いよいよ、江戸の大名庭園

庭園シリーズで、色んな庭園を見てきました。

時代は進み、いよいよ江戸時代になります

大名庭園
江戸の大名庭園は、今まで紹介した色んな庭園の集大成とも言えます。
色んな要素を含みます。

江戸時代にはかなり諸藩で庭園造りが盛んになるんですが
それには理由があります。

江戸の特徴としてあげられるいつものキーワードが今回も出てきます。

まずは、何と言っても参勤交代
参勤交代のお陰で江戸の町には毎年交替交替にやって来る
全国300藩のための屋敷を用意して
はい、江戸にいる期間はここで過ごしてね。

要はお客さんだらけの町

各藩はプライドをかけて、他の藩に自慢できるものを用意する
大阪万博でアメリカ館が月の石を展示したように
江戸の各パビリオン(武家屋敷)では自分のところの名所を再現する
例えば神社仏閣なら、豊川稲荷だったり金刀比羅宮だったりを敷地内に作っちゃう

そこで、一番お客様を唸らせるものは?
やっぱり庭園ですね
金沢の兼六園だったり、水戸の偕楽園だったり

そう。
パビリオンなんだから
各所の庭園の要素が凝縮されて
江戸に集まるって言うわけ

そして、もう一つのキーワード
平和

平和になって要らなくなったものの代表格は城
武家諸法度(ぶけしょはっと)で
城は新築禁止、修繕も許可なくば駄目

城の変わりに何作る?

庭園なんてどう?

同様に
禁中並公家諸法度(きんちゅうならびにくげしょはっと)で
天皇やお公家さんにも政治に口出しせず、学芸文芸にいそしみなさい。

不本意ながらも
その方針に従いましょうという証に作ったのが、桂離宮
八条宮智仁親王は、一時は、豊臣秀吉の関白を継ぐ立場にあり
仕事も出来るタイプ

危ないぞ、ってことで
金を与えて
これで、見本になるような立派な庭園を作りなさい。

今までの庭園の歴史を全て踏まえた、総合的な庭園でどうだっ


要らぬ腹を探られたくない各藩も、桂離宮の庭園を教科書として
庭園作りに精を出します。

各藩にある庭園
例えば、三大名園と言われている
岡山後楽園


金沢兼六園


水戸偕楽園

はい、分かりました。
城の代わりに立派な庭園を作りますよと
表向きは言っておきながら
良く良く見ると軍事的要素がかいま見られる
池泉が堀のようになって、攻められにくくなっていたり
有事の際には出来るだけ生き延びられるよう
食料になる植物を植えていたり。
梅なんてそうです。

どっこい、その通りには行きませんよと。

ただ、江戸の武家屋敷に作ったそれらを模した、自慢するための庭園には
その要素がない。
さすがに江戸の屋敷だけに攻め入っても仕方ありませんからね
という事で言うと
江戸にある大名庭園は
純粋に平和の庭園だということになります。

索引はこちら
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