大黒天はトップバッター

始まり
天とつく、大黒天、弁財天、毘沙門天の3者はインドで生まれ、中国に渡って仏教に取り込まれ、天部の神様になります。
天部は仏教の中では1ランク下で、中心となる方々をお守りする役目。
そのため、すでに庶民に信仰されている神を採用したりしている。
そういう経緯なので、外国の神様でも取り込んじゃえってこと。

お守りする訳なので、基本は戦闘の神様。
いかつい顔で「かかってこいっ」って感じ

特に大黒の黒は暗黒の黒。
最初はとてもダーティな感じが強かった

日本に来てから
家の神の性質が強くなる。
家の神の中でも台所の神様

有名どころでは比叡山にまつられている
比叡山の最澄の夢枕に台所の神様、大黒天が現れ、1000人分の食料に困らないようにしてやるとのお告げ。
ただ、当時最澄の元には3000人もの人がいた。

足らん。
さすがは最澄。考えたよ~
顔が3つある三面の大黒天像を作った。
これで3000人。
えらいっ

日本で、七福神の中で信仰の対象になったのはこの時が最初
堂々のトップバッター。

今でもお坊さんの中では、台所を預かる奥さんの事を
うちの大黒天は、みたいな言い方をする

オオクニヌシノミコト
その後、信仰が広まっていくなかで、神道の大国主命といっしょくたになる。
大黒と大国が音が一緒だから。

大国主命は日本の神様の中では、国つ神でトップ。
一気に広まることになる。
日本の神様になっちゃった。

使いがねずみというのも、焼きうちにあったときにねずみが助けてくれた逸話とぴったり一致した。

ここからは、にこにこしたお馴染みの姿に変貌していく。

ご利益
台所の神様から、農業の神様に。
最初は福の神一人だった訳なので、福全般をほぼ全て受け持つことになる。
特に打出の小槌を持ったことで財産要素が強くなる

ちなみに福の神とは、民間の信仰では大きく2つあって、
病院を治すとか災難を退けるというマイナス面を排除するもの。
もっと健康に長生きしてとか、富を得たいというように、プラス面の増幅を願うもの。
後者の意味合いが強いものが全般的に「福の神」と呼ばれる
福の神としての要素が強くなればなるほど、表情がおだやかになっていく

姿、持ち物
大きな袋を背負い、打出小槌をもち、頭巾をかぶられた姿
米俵2表に乗っかっている

打出の小槌は振れば何でも出せるし、どんな願いでも叶う。
オールマイティですね。
はっきり言ってこれだけでいい。
一寸法師もこれで大きくなりましたし。

大きな袋も色々入っているから色々願いが叶う。

となると、際限なく欲が満たせそう。

ところが、頭巾は上を見ない謙虚さ。
米俵は、2表で我慢するとの質素のあかしという。

何でもOKの状況下で質素を表現するって、日本人らしい奥ゆかしさですね。

男性のシンボル
面白いのが、よく各地に残っている男根崇拝
大黒さんを後ろから見ると男根をイメージできる。
頭巾を被っているところ、体、米俵2俵。
ほらね。

さらに、大きな袋は子宮を意味し、打出の小槌で男女和合を表す。

色んなところに気を使ってますね。
大黒さん
スペシャルっ

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