パチンコって、どれくらい玉出してるでしょう

パチンコの会社については今日が最終回です。

等級ごとに
パチンコホールの会社では、ホントに良い人事システムが作れました。
というのも、それぞれの等級でちゃんとレベルアップ出来るテーマが有ったからです。
それぞれの等級で、主な仕事だけ紹介します。
■1等級→ルーキー 
 お客様への接客です。接客に始まり、接客に終わる。
 始まりにして奥の深い永遠のテーマです

■2等級→エルダー 
 機械知識が入ってきます。
 これ、業界に入って初めて分かったんですが、芸術的です。
 パチンコの台が突然壊れたとしましょう。
 それが、ゲームセンターのゲーム機だったとしたら、「調整中」とかの紙を貼ってそれで終わりですよね。
 メーカーに電話して、来てもらって修理してもらう。
 パチンコ台ってそうはいかないんです。
 一番多いのが、玉が詰まって出ないってやつなんですが、お客様にハンドルを握っていただいているまま、その状態で台をガチャンと開け、台の裏を見て、その場で数秒で直しちゃいます。
 なんでか。
 大当たりしているからです。
 大当たりして、よーし、これから何万か勝って、今まで負けた分取り返すぞ、って時に限って玉が詰まる。
 お客様は「しゃあないねえ」とは絶対になりません。
 絶対にこの場で直せ。大当たりしているこの状況のまま直せ、です。
 数万がかかっているんです。
 店員は、素早くポイントポイントを見て、どこまで玉が来ているから、どこで詰まっていて、何処をつつけば流れ出すかを瞬時に判断して対処する。
 研修会ではわざと玉を詰まらせて、何度も何度も練習します。

■3等級→サブリーダー
 機械知識が高度になります。
 島設備といっている、店全体の玉の流れを管理する機械も直せるようになります。

■4等級→リーダー
 その時々のシフトのメンバーを掌握するマネジメント的な仕事が入ってきます

■5等級→店長
 店の責任者ですから、売上だの利益だの数字が入ってきますが、業界特有の話としては、いわゆる、釘調整が入ってきます。
 「玉は広いところを通る」の大原則のもと、見た目で分からないくらいの微妙な釘の調整をします。
 でも、これも、業界に入って初めて分かったんですが、職人というよりは、演出家。
 細かい職人技より、重要なのは演出です。
 一ヶ月を通し、店全体を通して、必要な利益は確保しないといけません。
 それでいて、出る店のイメージを作らないといけない。
 そして、日々変化させて、お客様と駆け引きする。
 お客様の期待を裏切らないように裏切らないように、うまく裏切る。
 バランスです。プロデュースです。
 台に向き合ってコンコンコンの職人技じゃないんだなあ。

さあ、ここでクイズです
出る出ないをうまく演出する話はしました。
そいつをおしなべてみましょう。
出る出ないを全部平均しましょう。
一ヶ月平均、店全体を平均するとします。

玉を100投入するとします。
さあ、平均して、どれくらい出してると思います?
もちろん、出してる店、出してない店ありますが、当時私が働いていた会社での平均です。

この、クイズ、結構いろんな人に出したんですが、当たらないんですよね。
かなり、パチンコ好きの人でも当たらない。

20とか30とか、もっと低いとか、言う人が多いんですよね。

答えは

140です。

ええっ、ですか?
嘘じゃないです。本当です。

普通にパチンコやってれば、どんどん玉は増えていっちゃいます。

じゃあ、パチンコ屋は損するじゃん、と思いますよね。

からくりは換金です。
140の玉を玉のまま持っては置けなくて、何かに変える。
景品に変えてもいいんだけど、
金に変えるべく、特殊景品なるものに変える。
それを買い場に持っていくと、お金に変えてくれる。

この三店方式という流れの中で、手数料として4割弱取られちゃう。
140×0.63=88.2
パチンコホールって10%位しか粗利がないんです。

金に変えず、景品に変えるどうなるでしょう
景品も、売値と仕入値には差があります。
そこで儲けるんですが、換金よりは少な目です。
ということは、出来るだけ、換金せずに景品に変えた方が得だってことです。

特にパチンコホールが困るのが、タバコです。
タバコは仕入値がきつくて、96~97%位です。
お客様からすると、全部タバコに変えられると絶対に儲かります。
ですから、タバコに変えるのは1カートンまでにしている店が多いと思います。

■さらにその上の等級は、戦略職とか、本部長とかになり、より高度な仕事になります。
綺麗にステップアップがはかられるので、やってて働き甲斐のある職場だと思います。

お別れの時
2年の期限つきで入ったパチンコホール
ほんとに充実していました。
若干延長して2年半にしてもらいました。
それでも、期限が来てしまいました。

盛大に送別会を開いてもらいました。

じゃあ挨拶

ごめん
言葉が詰まってしゃべれない。
ちょっと時間をおいてもう一回にしてくれる?

しばらくして、気持ちを落ち着かせて

ありがとうございました。
この日が来ることは、最初から分かっていたんですが

と言ったっきり
涙が次から次からあふれでて

何にもしゃべれない

幸せだった。
全員が全員、良い奴ばかりで

ありがとう

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