旧粕谷家住宅は、一番。

万葉植物園を再訪
の続きです。

植物園以外にもうひとつ行きたかった場所
前回行ったら開館時間を超えていて入れなかった、旧粕谷家住宅

旧粕谷家住宅

茅葺きの家なんて東京には絶滅しているだろう
と思っていましたが
ウォーキングをやっていると、茅葺きの家が意外とあるんだと気づきます。

そうなると逆に、「民家の楽しみ方」が必要になってきます。
過去に行った民家を思い浮かべながら
すごーい、今まで行った民家にはこんなの無かったぁ
って奴です。

神社やお寺は、ウォーキングには欠かせませんので
「神社やお寺の楽しみ方」にさらに磨きをかけるべく頑張っております。

神社に関しては
鳥居の種類、建物の種類、屋根について
祭神のそれぞれの神様の逸話
特に今深めようとしているのが
神社別の知識です。

八幡社、稲荷社、東京の場合は氷川神社
これだけ押さえておけば8割大丈夫

お寺に関しては
仏像の見分け方に端を発し
今、名僧シリーズで、各宗派に入って来ました。
そして、今追加しようとしているのが建物の各アイテム
屋根だったり、門だったり、各装飾品だったり

おいおい、神社仏閣について研究の成果をブログにおこしていきますね。

そんな中で、今読んでいる「違いがわかる日本の建築」
そのなかに、ラッキー
民家がついていたじゃありませんか

さあ、基礎知識とも比較して実践で楽しむチャンスがやってまいりました。

おじさん
いらっしゃいませ

おじさんがお出迎え

はい、これで、ここが「むっちゃ楽しい」というレベルに達することがほぼ保障されました。

どこへ行っても、楽しむための下積みはしてきているので
楽しむ自信はあるわけですが
ひとつ抜け出した、「むっちゃ楽しい」にはおじさんが必要です。

そこに置いてあるもの、ではない
おじさんが、私これ大好きなんです、って感じで
無茶苦茶楽しそうにしゃべってくれる事

ここ、すごく古いんでしたよね

そうなんです。

はい、この笑顔でもう決まり。

確か享保年間だと書いてあったと思うんですが

どうぞこちらをご覧ください。

始まりました。
おじさんの「大好きなんです。聞いてください、見てください」トーク。

ここの何がすごいかというと
まずは古さ
範囲を広げると色々あるんですが
東京23区に限定するとなんとここが一番古い

享保なんてまず無理です。
江戸時代中期です。
8代将軍吉宗です。
その時に存在し、吉宗の政治を見てきている家ってことです。

神社仏閣はもっと古いのいくらでもありますが
民家では保存できません。

享保に建てられた民家は大田区にもうひとつあるんですが
ここの方が若干古いんです。

すごいですね
一番ですね。こりゃすごい。

コツがあります。
感動して、誉めて、質問する
これで、おじさんノリノリです。
私の場合は、意識せず自然にそうなっちゃいます。

二つ目のすごいところ
移築じゃない

これ、私初めてかも
三つ目と合わせて説明しますね。

三つ目のすごいところ
つい最近。

ここ、ほとんど知られていません。
なぜなら、つい最近オープンしたから。

ちょっと聞き逃したんですけど
1年前だったか2年前だったか

平成の真ん中ぐらいまで、
なんと、粕谷家の9代目、伊久子さんが
この場所で住宅として住んでいたというのです。

高齢になり、跡継ぎもいないということで
板橋区に寄付

結構長いことしゃべってたんですが
その間に夫婦が訪ねてきて
お蕎麦屋さんやめちゃったんですか?

そうなんです。

後で聞いてみると、隣の敷地に蕎麦屋さんがあった。
伊久子さんは、ここに住んで隣で蕎麦屋さんをやっていたと。
高齢になり、蕎麦屋を居抜きで売り、別の人が10年以上蕎麦屋をやっていたけど
その蕎麦屋も最近やめちゃった。

話を戻して板橋区
こんな貴重なものを頂いちゃったので
ちゃんと保存しなきゃ。

民家の専門家達に協力してもらい
長い間かけて解体復元工事。

中は、現代人が住みやすいようにリフォームされていたのを
色々な資料を解析し、当初の状況に戻す。
外側も、出来るだけ材料等をそのまま使い解体復元。

その工事の中で、南東の隅の柱のほぞに、墨書きが見つかった。

この写真では分かりにくいですよね
享保八年
卯二月三日
雪の日
と書いてあります。

この墨書きというのは、当時の習慣としての工事の記録なので
享保八年に作られた事が判明

板橋区もここで初めて分かってビックリ
そこまで古かったとは。
ひょっとして、23区でうちが一番?
(ガッツポーズ)

専門家達は、享保年間にたてられた民家にある4つの特徴というのが全て存在するので
そうじゃないかとは思っていたようです。

その4つの特徴を全部ちゃんと持った民家というのは、
全国であと3つあるらしい。
その3つは全て重要文化財指定。

ということは、ここももうすぐ重要文化財指定されるに決まっています。
おおーっ、そこまで貴重なものなんですね

他にウォーキングで重要文化財指定されているものも見ましたが
大変。
監視員がついていて
触ろうとするや否や、飛んできます。

今のうちにペタペタ触っとこう。

楽しさ膨らむのは、
当主の話。
粕谷さんってどんな人?

ちょっとお時間よろしいですか

出ました。
解説のおじさんがノリノリになったときに出るキーワードです。

はい、もちろん大丈夫です。

新聞の記事の切りぬきのコピーを見せてくれた。

9代当主賢一さんとなっているから、伊久子さんの旦那さんなのか
新聞でインタビューされたときの記事です。

元々は武士だけど、やっていけなくて農民に。
関が原の時に、東軍に協力し結構活躍したんでしょう。
その時の功績で名主になり
武蔵、下総、常陸の国に転々と領地を拝領
合計三百石というから相当のもの
もう、それは武士相当。

欄間

昔、武士だった頃の誇りで、弓矢をイメージしたものだそうです。

おじさんは近くに住んでいて、子供の頃、ここに遊びに来たときの話とか
色々盛り上がりました。

どこ行こう、そうだ!おでかけマップ

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