落ちこぼれ(数学編)

落ちこぼれの話は、話していてとても楽しい。

xだのyだの
小学校のときはとても頭が良かった。
(話の都合上、そういうことにさせて)

つるかめ算、旅人算、流水算…
算数、得意だったなあ

線分図でささささっ
ところが、お話しした通り、高校で落ちこぼれ。

数学でいうとxだのyだの、あれは何なの?
微分積分、行列、log、サインコサインタンジェント。
名前だけは知ってるでしょ。

数学って訳が分かんなきゃどうにもこうにも全く手が出ない。
困るのがテスト。
解けないという事じゃなく、ひまでしゃあない。
何もやることない。
xだのyだのは簡単な式ならなんとかなる。
線分図を書く。
xがつるで、yがかめ。
実は答えは正しく出る。
ところが、日本の教育は難しい。
答えは正しくても、式があってないと、点をくれない。

っていうのは普通の人。
私の場合は例え席が一番前でもひたすらに英語の単語覚え。
職員室で有名人なんでしょう。
なんと答えがあってるとそこそこ点をもらえます。

図形
次に目をつけるのが図形の問題。
小学校のとき図形は大得意だったんです。
ところが高校になると、aからbまでの長さという答えの中にルートが入ってくる
サインコサインタンジェントを使って解くのかな。
知らんけど。

ところがここで諦めません。
図の中にある点と点をガンガン結びます。
いわゆる補助線。
いっぱい引いていくと、正三角形に似た三角形がどこかに現れます。

これは正三角形。
自分でそう決めます。
いいの。決めたの。

正三角形ならわかります。
1対2対ルート3
後は得意の、合同と相似形で全部解きます。
すごいことに8割り型、答えは合います。
答案用紙には真っ黒になった図形とポツンと正解。

確率
高校での確率はPだのCだので解くんじゃなかったでしたっけ。
横っちょに、すけさんとかくさんみたいな、数字が二人。
違った?
いずれにしてもそんな解き方が分かるわけありません。
でも大好き、確率。
暇潰しに持ってこい。
答案用紙をばかっとひっくり返します。
後は何千通りあろうとも、組み合わせの樹系図をひたすら書く。
時間はなんぼでもあります。
丸入れて数えて、はい正解っ。
また答えだけ。

テストが終わると
ここから、得意満面です。
友達を集めて黒板で講義。
線分図書いたり、補助線引いたり

お前それ、答えおうてるわ。
天才ちゃうか
そうよ。
落ちこぼれをなめんなよ。

分母が
高校3年の時です。
すっかり落ちこぼれハッピーライフが定着しております。

数学の時間に順番に当てられ、私の番。
前に出て解きなさい、なんですが、慈悲深き先生

君は一行目だけでいいよ、続きを次の人にやってもらうから。

見ると
3分の1+4分の1=  と書いてある(書式の都合上そう表記しました)

(あれっ、なんだろうこれは。分母が違うやん。足されへんがな)
すみません。分かりません。

みるみるうちに怒り出しました。

どういうつもり?
全部解いてもらうはずやのに1行だけでいいって言うてるんや。
それもそんな簡単な一行。

(ええっ、簡単って。分母が違うんやけど)
すみません。分からないんですけど。

チャイムが鳴るまで怒られっぱなし。

時間が終わって、友達に「あないに怒らんでもええやんなあ」と言うと
友達もカンカン。

先生に歯向かってると思ったらしい。

分母ちゃうのに足されへんやん

はあ? 通分せんかい。

ツーブンって何よ。

えっ。お前まさか、本気か。

そう言われると中学校低学年で習ったような。
分数を足してた記憶がうっすらと。

落ちこぼれ恐るべし。
出来てたはずの事まで出来なくなってる。

今に至ります。

落ちこぼれ(テストの乗り切り方)

テストの取り組み方
高校の頃、落ちこぼれていた話はしましたが、落ちこぼれにとって恐ろしくも楽しいイベントがあります。
テストです。
中間テスト、期末テスト(今もあるよね) の乗り切り方をお教えしましょう。

テストでの答えの出し方
2年生の夏から、勉強するのは国語、英語、社会(政治経済と倫理社会)という受験で必要な科目だけに絞っていました。
それ以外の教科は、見事に全く勉強しません。
特に、日本史、世界史などの記憶ものは、中間テスト期末テストで、実に一問も答えられるはずがありません。

ただ、0点はまずいのです。赤点をとらないぎりぎりの線で卒業はしなければなりません。
さあどうするか、ここが腕の見せ所です。
まずは、問の意味が全く分からなくても、何とか10点くらい取る方法です。

