世界で一番植物の名が多い国、それが日本

金田一春彦先生の「美しい日本語」シリーズです。

木の名、草の名
日本語には大変多くの数の機能な木の名、草の名がある
大槻文彦さんが編集した「言海」をひらいて
外国人が言った。
これは植物の名ばかりではないか

日本語に植物の名が多いのはなぜ?

木の種類が多い
ひとつは、日本に植物の種類、ことに木の種類が豊富なためです

ドイツやスイスで木のリストを作ると1枚の小さなカードにおさまってしまうそうだ
イギリスで林と言うと アカマツ林ナラ林ブナ林カンバ林の4種類しかない

カナダの東側の紅葉の美しさに評判があるが赤一色の極めて単純なもの

日本の紅葉は赤あり黄あり橙あり
「もみじの錦」ですもんね
木の種類の多いことの証

漢字で何偏の字が多いか調べると
最も多いのは魚偏の文字で第二位きは木偏の文字
これからも日本は魚の国木の国であることが分かります

木への関心
しかし日本語に植物名が多いのは日本に植物の種類が多いから?
それだけじゃない

日本人は古来植物と縁が深く植物に関心が多い

木造の家に住み、畳の上に座り、麻や木綿の着物を着
木製の椀に入れた野菜を木の箸で食べる生活をしてきた日本人

当たり前かな

パイクさんの失敗
金田一先生が、日本人の植物についての関心の深さを痛感したのは
昭和30年頃アメリカの言語学者パイクさんが日本に来て
東大の大教室で行った公演を見聞きしたとき

パイクさんが披露したのが
自分の知らない言語を話す人と2時間ばかり対談し
その言語の音韻体系と文法体型の大体をマスターする方法

パイクさんは日本語が全く分からない
日本では外国語を話せない国文学科の女子学生を日本人の代表としてステージに送り込んだ

パイクさんが学生にアオキの葉を見せた

学生:アオキの葉
パイクさん:aokinoha?
学生:はい

パイクさんは黒板に
aokinoha leaf
hai yes

次にツツジか何かの小さな葉を見せた

学生はそばへ寄ってしばらく眺めていた

学生:わかりません

黒板に
wakarimasen small leaf

聴取からは笑い声が漏れたがパイクさんは気づかず
進めていった

当然最後まで望ましい結果が得られなかった。

おそらくパイクさんの経験だと
今までの色んな外国人は
二つ目の葉っぱを
それぞれの言葉で「小さい葉」と言ったんでしょう。
日本人もそうするはず

でも違った
日本人はいきなり葉っぱをつきつけられて
「葉っぱ」とは答えない。
果たして何の葉っぱだろうと一生懸命考える
分からなければ当然「分かりません」

大きい葉、小さい葉と答えるのは
小学校に上がっていない子供だけ

ある程度の年齢になると
子供じゃあるまいし
そんな恥ずかしい答、出来ますかいっ

ウォーキングで
ウォーキングイベントをやってみて分かった事があります。

みんな植物大好きですね

花にも木にも実にも
道端に咲いてたりなってたりするものを見るたびに
声あげてうわあっ

これ何?
知ってそうな人に聞く

自分にはまったくそういう習慣がなかったので
最初は戸惑いました。
今は分かる気がします

複数人数で目的地まで歩く

いろんな話をしながら歩くわけですけど
そんなかでやっぱり話題になる って言ったら 目につくもの

花が咲いてたり実がなってたりすると
確かに単純に、綺麗って、話題にする

ある人が言ってました
歳とってくると
動物に興味がわき
植物に興味がわき
石に興味がいったら
もうその後死ぬしかない

危ないかも

丁度、この土曜日、イベントがあって
やっぱり色んな花を見て
これなに、これなに?

先程のパイクさんの話に出ていた
アオキの葉もありました。

本を読んだとき
アオキの葉?
そんなの分かるんかな

でも、土曜日を越えて今思いました。
うん
分かったのかもしらん。

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