[天皇]44 元正天皇。結婚すら出来ない哀しき中継ぎ

天皇シリーズ

またまた女帝です。

元正天皇
715~724年

元明天皇の娘、文武天皇のお姉さん、次の聖武天皇からするとおばさんです。

元明天皇が
疲れたわ。あとお願いできないかしら
と、聖武天皇までの中継ぎ役を自分の娘に頼んだ

あくまでも中継ぎであることの確認をしての譲位

元明天皇が即位する段階では、聖武天皇は7歳
ちょっと無理

でも、この段階では15歳
元服も済ませているし、若干無理すれば、即位も可能だったはず。
おそらくかなり本格的な長期になるであろう聖武天皇の政権をどうイメージするかということ

この時点で、元明天皇は55歳
聖武天皇に譲るとなると、自分が太上天皇となって、ちょっときつい
元正天皇に譲るとなると、二人で分担しながら頑張ってもらえ、その次の譲位においても元正天皇が太上天皇となって補佐できる

うん。グッドアイデア
実際には、藤原不比等もいるので、政治面は強力に補佐してもらえる

数年なら頑張ってくれるよね

分かったわ

でも、最初から中継ぎだと分かっているのも辛いものがある
払った犠牲が大きすぎた
この時点で、元正天皇は35歳独身
女帝としては5人目だけど、今までの女帝は、その前の天皇の奥さんだったりお母さんだったり。
すなわち、既に既婚者
今度は、甥っこに譲るために自分は結婚できない。
もし、妊娠しちゃったりすると、話がややこしくなりますので。

ちなみに、平城京になってから二人目の天皇だけど
内裏って男子禁制です。
男性を見ることすら出来ないんですね

ひとりめふたりめは女帝ですので
訳の分からん男を近づけるな、ってことでしょうか
次の聖武天皇の時は、例えば奥さんに子供ができたとすると
それは絶対に天皇の子だと保証するため

男性が入ろうとすると、門の前で
「みかどのつかさ(姈司)」大きな声で二回叫びます。
姈司とはそういう役職の名前の事で、やはり女性です。

はいはい何でしょう、と出てきて、用件を聞きます。
ちょっと待っててね
と、天皇に、入れて良いかを聞きに行きます。

元号
元号も見ておきましょう
元正天皇の即位のとき、初めて天皇の即位を理由とした改元になります。
このあとは若干の例外を除き、天皇の代替わりで改元しています。
霊亀(れいき)です
霊亀3年に、元正天皇が美濃の国に旅行します。
養老の美泉に立ち寄ったとき、肌に傷があったのが治ったんです

あら治ったわ。すべすべよ
ってことで改元
養老(ようろう)です

大宝律令を改良した法律を藤原不比等が中心になって作るんですが
養老令ということになります。

養老7年には、三世一身法(さんぜいいっしんのほう)が発令されます。
当時、全国合わせても農地が百万町歩無かったのに、百万町歩の農地を開墾するという壮大な計画を立てた
農地倍増計画ですね。
そのため、天智天皇が考えた日本の土地は全て国家のものという大原則を変更
開墾した人からその孫まで、所有権を認めましょう。
どえらい方針転換ですね

倍増したんでしょうか
よく分かりません。
ただ、20年後には、
まだ孫は生まれていないだろうに、大幅な更なる方針転換を図るので
それほど効果がなかったのかも
墾田永年私財法(こんでんえいねんしざいのほう)
やっぱりずっと開墾者の所有で良いことにするわ

「日本の土地は全て国家のもの」は完全に180度変わっちゃいました。

その後、元明天皇が亡くなってしまい
さらに、藤原不比等も亡くなってしまいます。

その次の世代の世の中になっていくのです。

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