筋肉の伸びると縮むの話

筋肉の伸びると縮むの話をしようと思います。

筋肉縮む
筋肉は自分で縮むことはできるが、伸びることはできません。これ意外ですよね。
ではどうすれば伸びるかというと、拮抗筋か、重力によります。
昔、小学校のころに理科の実験でやった気がするカエルの脚の筋肉に電気を通す実験。
そう言われるとあれでも、縮むことはあるが、縮んだままで伸びることはありませんでした。

拮抗筋
拮抗筋とは、逆側についている筋肉と筋肉がペアになり、一方が縮むともう一方が伸びるという関係をいいます。
例えば太ももの例でいうと、前側の大腿四頭筋と、後ろ側のハムストリングスは拮抗筋になります。
大きくいうと胸と背中は拮抗筋の関係になります。
胸の筋肉、大胸筋等と、背中の筋肉、僧帽筋下部や広背筋等です。
常にそういう関係にあるということは、一方が強化され逆側が弱いと、弱い側が常に伸び気味になり、緊張を強いられることになります。
重要なことは、常にこれを意識すべきだということです。
でないと、ブレーキをかけながらアクセルを踏むような非効率なことになってしまいます。

伸びることが緊張
縮むって力が入っているイメージがあり、伸びるって緩んでる感じがあるので、コリって縮んでいる方で発生している気がしますよね。
正解は逆。こりは伸びている方で発生します。
確かに首のコリは、頭が前に行きがちな状態で首の後ろがこるわけだから、なるほど合点がいきます。
ということは、拮抗筋の関係にある筋肉は、一方のみを強化すると逆側でコリが発生する。
例えば、大胸筋や腹筋を鍛えて、かっこいい体を作ろうとすると、逆の背中でコリが発生することになる。
ボディビルダーは猫背になりがちというのは、背中より胸や腹を重視してしまうからだということです。
現代人は、パソコン作業等で、体の前側に筋肉が偏って猫背になりがちで、首や背中や腰に支障が出やすい。
基本的には背中側を強化するべしと考えてまず間違いがないでしょう。

随意筋
随意筋は、自分の意志で動かすことができる筋肉。
不随意筋は、自分の意志では動かせない筋肉。心臓の心筋、消化管、血管、多くの内臓にある平滑筋です。
不随意筋は自律神経がつかさどり、随意筋は運動神経がつかさどります。
生きていく上で最低限必要な動きは、不随意筋で、手足などは随意筋。唯一呼吸だけは、随意筋でもコントロールできます。
運動にかかわるのだけれども、自分で動かしにくい筋肉というのもあります。それが体の奥まったところにあるインナーマッスルです。

インナーマッスル(大腰筋)
インナーマッスルの大腰筋、ウォーキングで一番重要な筋肉でしたね。
この筋肉は伸張反射運動という縮み方をします。
まずは拮抗筋であるハムストリング(太ももの後ろ側)が縮むことによって伸ばされます。
大腰筋は、骨盤を巻き込んだ形で伸ばされ、後ろ脚が宙に浮いて、楽になった時点で反動で縮むという縮み方をします。
即ち、大腰筋で歩くという理想的な歩き方は、直接大腰筋に対して「縮め」という脳や脊髄からの指令ではなく、ハムストリングで脚を後ろに送ることで間接的に実現します。
理想的な歩き方の感覚が身についてくると、脚を前に出す感覚ではなく、「進んじゃう進んじゃう」感覚になるのはこのためです。

温めると冷やす
筋肉は温めると伸びる、冷やすと縮むことになります。
温めると緊張が緩和され、冷やすと緊張するというのはイメージであって、その前の筋肉の状態が伸び過ぎているなら冷やすべきだし、縮みすぎているなら温めるべきだということになります。

索引はこちら
[人体の仕組み]シリーズはこちら(少し下げてね)

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