[天皇]71 後三条天皇。藤原氏がなんぼのもんじゃい

出ました。大統領!
じゃなくて、骨太天皇!

後三条天皇
1068~1072年

先代の後冷泉天皇の時、
関白、藤原頼通(よりみち)は外戚にとうとうなれないうちに後冷泉天皇が亡くなった。

さあ、後三条天皇の登場です。

今まで、摂政関白は、天皇の外戚であるということを根拠に
摂関家がつとめてきた。
道長に至るまでの摂関家は、実に宇多天皇以来、170年もの長きに渡って外戚だった
170年ぶりに、摂関家を外戚としない天皇が誕生した訳です。

頼通は考えた。
摂政関白を続けたい
ルールを変えちゃおう。

「天皇の外戚だから摂政関白」ではなく
「代々続いて来た摂関家」だから摂政関白

良いんじゃない。

天皇は、それを認める。

えっ、認めて良いんだ
と思うけど、天皇としては計算通り

摂関家が権勢を奮っていたのは、天皇家のミウチだから。
ある意味、一心同体だった。
今までは、天皇家と摂関家が特別で
その他は、それ以外の貴族

外戚と摂関家を切り離してしまえば
天皇家だけが特別で
摂関家とその他が、それ以外の貴族
まあ、慣習上、摂政関白出してますよね、ぐらい。

お母さんやおじいちゃんの言う事は聞くもんですよ
という孝行息子である必要がない。

やる気マンマン
やりたいようにやらせていただきます。

摂関家の強さの秘密
「お金持ち」を無くしてしまえ

律令制度では土地は全て国のものだったはずなのに
例外であるところの「荘園」がどんどん広がってきた。
藤原氏の持っている「荘園」は例外ですから、税金納める必要ありませんよ、と。
最高権力者が特別に認めた特例。
自分に対してね。

変ですね。
本当に必要だからそうなのか、ちゃんと調べましょう。
調べた上で、明確な理由がなければ、荘園停止ね

出ました。
その都度話題になりつつも毎回うやむやになってきた荘園整理
今度こそちゃんとやりますよ。
大ナタでございます。

次に考えたのが相談相手
「お母さんやおじいちゃんの言う事は聞くもんですよ」
をあまり意味ないものにしたのは良いとして
全部自分で考えるってとても大変。
本当のところを言うと、今まで摂政関白に助けられ
天皇はほとんど何も考えていなかったのも事実。

歴史に聞こう。
摂関政治の始まった平安時代より前はどうなっていたっけ。

そう
奥さんや、息子や先代の天皇。
天皇家の中の家族で役割分担しながらやっていたじゃないか。

この時期、奥さんは、子供を産む事だけに意識が行きすぎて
政治まで考えている人はいなかった。
はい、消えた。

昔は、息子は成人になっても皇太子のままで
親が死んで初めて天皇になったけど
今は、幼帝当たり前。
はい、これも消えた。

残ったのは
そうだ。お父さんだ!
お母さん系を外したい訳だから
お父さん系にすれば良いんだ。

お母さんって別の家から来た人だから、
その実家との関係で話がややこしくなる。
お父さんはもともと天皇家だ

平安時代って、ほとんど全ての天皇が生前に譲位しているけど
上皇になると政治には全く口出していない
ひとつの悪例がずっと天皇家のトラウマになっていたからです。
平城天皇が政治に口出しして、しっちゃかめっちゃか
薬子の変が起きた。

それ以来、上皇は、文学や音楽の風流の世界で遊ぶ事に夢中
あるいは出家して法皇となり仏道に励む

要はちゃんとやれば良いわけでしょ
善は急げ!

息子(皇太子)の白河天皇に速攻で譲位した。
そして、自分が「相談相手のお父さん」になるべく
院庁(いんのちょう)を作り、院の運営をしていくための組織を整備した。

ただ、これにはもうひとつ思惑があった
白河天皇のお母さんは藤原茂子(もし)
摂関家ではない閑院流(かんいんりゅう)と言われる家
とても愛していたけれど、後三条天皇が天皇に即位する前に亡くなっている
その後、後妻をもらったのが、源基子(きし)
この基子を茂子よりもっともっと愛しちゃった。
白河天皇より大きく歳の離れた二人の男の子(実仁親王、輔仁親王)をもうけた。
この二人の男の子が可愛くて仕方ない。
白河天皇を即位させ、皇太子に実仁親王をつけよう

でも、そんなことしたら「相談相手のお父さん」作戦が
自分はいいけど、次の白河天皇の時は「相談相手のお兄さん」になっちゃう
いまいちだと思いつつも、実仁親王可愛さの方が勝っちゃった。

さあ、院政の始まり、って思いますよね
でも、教科書では、白河天皇が院政を始めた、と習ったような

なぜかというと、あら残念
勢い込んで譲位したのに、譲位後、たった5ヶ月で病死しちゃった。
結果として、在位期間たったの4年
譲位が39歳だから、その後、長期に渡って院政、の筈だったんでしょうけど。

残された白河天皇大弱り
「相談相手のお父さん」じゃなかったのかよ
死んじゃダメでしょうに。

続きは、天皇シリーズの次回

[天皇]シリーズはこちら(少し下げてね)

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