前回、パチンコホールでのトップのロマンの話をしました。
でも、トップが強烈なリーダーシップを発揮して、経営を進めていった訳ではありません。
むしろ逆
トップのロマンが強ければ強いほど、全従業員が主役になった経営が可能になる
バラバラになる心配が無いからです
ノウハウ集をベースにして
やり方としては以前に書いた「ノウハウ集をベースにした経営」です
マニュアルなんてくそっくらえ。
正しいかどうかなんて関係ない。
自分はこうやったらうまくいったというノウハウをみんなで出し合う
それが、人事システムの全ての仕組みになり絡み合って体型づけられていく
実際には
パチンコホールでの一般社員で、重要な仕事は、大当たりしたお客様のところに、ドル箱を持っていって、「おめでとうございます」と渡すこと
みんな、メモのカードを持っているんだけど、これはっと思ったときに、すぐにメモに書く。
そして、休憩とかで事務所に戻ったときに、でっかいバインダーのテキスト(ノウハウ集)の該当のところの余白に、記名付きでそのノウハウを書き込む
例えば
「ドル箱はお客様の右側からそっと渡す」
この右側からというのは論争があって意見がまっぷたつに分かれる
左側派は、右手でハンドルを持っているため、玉で一杯になったドル箱を下に下ろして差し上げるときに、その横に空のドル箱を置いてからの作業になる
右側派は、お客様に左手で空のドル箱を持っていただいてから、一杯のドル箱を下げる
左側派からは、お客様にドル箱を持たせるって失礼だと言い
右側派からは、それこそがお客様とのコミュニケーションであって、大当たりで喜んでいるお客様と共同作業でドル箱交換をすることこそが、喜びの共有なのだと再反論
どうですか
パチンコ屋へのイメージが変わりません?
ロマンのあるパチンコホールは、お客様のためにどうあるべきか、こんな細かいことを真剣に議論し合う
当時、東北と東京を中心に13店舗あったのだが、見たこともない○○店の誰々さんと紙面上で意見を戦わせる
「おめでとうございます」にしたって
東北の方では当たり前で、言わないなんて考えられないけど
東京では言うとビックリされる
店内放送とか
店内放送なんて面白いですよ
いらっしゃいませ、いらっしゃいませ、いらっしゃいませ
本日はお足元のお悪い中、パチンコ○○、○○店にご来店いただきまして
誠に、誠に、ありがとうございます
で、始まる名調子。
東北では、名人芸の店内放送を楽しみに来る
いっばい、色んなパターンがノウハウ集に書かれていく
新台入れ換えや、新規オープンなんてそれはそれは見事なもん
ところが、東京では、名調子は古臭い感じがしてむしろ嫌われる
新規オープンなんかは「おしゃれな演出」がなされる
正解なんて無いから、みんなが面白がって、いっぱい書き込む
楽しんでる
パチンコホールって
働いてみたらすぐ分かりますが
一気にイメージ変わりますよ
パチンコホールって「遊び」の場
お客様はとっても楽しんでいる
従業員も楽しまないと違和感があるので、一緒に楽しんで差し上げる
それが仕事
楽しむことが仕事な訳なので、とっても良い職場
だんだん、楽しい奴ばかりになっていく
ロマンのあるパチンコホールでは、そういう楽しむってことを、全員が一丸となって真剣にやる
文字が苦手
正直言うとパチンコホールの従業員って、学力レベルの高くない人もいたりする
ちっちゃい子供で文字を覚えたての頃って、へとえを間違ったり、「を」の「と」みたいな部分が逆向いているような間違ったひらがな書きますよね
そういう字を書いてくる社員がいました。
そういう社員が一生懸命、ノウハウ集をあげてくるんですよ
おめでとでにこにこわらう
泣けてきちゃいます
奥さんも同じ店にいて、奥さんはすでに2等級(エルダー)に昇格済
いよいよ彼も2等級への昇格権のある研修会に出れる事に
すぐに、直接店に行って、研修会に出れる事を伝えた
良かったなあ。研修会に出れるぞ。○日に、○○店で合同でやるから行ってね
喜んでくれると思ったら、とっても困った様な顔
奥さんに聞くと、切符が買えないらしい
漢字が読めないからどのボタンを押して良いか分からない
当日は奥さんは仕事なので、休日に駅まで行って、切符を買って電車に乗る、予行演習をしたらしい
その時は無理だったけど、2年ぐらい頑張ったんじゃなかったかな
奥さんもかなりテキストの読み合わせをしたんだろうと思う
彼も2等級になれましたよ