例えば、こんな設問があります。
 以下の歴史上の出来事を時代の若い順に並べたのはどれか
 A. A条約締結 B戦争 C事件 D条約締結 E事件
 B. A条約締結 C事件 D条約締結 B戦争 E事件
 C. A条約締結 B戦争 D条約締結 C事件 E事件
 D. B戦争 C事件 D条約締結 A条約締結 E事件
 E. B戦争 C事件 E事件 A条約締結 D条約締結
設問のそれぞれの出来事はちんぷんかんぷんですが、答えはわかります。
Bが正解ですね。
簡単です。この手の問題は9割方正解できます。
一番左を縦に見ます。
これだけでもうAかBかCに絞られました。
出題者は受験生を迷わせたいのです。
最初がB戦争の訳がありません。3対2でA条約締結の勝ちです。
次左から2番目を見ます。
当然C事件の勝ちですね。
はい、もうこの時点でBが正解です。
念のため、最後まで見ますと3つめと5つめでもBは勝っています。
これは、間違いなくBが正解です。

全体の中で、この手の法則で答えを導き出せるものを積み上げ、12~3点は取れます。(100点満点で)
ただ、12~3点では卒業はできません。
さらに上乗せが必要です

テストの前の休み時間
捨てている科目は授業中を含め、1分たりともその科目の勉強に時間を費やさないと決め、それはそれは徹底しておりました。
唯一の例外としていたのがテストの前の10分の休み時間です。
さらに、12~3点を上乗せするために、この時間を使います。
25点取れば、赤点は免れるからです。

この時間に、クラスで一番賢い、日ごろ全く口をきかない秀才君のところに駆け寄り、質問します。
「ねえ、○○君。今回の試験範囲で何とか条約といえば、何条約?」と聞きます。
「まあ、そうだなあ。A条約は一番重要かな」
「じゃあさあ、何とか戦争となると何戦争?」
「まあ、いろいろあるけど、B戦争は何らかの形で絶対出るよね」
という風に、テーマごとに絶対出るものを聞き出します。

ここからのポイントはプライドを捨てることです。
答案用紙が配られると、上から下まで答えが条約を書くべきところはすべて「A条約」「A条約」「A条約」…
戦争を書くべきところはすべて「B戦争」「B戦争」「B戦争」…
プライドのあるうちは絶対にできない作戦です。
なにせ「A条約」「B戦争」で埋め尽くされるわけですから。

1個ずつは絶対に合います。2個は絶対に合いません。
12~3点だけを取りに行く作戦です。逆にそれ以上は不可能です。
実にこの2つの作戦で、一度も赤点を取らず、見事に卒業できました。
びっくりしたのは、この作戦に切り替えてからの方が、その前に落ちこぼれながらも一生懸命覚えようとしていた時の点数を上回ったことです。

それまではいったい何だったんでしょう。
「恐ろしくも楽しい」といった意味がお判りでしょう。
回答しながら大笑いできます。「全部同じ戦争はないだろう」

落ちこぼれていたこと

落ちこぼれ
中学までは結構頭がいいと言われていました。
ところが、中学2年である女の子を好きになり、声すらかけられず、息をするのがつらいほどになってしまった。
みるみる成績が落ちていきました。
それでもやっぱりプライドがあり、それまで当然行くものと思っていたその地域では一番いい高校に、必死で勉強し滑り込んだ。
合格の報告に担任の先生のところに行くと、握手をしてきて「奇跡だ奇跡だ」と大喜び。
よほどだったんでしょう。

そんな奇跡で入ったものだから、レベルの差は歴然。
数学の授業などは「この先生は何語でしゃべっているのだろう」と思えるくらい最初から最後まで行っていることが分かりません。

完全に落ちこぼれとしての高校生活がスタートしました。

大学?
そういう状態なので、大学は無理だろうと諦めました。
母親に「大学受験はしたくない」と打ち明けた。

すると何と母親が泣きだしたんです。

親というものは不思議なもので、昔の頭が良かったころのことしか頭にない。
いくら通知表やテスト結果を見せても
「あんたなあ。絶対にこのことは人に言うたらあかんで。これは何かの間違いなんやから。あんたは頭がいいんやから」の一点張り。

