おもしろ歳時記から
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デパートや駅などでおなじみのエスカレーターは、
1889年のこの日、パリの万国博覧会会場に登場した。
原理的にはそれより前に坂道が動くものはありました。
動く坂道に横から飛び乗る危険なもの
階段が動くように改良され、正面から乗れる。
実用化されたのはもう少しあとで、
1896年、ニューヨークのコニーアイランドの埠頭に設置されたもの。
実業家のジェシー・W・レノが特許を取ったこのエスカレーターは、
足を乗せる部分が木製で、手すりはゴム製だった。
原理は、いまのエスカレーターとほとんど同じで、「動く階段」として大人気となった。
とはいうものの、慣れない人にとってはやはりこわかったのだろう。
1898年にロンドンの百貨店ハロッズにエスカレーターが設置されたが、
これに乗って気分が悪くなった人のために気つけ用のブランデーが用意されたという。
日本で初めて
日本で初めては?
はいっ。任せてください。
上野公園のウォーキングイベントの時も説明しました。
これ
1914(大正3)年3月、東京・上野公園で開催された
「大正博覧会」会場に設けられたもの。
長さ10m
上野公園内は急坂ですから
1回乗ると10銭です。
あまりに大人気になったので早速実用化
同じ年に東京、日本橋の三越百貨店本店に設置されたものが第1号だった。
デビュー当時には相当の話題を呼んだものと思われますが、
残念なことにわずか9年後の1923年、関東大震災によって焼失をしてしまいました。
ちなみに日本初の電動式エレベーターが設置された「凌雲閣」も、
関東大震災で受けた被害がもととなってとりこわされており、
日本におけるエレベーターとエスカレーターの歴史的建造物は、
ともに同じ年に失われたことになります。