[明治維新] 江戸から東京へ、大混乱

江戸東京の明治維新、という本を読みました。

以前、いくつか書いた、明治シリーズ
また数回に渡って追加していくことにいたしましょう。

江戸から東京へ
明治維新
260年続いてきた江戸時代の仕組みは崩壊した。
江戸から東京へのこの町はどうなってしまったんだろう。

1868年9月8日
元号が改められ、時代は明治となった。

若干さかのぼり、同年、7月17日
江戸を「東京」と称する詔書が出され、東京府庁が設置され、東京府政が始まった。

東京府の最初の大事業は、天皇の東幸
天皇の到着とともに、江戸城は、東京城と改称
11月4日に、天盃頂戴(てんぱいちょうだい)が行われる
祝賀として、市中に約3000樽の酒とスルメ・かわらけ・瓶子(へいし)を配るという大イベント

この成功を見て、天皇は一旦帰京
さあ、再度の東幸はどう盛り上げようか

翌1869(明治2)年、3/23~25、天皇再幸を前にして
3日間限定で東京城吹上苑拝観

西の丸御殿のさらに奥にある吹上苑。100%入ることは不可能だった。
旧暦の3月下旬は花見には若干遅いものの、ほぼ花見気分
吹上苑のお掃除をするので、その間に限って解放という名目

その3日後の3/28、天皇が東京城に到着
このあとは、京都に帰ることはなかった。
事実上の遷都(せんと)となる

天盃頂戴や吹上苑拝観で人心を掌握しようというのは
それだけ苦労していた裏返しでもある

人口激減
江戸の人口は100万人超
その内、武士が50万人
3万人の旗本後家人、参勤交代で江戸に滞在する諸大名、江戸詰の諸藩士、そしてその家族

まず、旗本後家人の約半分は、一大名になった徳川家に付き従って静岡に移住
農業や商業へ転職をはかったのが、4500人
残りの5000人超が新政府に就職

総人口は67万人に減った。
一気に40%近い人口が減ったことになる。

武士って何も生産しないから、全面的に消費者
江戸の町人たちは消費者がごそっといなくなったので大不況に陥る
武家屋敷に奉公していたものも一瞬にして職を失う。

新しい東京府から出た御触れは

人は働かなくてはなりません。
頑張って働きましょう。

不思議でしょ
江戸の町人って、一部を除き、しゃにむには働いていません。
月の半分も働けば、あとは適当に遊んで暮らせる。
経済成長をじわじわにして、物価を抑え、リサイクルで物をあまり消費しない世の中だと
そういうことが可能なんですね。

さあ、えらいこっちゃ。考え方を変えないと。

脱藩浮浪士
急に失業した武士たち
参勤交代で江戸に来ている武士たちは、国に帰るしかないわけですが
帰る金もありません。

町中は、今日明日食べるものがない人達であふれかえります。
治安は悪化の一途

ある場所で骨と皮だけの餓死者が見つかるんですが
それは元武士でした。

東京府は、西洋に習って戸籍を作り、3つの種類に分けて、現状を把握しようと試みます。
結論から言うと大失敗。
あまりに流動が激しくて、昨日調べた結果と今日調べた結果が異なります。

3つの種類とは、大名、公家武士が「華士卒籍」、農工商が「市籍」、えた非人が「賎民籍」
ギブアップしたので、仕方なく、四民平等、賎民廃止令に繋がります。
崇高なる思想なんてものは元々無かった。

土地問題
江戸って70%が武士の用地です。
所有権としては幕府のもので、無償で貸し出されていました。
うわものは、自分達で作ってね。

さあ、どうしようか
あからさまに、大名の物を京都の公家や薩長土肥のものに
皇居の前とか、一番良い場所はそうしたんだけど
そんなにいっぱいは持て余す。

まずは、ぎゅっと町の機能を凝縮させよう。

いつまでも空き家のままだと、東京の町が荒廃する。
有料で貸し出すようにしよう。

募集をかけると、有料にも関わらず、応募が殺到した。
東京縮小なので、土地の良し悪しに大きな差が出来る。
ちょっとでも良い土地を借りておこう。
そうすると、その土地を又貸しして差額で収入を得られる。

ところが、東京府側の対応が間に合わない。
もちろん誰もやったことのない仕事ですし。
誰が住んでいた、どこの土地は、誰が借りて、実際には誰が住んでいるのか
ええい、分からん。
またまたギブアップ。

仕方ない
今まで住んでいた人に、そのままくれてやろう。

ということで、占有者たちは、土地をもらっちゃったのです。

あれ
せっかく申し込んだ人達は?

通達。あれは無かったことで。

ぐっちゃぐちゃは、その後どうなったか
続きは、シリーズの次回でね。

[明治]シリーズはこちら(少し下げてね)

[明治維新] 江戸から東京へ、大混乱」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: [明治維新] 町人もえらいこっちゃ | でーこんのあちこちコラム

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です