納豆の日
7月10日がなぜ納豆の日なのか
はい
予想通り語呂合わせです。
昭和56（1981）年、関西納豆工業協同組合が制定
すごいですね。関西なんです。
関西では納豆は目の敵にされているので
何とか、普及させようという一環で納豆の日に定めたんです。
平成4（1992）年に、全国納豆工業協同組合が7/10を納豆の日として追認
私は関西人。ずっと兵庫県内を父さんの仕事の関係で何度かお引っ越し。
大学から東京に出てきました。
今ほど情報が豊富ではなく、インターネットとかも無い時代
関西では、納豆というものがどういうものか分かりませんでした。
友達の間で話されていたのは
甘納豆とは違う
（関西でも甘納豆はありました。）
豆が腐っている
食べるときに箸を回しながら食べるらしい
この謎の食べ物に興味津々
母さんに、
ねえ、なんでうちでは、納豆が食卓に出てきたこと無いの？
ああ、納豆ね
一回出したことあるんよ
でも、あんたらがまずいって言うて全然食べへんかったから
それから出してへんのよ
ふうぅん
東京で
大学から東京に出てきて
最初、高円寺の親戚のおばさんの家にごやっかいになった
初めて東京に出てきた甥っ子にご馳走してやろうと
何か欲しい食べもんあるか？
遠慮せんと何でも言うてみ
納豆！
えっ、そんなもんでええんかいな
藁に包まれた一番高級な納豆を買ってきてくれました。
ほら、買ってきてあげたよ
ところが、自分でリクエストしたにも関わらず
近付く事すらできません
なに、この臭いの
臭いよ。そら納豆やもん
ごめん、あかん
本当にそれは食べもんなん？
とても失礼な甥っ子でございました。
独り暮らし
独り暮らしを始めました
大学生は貧乏なので、人並みの食事は望めません。
自分で料理すれば、食費も押さえられたんでしょうが
当時は、料理といわれても何をどうして良いものやら
料理しなくて良い
栄養価が高い
安い
納豆が挑戦すべきテーマに上がってくる訳です。
よし、死んだ気になれば何でも出来る
納豆を買ってきました。
うーん
あかん
あの日とおんなじ臭いや
結局まったく食べれずじまい
ほとぼりを冷ますのだ
納豆を食べられる人間に生まれ変わるため
記憶を消し去るのだ
何ヵ月経ったでしょう
体調も、気分も良い日
今日ならば、納豆を食べられる気がする
買ってきました。
呼吸を止めて、納豆をつまみ
一粒口の中へ
おおおっ
呼吸を止めた意味がない
口から鼻へ抜けていく
臭いっ
でも、その一粒は食べきりました。
人類の偉大なる一歩
よし、この調子だ
また数ヵ月たち
次は4粒くらい食べられたと思います。
そしてまた何ヵ月か経ったある日
今日はアプローチを変えてみよう
ひきわり納豆なるものが売っていました。
タレつき
えっ
あれっ
食べれる
しかも
美味しい
頭の中に桜吹雪が舞い、妖精たちが小さなラッパを吹き鳴らす
おめでとう
諦めない心が成功を生んだのね
それから、普通の納豆も食べられるようになり
しかも、好物になった
挑戦を初めてから2年の月日が流れておりました。
なんで納豆はこんなに美味しいんだろう
安いから今の地位に甘んじているけれど
もしこれが高かったら
世界三大珍味に選ばれたでありましょう
普通、納豆はご飯の時にご飯にかけたりして食べると思いますが
大学の時は寝る前に、納豆ひとパックをそれだけ食べて寝ておりました。
そうなると、怖いのが「飽き」
いつかやって来るであろう「飽き」を少しでも後ろに引き伸ばすため
通常は付いているちっちゃなカラシは入れません。
数日に一度、カラシを混ぜて味に変化を持たせよう作戦
お陰で大学の間中は、毎日寝る前納豆習慣は続きました
さすがに今は毎日納豆は食べていませんが。
帰省
帰省したとき、真っ先に母さんに言いました。
ごめんな
もう大丈夫やで。納豆食べれるようになった。
もう食卓に出してもエエで。
ああ、あれな
嘘や
あんたがまずい、言うた訳やなく
私が嫌いなだけや
えええっ、まさか
母が子を騙したっちゅうことかいっ