親に泣かれたことがなかったからさすがに参りました。

その時が2年生の二学期。
ある人に相談すると、国公立は無理だけど、私立に絞れば、数科目だけ勉強すればいいとアドバイスしてくれました。

確かに一度奇跡を起こしている。必死で勉強した経験もある。

行きたいのは法学部だったので国語、英語、社会科(政治経済と倫理社会)でのみ受けられるところに絞り、他の科目は完璧に捨てました。
授業中でもたとえ席替えで一番前の席になっていようとも、3科目以外なら堂々と内職をする。
腹が据わっていると強いもので、先生も見て見ぬふりをしてくれます。
元々落ちこぼれ。目くじら立てる必要もないんでしょう。

完璧に捨てるとすごいことが起きます。
面白エピソードがいくつかあるので、また別の機会に紹介しましょう。

結果、見事に第一志望に合格します。

教育方針
こういうのを教育方針というのかはわからないが、うちの母親はすごいと思います。
昔の人なので、結構男尊女卑な考え方をしています。
兄弟は3人で上と下が女性。長男ということになります。

家の中での序列ですが、当然父親が一番ではあるが、次は母親でも姉でもありません。
長男である僕なんです。

父親が会社でいなかったりして、大事なことを決めなければならない時、必ず僕に聞いてくる。
自分より長男の方が上だと思っています。

さらに、息子のマイナス要素は全く見ようとしません。

こうなると、どんなに落ちこぼれようとグレたりするのは全く不可能。
単に期待されるだけだと重荷にもなろうが、頼られてしまうと、これはしゃあないなということになります。
常に的確な答えを出せるよう、一生懸命考えることになる訳です。

たんぽぽの花の色(まさかそんな)

tanpopo
タンポポの花の色
小学校の頃親の仕事の関係で、兵庫県内を3回転校しました。
西宮に引っ越して数ヶ月たった頃の話です。
近くに山がいくつかあったので、家族でハイキングを楽しんでいました。
ふと見ると、たんぽぽが咲いています。

何とその色が白いのです。
びっくり仰天です。
一本ではありません。その辺のたんぽぽ全部が白いのです。
家族全員びっくりして、また白いたんぽぽを見つけては盛り上がりました。
結局最後まで、黄色いたんぽぽには巡り会いませんでした。

翌日
翌日興奮して学校に行きました。

聞いて聞いて。
昨日な。ハイキングしたんやけど、その時、聞いて驚くな。
白いタンポポが咲いとってん。
一本二本やないで。いっぱいあったんや

はあ。何ゆうとんねん。タンポポは白いがな

ええっ。花やで。綿毛とちゃうで

そうや。白やなかったら何色や

黄色に決まっとるがな

そのあたりの友達を集めて
おいおい、こいつおもろいことゆうとるぞ。
タンポポが黄色いらしいで

そらおもろいな、太古の昔からタンポポは白やがな

白や 白や のオンパレード。
最終的にはクラス全員がすべて白だと言い張るのです。

何が何だか分かりません。
特に転校生をはめてやろうとかそんな感じでもないのです。
明らかに本気で言っています。

こんな経験はありますか。
どう考えても明らかなことを実に全員に否定される。
この日のことは、おそらく一生忘れられないでしょう。

家に帰って
インターネットとかがない時代です。
家に帰って百科事典をおそるおそる引きました。
白いと書いてあったらどうしよう。

黄色いと書いてありました。
ほっ。

ただし、その横にこんなことが書いてあったのです。

シロバナタンポポという花があり、タンポポと同じ形で色は白い。
シロバナタンポポが咲く地域には、一切通常のタンポポは咲かず、通常のタンポポが咲く地域にはシロバナタンポポは咲かない。
そのため、タンポポの色は白いと思っている人もいる。

今回の現象そのままです。
いやはやびっくりしました。

しかし、西宮とその前にいた尼崎はそれ程遠く離れていないのです。駅にして10個あるだろうかという程度。
その近い距離なのに、きれいに分布が分かれる。

さらに言うと、そのもう一つ前は加古川で、西宮からすると尼崎の逆側。
要するに西宮は真ん中です。
加古川でも尼崎でも黄色いタンポポしかなく、真ん中の西宮では全員白。
白と言ったら白なのです。

貴重な体験
本当に貴重な体験をしました。
真実なんてどこにもないのかもしれない。
自分たちが信じて疑わないことは、たまたま黄色タンポポゾーンだったというだけのことかもしれない。
よく我々の業界で使う言葉で「普通こうでしょ」というのがあります。
私もよく使ってしまうのですが、今後何色タンポポゾーンか分からないんだということを肝に銘じるべし。

この記事を書きながら改めて思いました。
sirobanatanpopo1