恵比寿さんは捨て子だけど

始まり
七福神のうちで、最初からずっと日本人なのは恵比寿さんだけです

ただ、どこから始まったかについては2つの説があります

蛭子命説
日本の始まりの神様はイザナキノミコト、イザナミノミコトですね
この二人がまぐわって子供を作るのですが、最初はうまくいかなかった。
ヒルのようにぐちょぐちょ
だから蛭の子供で蛭子命(ヒルコノミコト)
三歳になっても歩けなかった。
かわいそうなんですが、舟に乗せられて、海に捨てられる。

お気づきでしょうが、蛭子はえびすとも読めますね。
あの漫画家の蛭子能収さんはこの字です。

この人が恵比寿じゃないかと。

庶民の温かさ
最初の2人の最初の子供。
失敗したから海に流すって「古事記」はそんなところから始まるんですね。
いくらなんでもかわいそう。

でも日本の庶民はとても温かい。
捨てられた神様は、再度海の向こうから戻ってくるんじゃないか。
そして我々を救ってくれるんじゃないか。
そんな温かい気持ちが自然発生的に信仰として形作られていきます。

海の向こうから来た流木のような漂着物は何でも神様として祀られることになります。

実は、「えびす」という言葉の意味はもともと「夷」や「戎」と書いて異民族を表し、ちょっと蔑視したニュアンスも入っています。
「海の向こうから来た」のイメージと重なっていきます。

それにしても日本の庶民はすごいね。
捨て子だったり、蔑視していた異民族だったりをいつの間にか、超人気の福の神にしちゃうんだから。
日本の庶民に「あっぱれ」をあげましょう。

次なる説
もうひとつ説があります。
大国主命(オオクニヌシノミコト)の長男の事代主命(コトシロヌシノミコト)だとするもの
こっちは、福の神として崇めるためにちょっと権威が欲しかったのかも。

古事記によると世界は天と地に大きく分かれている。
当時、天つ神(天)のトップは天照大神(アマテラスオオミカミ)。神社で言うと伊勢神宮。
国つ神(地)のトップは大国主命(オオクニヌシノミコト)。神社で言うと出雲大社。
欲張った天照大神は地の方もこっちによこしなさいと使いを出す。

最終的には承諾するのだが、これが世に言う「国譲り」
最初は即答を避ける。

息子たちに聞いてみないと何とも。
その時、事代主命は釣りに出掛けていて留守だった。
だから恵比寿さんは釣竿と鯛を持っています。

事代主命は、すぐ、良いですよって承諾しちゃうんですけどね。

この両方の説が、どちらかというより、オーバーラップしながら漁業の神様として作り上げられていく。

そして
漁業の神様がだんだんと広がって、商売の神様になっていく。
当時、すでに福の神として大黒天がいたのだが、一人じゃ寂しいと思われたのか、二人セットでというのが増えていく。
二福神の時代。

ご記憶の方もおられるかと思いますが、大黒さんは大国主命
ちゅうことは、大黒さんと恵比寿さんは親子なんですね。

えべっさん
強烈に人気を得るのに一役買ったのが関西での「えべっさん」
西宮神社と今宮戎神社。
1月10日の十日戎を強くコマーシャル。
ちなみに今宮戎は昔今西宮戎と言い、New西宮神社の意味。
面白いのは、西宮神社は蛭子神系の総本社。
今宮戎神社は事代主命系の総本社。

十日戎は子供の頃一回いっただけでうっすらとした記憶しかないんですが、
とにかく人が多かったという印象。

商売繁盛で笹持ってこい

福男選びとか福娘とか、話題には事欠かない。

恵比寿ビール
関西中心の知名度を一躍全国区にしたのは、やっぱり、恵比寿ビールでしょう
地名の恵比寿は、恵比寿ビールの会社があったからで、商品ブランドの方が先。
ちなみに恵比寿ビールは、ひらがなだと「ゑびす」カタカナだと「ヱビス」英語表記だと「YEBISU」

姿、持ち物
釣竿と鯛を持っている。
福耳なのに、耳がとおい。
今宮戎神社では、裏にドラがあって手でドンドン叩きながら、大きな声で「えべっさ~ん~!たのんまっ~せぇ~!」と
念を押さないと 願いが聞こえない

恵比寿さんは捨て子だけど」への2件のフィードバック

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