痛みのメカニズムを解明!

「その腰・肩・ひざの痛み治療は間違っている」という本に書かれている、
まずは痛みのメカニズムから説明していきます。

痛みのメカニズムに対する誤解
神経が圧迫されるから痛い
これは間違い。

私も、何となくだけど、そういうのもある気がしていた。

痛みやしびれが、ヘルニアや神経の圧迫、骨や関節の変形、摩耗で起きるという説明は全て間違い。

現代の整形外科の中心は、構造の異常を見つけることにある。
レントゲン等で、異常が見つかったら、
ほらね
痛みの原因はここですよ
神経が圧迫されているんですよ。
手術しましょうね

逆に構造の異常が見つからなかったら、
特に悪いところは見つからないですね
湿布薬を出しときますから、様子を見ましょう

老化で痛むっていうのも違うらしいですよ

じゃあ何?
慢性痛の原因は単純な言い方をすると、筋肉痛。
筋肉が原因です。

骨、筋肉、腱、じん帯、関節、軟骨などの、整形外科が扱う分野のことを「筋骨格系」というらしいんですが
その筋骨格系での慢性痛は、筋肉のけいれん(スパズム)からくる「筋痛症」
分かりやすく言うと筋肉痛ということです。

打撲やねんざといった急激な外力、あるいは労働、姿勢、運動、ストレスなどの日常的にかかりつづける外力によって、筋肉が緊張してけいれん・収縮がおこり、痛みやしびれを起こす
それが慢性化することで、固い筋肉のしこりを生み、痛みも慢性的に続く。
これが、慢性痛のメカニズムです。

急性の痛みと慢性の痛みの関係
急性期の痛みは、外傷(ケガ)によって起こります
ねんざとか、じん帯を痛めるとか、骨折するとか
そういった「組織の損傷」と「痛み」が同時に起きているのが、急性期です。
その中の「痛み」だけが引きづられて長引いてしまう。
これが「慢性痛」です。

3つの痛み
痛みを3つに分けて考えます
1.「イタッ」という瞬間的な痛み
 これは、その場限りのもので治療の必要がありません。
 今回、考える対象外とします
2.続く痛み。ジクジク、ジンジンと続いていく痛み
 この中で、どの程度続くかによって
 2-(1)急性痛
 2-(2)慢性痛
 に別れると考えてください
この、続く痛みは、「発痛物質」と呼ばれる痛みの元が存在します。

痛みの元にはいくつかありますが、代表的なのが「ブラジキニン」です。
「痛む」ときは、血管から「ブラジキニン」が放出されます。

ブラジキニンが放出されると、神経の先に着いている痛みセンサーが反応し、
神経の中を電気信号が伝わって、脳が痛みを感じます。

ここまでで、言いたいことは何かというと、
神経は「痛みを感じとるもの」であり、「痛むもの」ではないということ
痛みを感じるのは先っぽであり、道筋ではないということ
だから「神経が圧迫されて痛む」はウソなのです。

慢性痛は堂々巡り
さらに突っ込んで、ブラジキニンが発生するメカニズムを考えましょう。
ケガや打撲などの刺激があると、脳は交感神経を緊張させます。
交感神経が緊張すると血管は収縮します。
血液の流れが悪くなり、筋肉細胞に十分にな酸素が運ばれなくなり、筋肉細胞が酸欠になります。
その状態に反応して出てくるのがブラジキニン

もうちょっと単純化して言うと
ケがなどの刺激→交感神経緊張→筋肉酸欠→ブラジキニン→痛み

ところがです。
余分にこんなことまで起きちゃいます。

痛みを感じると、反射的に筋肉が緊張しちゃうんです
そうすると交感神経が緊張する
痛み→交感神経緊張→筋肉酸欠→ブラジキニン→痛み

痛みが痛みを産み出す
堂々巡りです

ここはいらないはず。
痛みが燃え盛っていくのはこの余分なメカニズムによるものです。

だから、この本の著者は急性の段階で「痛み」を取ることが「痛み」治療には大事だとする
余分なメカニズムを起きなくする

堂々巡りが起きると
堂々巡りが続くと筋肉も緊張を続ける
そして、筋肉は固くなり、しこりのようなものができる
こうなると、最初のきっかけである外傷とは関係無い世界

そしてさらに神経の痛みセンサーにも異変が
何度も何度も痛みを感じる内に必要以上に強化されてしまう。
「過敏」状態になり、ちょっとしたことでも痛みとして受け取ってしまう。

今日はメカニズムを紹介しましたが、
次回からはじゃあどうすればいいのかを紹介していきます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です