずに寿司を食べましょう。
その方が後々良い思い出になります。
良いわ、日本人
美しい。
外国人にこんなこと言ったら
ホワイ?