永六輔その新世界が終る

驚きのニュース
今日、次女から聞かされて、とても驚いた。
永六輔のラジオ終わるって本当?
ええっ?
どどどういうこと。
とうとう「その日」が来てしまうのか。
その場で、次女がiPhoneで検索。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150822-00000110-spnannex-ent

とうとう
24年半続いた「土曜ワイドラジオTOKYO永六輔その新世界」は、9月26日で終了。
後番組は、お笑いコンビ「ナイツ」が出演する「土曜ワイドラジオTOKYO ナイツのちゃきちゃき大放送」

以前、書いたことがありますが、私はTBSラジオが大好きです。
中でも、別格なのが永六輔さん。
おそらく、10年以上前から聞いているはず。
昔は、ものすごかった。
この人、バケモンなんじゃないかと思った。
知識の量と幅がとんでもなかった。
話していることが、全て新鮮だった。
芸という世界がそこには有った。
テレビでやっているお笑いとは全く違う、芸人の世界。
落語、浄瑠璃、文楽。
関西人にはなじみの薄い「粋」の世界がそこにあった。
日本全国、行ったことのないところはありません、と言われても永さんが言うんだからそうなんだろうと納得した。

発病後
2010年にパーキンソン病を発病。
それから、あの鋭さは、当時のものとは違ってしまった。
ろれつが回らない。何を言っているのかがかなり聴き取りづらい。
ラジオ番組でそれでは致命傷なはず。
ところが。
日本国民の良識に毎週感動させられた。
みんな永さんのことが大好きだから、一生懸命に聞く。
今日は聞きやすかったね。薬が効いてるんだね。今日は具合がいまいち。大丈夫かなあ。

聞き流すのが基本のラジオであんなに真剣に食い入るように聞く番組はなかなかない。
アシスタントの外山恵理、はぶ三太郎、常連のゲストのピーコや北山修や松島トモ子や豊竹咲大夫(文楽)らが、永さんの言ったことを復唱して、リスナーに伝える。
時には、本番中に居眠りをしてしまう。
リスナーからのメッセージはいつも、今日はお元気そうで何よりです、から始まり、起きててくださいね、が付け加わる。
正直、永さんの話の内容に期待していた以前とは違うかもしれないが、気遣いの美しさを、日本人のやさしさをこんなに感じられる番組が他にあるだろうか。
永さん自身、降板を何度も申し入れているだろう。
ラジオパーソナリティとしての、超一流のプロ。何年も連続して、聴取率トップなのだから。
みんな「その日」が近いことが分かっていつつも、
僕達の方で何とか頑張って聞きますから、最悪、寝ててもらってもいいですから、という雰囲気が番組全体にあふれていた。

あと何回か
あと何回かで、一つの日本の文化が終わりを告げる。
大げさではなく、それだけの意味を持った歴史的区切りになると思う。
インターネットですぐに何でも検索してしまえる世の中。
永さん的な「何でも知っている人」にニーズがなくなってしまった。
でも、そこに永さん的「粋」があるだろうか。
あじわいがあるだろうか。
もう二度とあんな番組はできないだろう。

朗報
と思っていると、すごいいい情報が。
「10月改編で、永さんの新番組(タイトル未定)(9月28日スタート、月曜後6・00)が始まる」
ワイド番組ではないけれど、日本はまだ永さんを必要としているのだ。
「永六輔の新番組」なんとも良い響きじゃないですか。
日本国民、まだまだ捨てたもんじゃありません。

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