パチンコホールのトップのロマン

前回お話ししたように、経営コンサルタントに限界を感じた私は、
気に入っていただいていた、パチンコホールチェーンの会社に就職することになる

私が、その企業の何を一番気に入っていたかというと、トップのロマンです。

パチンコホールって
皆さん感じておられる通り、パチンコホールというのはとてもイメージが悪い。
でも、本当にそうなんでしょうか

入ってみて分かるのですが、やくざと繋がっているだの、不正を行っているだのというダーティな事実はないんです。
いわれなき差別を受ける

そして、ホールに来られるお客様
ホントに楽しんで帰られる
もちろん、負けがこんだ日は、「バカヤロー」ってことはありますが
ほぼ楽しそう

実は私は、それまでギャンブルには全く無縁で生きてきたものだから
このイメージの違いには正直驚いた。
純粋に、いいとこじゃん、って思った

なのに、おたくどこに勤めてらっしゃるんですか
って聞かれて
パチンコホールです
って言うと
話題を変えようとされる

あからさまに嫌な顔をされることもあるけど。

パチンコホールに就職することになって、親に言ったら
決まったことは良いけど、
親戚にだけは絶対に言わないでって言われた

ホールで働いている全員が同じ思いを経てきている

トップのロマン
当時、その会社のトップは専務。
社長の長男。
社長は引退しているから、実質トップ

専務は、父親がパチンコ屋の社長な訳なので、小さい頃から
やーい、パチンコ屋、といじめられる

パチンコ屋が嫌いで仕方ない

一方、音楽が好きで、トランペットが超一流の腕前。
実際に、トランペットでメシを喰えていたというから、よっぽどのもん。

でも、長男だし、いつかは継がなきゃいけないんだろうなと、覚悟はしていた。

そして、いよいよ、その時が来て、ホールに入り、会社を見ることに

それでも深層心理としては「パチンコ屋が嫌い」なので気持ちが乗っていかない

ホントに少しずつだったそうです。
従業員と一緒に仕事をしながら
お客様と触れあいながら

「パチンコ屋」って悪くない
この仕事面白いかも

紙に書いてください
中期経営計画を作るにあたって、「トップのロマン」を紙に書いてくださいとお願いした。
すぐにではなかったけど、書いていただけた。

まちがいなく、最長のトップのロマン
上に書いたような経緯が、A4の紙にびっしりと5~6枚あったと思う
一つ一つは小さなエピソードなんだけど、痛いほどに思いが伝わってくる
少しずつ、少しずつの変化が伝わってくる

発表会
東京と東北を中心に当時は13店舗
地域ごとに数店舗ずつ、全社員を集めて、トップのロマンを伝えていく

元々、好きでトップになったわけではないので、俺が俺がのタイプではない
はっきり言って話下手。

自分の書いた文章をとつとつと読み上げるだけ

でも

今思い出してもこみあげてくる。

最後には、こう締められていた

パチンコ屋の仕事を好きになることが出来た。
でも、正直そこまでだった

トップのロマンの話を聞いて、自分にもう一度問いかけてみた

私のやりたいことって何だろう
ずっと考えて、やっと答えが出た

私は、このパチンコ屋という職業を世の中に認めてもらいたい。
従業員全員が、この仕事に誇りを持てるように。
世の中で憧れの職業にしたい

これを私が今後生きていく使命と考えたい

お願いですから、協力してほしい

みんな
みんな、多かれ少なかれ、同じ思いを持っている
辛い目にあってきているから

あの場の空気。
あの場にいなきゃ、分からない。
「気持ちがひとつに」みたいな、そんな平べったい言葉を使いたくないくらいの、独特の感じ

ああ、このトップのためなら
この場の、このみんなのためなら
どんな事でもやろうって、思いましたから

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