関西人、その不可思議なるもの(うけてなんぼ)

私は関西人です。
大学で関東に出てきてからずっとこっちなので、関東の方がはるかに長いのですが、自分としてはやっぱり関西人です。
関西人、不思議です。
おもろい事への異常な執着。
そして「もったいない」という金銭感覚。
この二つがご存じ関西人の関西人たるゆえんです。
そのうち、今日はひとつ目。
関西人はことあるごとに「うけてなんぼ」と思っています。
面白ければそれでいい。
ここが、私自信とても誇らしい考え方です。
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うけてなんぼ
・関西人がなぜ「うけてなんぼ」と思っているかというと生き方の問題なのです。
・関西人以外のあらゆる日本人(以下ふつうのひとと言います)は人生の目的が一つしかありません。
・経済的に富を得るとか、名声を得られるだとか、権力を得られるだとか。ひっくるめて言うと「成功」なのです。
・関西人はそこに全く同列の価値観として「うけること」が入ります。1つプラスではなく他のすべての「成功」をひっくるめた分と全く一緒です。
・基本的に「うけ」のベースは「失敗」です。
・これはもう宗教とも言えるレベルです。
・たとえば仕事とかで失敗したとします。ふつうのひとは落ち込んだりします。
・関西人はその感覚が分かりません。「そらまたなんでおちこまなあかんのん。おいしいやん」と思うのです。
・翌日会社で「こんな失敗してもうて、得意先にむっちゃ怒られたわ。真剣におこりよるからびっくりしたわ」みたいなことでみんなに笑ってもらえさえすれば万事Okです。
・成功すればハッピー。失敗してもハッピー。こんな幸せな人生あるでしょうか。懺悔も救いもへったくれです。最澄も空海も「どないやねん」です。
・関西では、特におばちゃんはうつになりようがありません。「もう、わややわ」で笑うてしまいです。

ツッコミまででワンセット
・関西人はボケると必ず突っ込んでくれるという安心感があります。
・ツッコミまででワンセットであるためぼけだけだと笑いは成立しないということがふつうのひとには分かってもらえません。
・ぼけだけで爆笑してもらえるような高度なぼけはそうそう思いつくものではありません。
・「あのひと関西人ですぐ冗談いうけどそんなに面白くない」と言われても困ります。それはあなたの責任です。ツッコミが笑っていいよというサインでありタイミングの提供なのです。
・関西人がツッコミやすいのは定番のツッコミが存在するからです。「なんでやねん」「そんなあほな」は何にもツッコミが思いつかなかった場合の保険になります。
・やはり、松本人志ほどの天才は一般人にはいないので、いいのが思いつかなかったけどごめんねというふうに思いつつ「なんでやねん」といいます。
・この2つがいずれも関西弁なので、関西人は東京に来ても大阪弁を抜くわけにはいかないのです。関西弁でなくなった瞬間、常にいいツッコミを瞬時に思いついて返さねばならないという恐怖に見舞われるのです。
・そういう意味で言うと北海道出身のタカアンドトシや九州出身のくりいむしちゅーなどはすごいの一言です。

努力と風土
・ただ、関西人の笑いも生まれながらのセンスではなく、努力のたまものです。
・例えば、学校で定期テストなどがあるとします。ひととおり答えを書き終えて時間が余ったとしてふつうのひとはもう一度見直すくらいでしょう。
・関西人は空欄を何とか埋めようとします。そうです。うけ狙いの回答です。
・なぜそんなことをするかというと、先生も分かっていて、かなりのレベルの笑える回答には△をつけるからです。
・テストをかえすとき、優秀なひとの名前は言いますが、さらに面白かった回答も言うのです。
・もちろんヒーローは後者です。
・こんな風土で鍛えられるわけです。

関西人、その不可思議なるもの(うけてなんぼ)」への3件のフィードバック

    • おるかいな

      いや
      やたら明るい奴が
      俺なんか鬱やし、漢字も書けるで
      がギャグなので
      そういうにせ鬱は3割ぐらいいるかな
      そのギャグのために、鬱の字を書けるようにみんな練習する

  1. >そのギャグのために、鬱の字を書けるようにみんな練習する

    ええなぁ。。私も練習しよっ (*^^)v

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