布袋さんはただの貧乏人

しんがりは、布袋さんにしました
七福神を一人ずつ紹介しようと思ったのは、この布袋さんに魅せられたからなんです

神じゃないのに
布袋さんは、唯一実在の人物。
中国の和尚さん。
もっというと貧乏な坊さん。
正直言って乞食に限りなく近い。

着物ははだけ、でっぷりとした腹が出ただらしない格好。
大きな袋を持っているのは、大黒さんのように袋から願ったものが出てくるというたぐいのものではない。
人に恵んでもらったものを少しだけ食べて、残りは袋の中に入れておくため。
本名は別にあるが、大きな袋を持ち歩いているので、通称、布袋和尚。
各地を転々とし、施しを受けながら生活をしていた。

なぜ七福神なのか
あり得ないです。
すごい。とてもすごい。
神でも何でもない。ただの人間。
しかも、貧乏。
福の神とは正反対。
この人を七福神に入れようという考え方がものすごいと思う。
江戸時代の何とかいう偉い人が、どうしてもこの違和感のある布袋が気に入らず、
七福神に入る資格無しとして運動を繰り広げたらしいが結局は外れなかった。

ひととなり
ただの貧乏人なのに各地でやたらに人気者。
みんなに愛されていた。
本人にも回りの人にも笑顔が絶えなかったという。
回りにいっぱい子供が寄ってきて、いつも子供をいっぱい引き連れて歩いていた。

雪の降る日に布袋さんの回りだけ濡れなかったという
予言したものがピタピタ当たったとか
橋の欄干の上に膝を立てて座ったとか

どうでしょう。
こういう人がいたら、逆に何かあるぞと。
何でいつも笑顔なんだ。子供にかこまれているんだ
ひょっとして、あんななりをしているけど、きっと名のある人に違いない、みたいな。

弥勒菩薩(みろくぼさつ)
布袋さん自身は弥勒菩薩が好きだったらしい。
弥勒菩薩についての書き物を残している。

弥勒菩薩は釈迦没後、56億7000万年後に登場し、世界を救うと言われている超ウルトラスペシャルな仏様。
となると、急に、布袋和尚は弥勒菩薩の化身だってことになってしまう。

そんなアホな、なんだけど。

庶民の思いと福の神
福の神って、もっと富が欲しい、もっと長生きしたい、もっと出世したいという願望を具現化するもの。
良く言えば、福かもしれないけど、悪く言えば欲。

そんなの神様に頼らず自分で何とかすれば?
みたいな抵抗感や
そもそも福を得ることが幸せなの?って
そもそも論。

貧乏でもええんちゃう?
メタボでもええやん
本人が幸せやったら
いつも笑顔が絶えないみたいな人生なんだったら、他になんも要らんのと違う

そんな福の神に対するアンチテーゼみたいなものが、布袋なんかもしらん

庶民はほんとに、大金持ちや、超長生きな仙人や、絶対に負けない武将や、何でもできちゃう超多才で美人なスーパーウーマンになりたいんだろうか
ひょっとすると、そんなものには、憧れてないのかもしれない。

仕事も家も財産もなーんもなくても、ただただ笑って生きていける
そんなおバカさんに憧れているのかもしれない

何がすごいって、そんなアンチテーゼが七福神の中に存在していること。
明らかにおかしいその存在を福の神だと言い切っちゃっていること。

布袋さんは今もスーパーマン、スーパーウーマンと同じ宝船に乗り込み
明らかな肥満体をさらけだし
根拠のない自信に満ちあふれ、ガッハガッハと笑い続けているのだ。

俺にまかしとけぃ
ってね

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